2015年6月7日日曜日

抗生物質との付き合いかた

先週、米国ホワイトハウスが、ヒトと動物に対する抗生物質の使い方について、計150以上もの企業や専門職団体と会するフォーラムを持ったそうである。

ご存知の方も多いと思うが、抗生物質は、ヒトの病気に使われるだけでなくて、食用の鶏や牛などの家畜にも(しばし予防的に)広く使われている。抗生物質が効かない細菌感染が近年ますます広まってきて、国を挙げてもっとまじめに取り組まなければいかん、という危機感がこのフォーラムの背景にあると思う。

診察室では、しばしば、「抗生物質をもらわないといけない!」と固く信じている患者さんと出会う。診療する側も、これは抗生物質を使うべきだ、と思える場合はバトルにはならんが、反対に、使うべきでないと判断した場合に、患者さんと意見を交わす(時に激しく)ことになる。

患者さんに納得することばで説明すること、それから患者さんの味方(健康を護るサポーターとして)としての立場から話すことを心がけるが、それでも一筋縄ではいかないことも多い。

特に期末テストの前とか、就職面接の直前などというとき、「たとえ効かなくてもいいから『念のため』抗生物質をください!」と泣いて訴えられたり。背後に(たとえキャンパスから何百キロも離れていても)母親からの強い勧めがあったりすると、なおさらである。

で、関連するCDCのページを斜め読みしたのだが、なかでもこのQ&Aがよかった。
http://www.cdc.gov/getsmart/community/about/antibiotic-resistance-faqs.html
ウイルスと細菌の違いとか、どのように薬剤耐性ができるか、などが医療用語を使わずに易しく書いてある。セリフとして頂戴しておく。

それから、このページにあるように、
「ERを利用する患者さんの5人に1人は抗生物質の有害作用のために来院している。」というところも今後のセリフにしよう。

電子処方(電子カルテから薬局に直接処方箋を送信する)にしないで、あえて紙の処方箋を書いて、どうしてものときは(悪化が続くようなら)何日後に薬局に持っていくように、という手をつかったことはあったが、これだと、患者さんがその日のうちに薬局で抗生物質を手にするのを避けることはできなかった。今回わざと未来の日付を処方箋に書くという方法を知った。
http://www.cdc.gov/getsmart/community/improving-prescribing/interventions/delayed-prescribing-practices.html

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