日本に帰国するたび、ありとあらゆるところのサービスや気遣いが丁寧で感動する。
レジでちょっとでも並んでいたら、手の空いている店員が小走りで駆けつけて別のレジをすぐ開けてくれたり、全然待っていなくても「お待たせしました!」と言ってくれたり、お店やビジネスに電話しても大概すぐに人が電話に出て(アメリカだと出鼻は自動音声対応が少なくない)くれるし、もうなんて便利な国だ、と再確認するのが毎度のことである。
けれども、医療に関しては、このパターンがなぜか見られないことも珍しくないということを、身をもって体験中。
例1)面会時間の制限。某病院がインフルエンザ対策と称して、病院全体の面会時間を17時から19時の2時間に縮小したのには憤りを感じたが、それがのちに面会そのものを禁じたことには、言葉も出なかった。
例2)病院に患者や家族が使えるWiFiが整備されていない。もし個人もちのWiFiがあっても、SkypeやFafeTimeができるのは、ロビーとかまでいけるぐらい元気な人たちだけ。
例3)入院中の患者やその家族に経過の説明が非常に少ない。某病院では1か月あまりの入院中、初期と退院間際にはまとまった説明があったが、その間の日々、また一週間単位でのアップデートがほしかった。
例4)医療関係者は父の治療はもちろん熱心にしてくれるが、母はじめ家族には関心がない(世間話でリラックスさせるとか、調子を聞くとかいうこともない)ように思われる。
例5)病院にもよるが、3人部屋、4人部屋、6人部屋など、相部屋が基本で、希望しても個室にとても入りにくい。
例6)もちろん個人差もあるが、患者や家族に対する言葉の使い方が偉そうな医療関係者が少なくない。様づけはむしろしなくていいから、基本的な言葉の使い方が改善できるのにな、と思う。
なんだか不満ばっかりになってしまったが、本当のところは、ひとりひとりの医師や看護師や看護助手たちは、必死に、可能なかぎりのベストを尽くしている。人間誰だって厳しい環境のなかで目いっぱい働いていると、優しさも気配りも使い切ってしまう。働く人にもっともっと優しさと気配りが注がれると、それがまわりまわって患者にも家族にも注がれるようになると思う。