2015年3月25日水曜日

米国では販売されていないピル

日本と比べると、米国で販売されているピルはとても種類が多いが、プロジェスティン単剤ピル(progestin-only Pill)に限っていうと、現在あるのは norethindrone だけである。ヨーロッパ出身の患者さんなど、ときどきdesogestrel 単剤を希望される方があるが、米国では基本的に出回っていない。

米国内でも、desogestrel 自体はエストロジェンとの混合剤(いわゆるCOCこと、combined oral contraceptives)  の中身としては使われている。先日ある患者さんに「desogestrelをお願いします。」と言われて、ついdesogestrel をふくむ混合剤をリクエストされているのか?と一瞬思ったが、患者さんの意図はdesogestrel 単剤なのであった。

しかしdesogestrel 単剤は米国内では処方したくてもないので、代わりにnorethindrone を処方した次第。

「ピル」にこだわらなければ、他のプロジェスティン単剤としては、注射薬、インプラント、子宮内避妊システム(IUS)という手もあり、個人的には、1年以上避妊を希望される場合はインプラントとIUSをとくにお勧めする。

プロジェスティン単剤ピルは混合ピルよりもさらに規則正しく飲む必要があって、飲み忘れは敵。インプラントやIUSはそういう「うっかり」現象がゼロに等しい。注射薬は3ヶ月有効なので、ピルと比べて日々の手間はないものの、年4回注射のためにクリニックに出向かないといけない。ま、なにをメリットと捉えるかは、患者さんの好みにもよる。

プロジェスティン単剤の膣内リングを販売している国もあるようだが、これも米国には出回っていない。(治験レベルでは多分あるとおもうが。)有効な選択肢は多ければ多いほどよい、というのが小芋の考え。

2015年3月24日火曜日

階段5往復

土曜日、自宅からPoint State Park の噴水(三角州の先端)まで走った。というとかっこいいようだが、帰りはバスに乗っちゃった。あはは。行きも帰りも自力で走ってなお力が余っているくらいにならないといかんのだが、まだぜんぜんそこまで行っていない。

日曜日はCathedral of Learningの階段5往復。(最高記録)
降りてきた直後の昇り、つまり地階から3階くらいまでが一番きついが、それ以外は3往復でも5往復でも大して疲労感は違わないということがわかった。駆け足で昇っていく人たちを恨めしく見ながら、小芋はたんたんと地味に歩く。瞬発力はまるでないが、根気は快調。

クリニックで出会う患者さんの中にも、マラソンに向けてトレーニングしている人たちがいて、すでに18−19マイル連続して走りました、なんて言っている。小芋は彼女たちに遠く及ばん。

2015年3月21日土曜日

架空の患者さん予約という案

1日たいていひとりくらいは、ドタキャンもしくは無断欠席の患者さんがあるもので、その時間に診察の遅れを取り戻したり、トイレに行ったり、書きのこしていた書類に手をつけたりできる。

が、今日のように朝一から夕方最後まで、切れ目なく目一杯患者さんを診て、昼休みも弁当を食べるのがやっと、という1日はぐったりと疲れる。特に今日はNexplanon (皮下埋め込み式の避妊薬)とIUS (子宮内避妊システム)の挿入が1件ずつあり、その他の患者さんも内容的に盛りだくさんであった。

健康診断書が必要な患者さんひとつとっても、運転免許を取るための書式のように、単純でこちらも勝手知ったるものだとスムーズなのだが、特殊な奨学金や仕事に関連する書式となると、物によってはとても複雑で、非常に頭を使う。

ここまでいっぱいだと、あらかじめ架空の患者さんの予約を入れておいてもらいたい気分である。ダメやろうけど。

昔働いていたクリニックと比べれば、故意のダブルブッキングはない分、楽なはずであるが(一体小芋は昔どうやって生きていたのだろう?)、それは比較の問題であって、渦中にいると、全く楽なことはない。あいかわらず時間との戦いである。

