2017年3月30日木曜日

医療保険制度改正&改悪危機に伴う避妊薬チョイスへの影響

ご無沙汰しています。子芋生きてます。
読者から次のコメントを頂戴しながら、長らくレスポンスできず、今になってしまいました。

小芋さん こんにちは。FNPプログラムが始まり、今学期取っているクラスの1つにHealthcare Policyがあります。課題の1つに自分の州のCurrent legislatureに出ているPolicyを批評するというものがあり、Contraceptive useをState Medicaidでカバーするか否かという案を選ぶことにしました。オバマ元大統領がAffordable Care Actに署名してから早7年、自分の州のState MedicaidでContraceptionが未だにフルカバーされていない事に驚きを隠せません。Federal law→State lawへの法の反映が遅れてしまうのは仕方ありませんが、もう少し早く何とか出来なかったものかと疑問に思うばかりです。わが州のlegislatureはBiennial制なので、そういう事も遅れに繋がっている要因の1つであるとは思いますが、それでも7年も経ってから議会にようやく提出されたところにPoliticsの難しさを感じます。 話題が反れましたが、今回コメントさせていただいたのは、Contraceptiveを最先端にて処方されている小芋さんに、ACA施行以降「Contraceptive useは増えているのか」「Unintended pregnancyは減っているのか」という事を肌で実感されているかお聞きしたかったのです。統計的に見てという事ではなく、Cost-sharingが無くなった事によってContraceptive useのカウンセリングや処方を求めてクリニックを訪れる女性が増えているか(もしくは変わらないか、減ったか)ということを直感的に感じているかご意見を伺ってみたく思いました。子芋さんのご意見を自分のPaperに反映するつもりは毛頭なく、このPaperに取り組んでいる最中に子芋さんのことが頭に浮かび、興味本位でお聞きしたかっただけなのです。もし、お答えいただければ幸いです。よろしくお願いします。

子芋のお返事:
コメントありがとうございます。お返事が大変遅くなりました。もはやペーパーは無事提出なさったころかと思います。

あくまで子芋の直観的感覚をお知りになりたいということですので、直感でお答えします。

ACA以降増えたのは、避妊薬利用者の数だけでなく、長期に使えるIUDやインプラントを選択する女性の割合も増えているように思います。費用の面で躊躇する必要がなくなると、純粋に使いやすさや、避妊効果の高さから、IUDやインプラントが最も理に適う、と思う人が増えて当然だと思います。また患者さんのリクエストだけでなく、プロバイダー側もlong-acting reversible contraceptives (LARC) を第一選択薬として提案するという基本姿勢を持つ人が少しずつ増えていると思います。

Unintended pregnancies は目に見えて減っているようには感じられないです。統計的にも全妊娠のほぼ半数がunintended (これは望まなかった妊娠と、いずれ妊娠は希望していたけど「今」は希望していなかった人を両方含む)という傾向は続いているようです。

トランプが大統領になることが決まった昨年11月以降、またいよいよ彼が大統領に就任したこの1月以降、駆け込みといいますか、ACAがまだ有効なうちにIUDをぜひ使い始めたい、とやや焦りモードで見える患者さんがときどきおられます。先日トランプ政権の新法案は失敗に終わってくれたので、とりあえず今しばらくはACAが存続できるので、子芋としては少しホッとしていますが、心配は尽きないですね。

ちなみにState Medicaidですが、ペンシルバニア州では、保険会社によって、パッチをカバーしていないところがあって、残念に思っていましたが、いただいたコメントを拝読して、パッチ以外はカバーされているだけまだましなのだな、と思いました。パッチを希望される患者さんは数こそ少ないのですが、ときどきパッチ以外はいやだ、という方もいて、そういうときにパッチが選択できないとガッカリです。

ひきつづき、FNPプログラムを楽しく堪能なさってくださいね!