大好きな仕事だけに、いいクオリティを目指している分、well-woman visit の時間枠が短くさせられたことが非常に悔しい。




2015年3月19日木曜日

ついに倫理委員会に提出

IRBこと、施設内倫理委員会に、グラント・プロジェクトの詳細なる情報を含めたアプリケーションを今週ついに提出した。

ここまで来るまでに、予定よりもだいぶ時間を要した。

言葉で書いてあるプロセスをわかりやすく説明するために、一覧表やらフローチャートを作ったり、当初は見当もつかなかったような細かな作業が次から次へとあった。

倫理委員会から返事が来るまでの間、次の課題はタックスである。(笑&涙)

2015年3月15日日曜日

階段4往復

ピッツバーグ大学のシンボル的建物、Cathedral of Learning の階段昇り(地下1階から36階まで)。自己最高記録は、3往復を45分でフィニッシュ(ランニングシューズで)したとき。

今日は初めて4往復に挑戦。1時間11分ほどで完了。本日はハイキングブーツだったので、ランニングシューズだったらもう少し楽だったかも。

まぁ、でも満足。汗びっしょり。達成感抜群。

2015年3月14日土曜日

凍った池のうえでホッケーしている人


この冬、寒さで水道管があちこち破裂したようで、歩道や車道でちょろちょろと、あるいは滝のように水があふれているところを何度か目撃した。路上駐車してあった車何台かは、その水が凍って氷と化した中にタイヤおよび車体下部がすっぽりと埋もれてしまい、3週間くらい前後左右いずれにも動けない状態になっていて、本当に気の毒であった。

この1週間、寒さがゆるみ、雪と氷がだいぶ解けた。上記の車たちも、動けるようになっていた。ありがたや、ありがたや。

これは2週間前に橋の上から撮った写真。凍った池のうえで、アイスホッケーをしている人が遠くに写っている。湖面(というか雪)の上に書いた文字も見える。

この氷も、今日くらいにはだいぶ解けただろうな。


2015年3月11日水曜日

牛乳とオレンジジュースでジョアもどき

カルシウムを1日1000mg摂るのを目標にしているが、冬はどうしても牛乳の消費量が減ってしまいがちで、苦戦していた。

あるとき、牛乳とにんじんジュースを混ぜて飲んでいる人を見かけて、真似してみたら、案外これがおいしかった。以後それを応用して、牛乳とオレンジジュースを半々で混ぜて飲むようになった。昔給食でときどき出た、「ジョア」の味にどこか似て、冬の朝でも飲みやすい。

アメリカのオレンジジュースはカルシウムが添加してあるものもあるので、それを使えば、牛乳と半々で混ぜても、牛乳1杯分と同じくらいのカルシウムが摂れる。オレンジジュースをそのままで飲むと、小芋にはちと甘すぎるので、牛乳と混ぜた方が、甘さ的にもちょうどよい。

暖かくなって、汗をよくかく時期になったら、またせっせとバナナシェイクを作るぞぅ。

2015年3月10日火曜日

めんどうな避難訓練


診察を中断して、患者さん共々、皆一斉に避難させられるのは非常に大変だ。

かといって、アメリカのむちゃくちゃうるさい火災警報(光と音のダブル攻撃)が部屋に鳴り響くなかで診察を強行することは無理やし(それでなくとも強制的に避難させられるし)、避難するほかに方法はない。服を脱いだり着たり、を繰り返す羽目になった患者さんは、本当に気の毒。

問題は、いつもと同じくぎっしりと予約が詰まっている点だ。避難訓練を考慮して、少しスケジュールを軽めにしておく、とかいう配慮はない。ゆえに、どうしても診察に遅れがでてしまう。それで、カルテの記載が完了できないまま次の患者さんを診ざるをえない。

というわけで、あの日も、カルテを書きながら(タイピングしながら)弁当を口に突っ込んだ。食べておかないと、後で食べられる時間はないし、午後は予定どおり定時に診察が始まるので、ここでカルテを完了しておかないと、夕方までチャンスはこないこともあるから。

診察する者泣かせの避難訓練である。

2015年3月9日月曜日

さわやかに、夏時間開始

昨日日曜日から、 Daylight Savings Time、いわゆる夏時間のはじまりはじまり。

昨朝はそんなわけで1時間早起きしなければならなかったにもかかわらず、この2週間で初めてさわやかな目覚めだった。

裏を返せば、この2週間の疲労感といったら、ひどかった。

最高気温が4℃まで上がって、とても暖かく、氷や雪もだいぶとけた。実は、あまりに寒さ+雪+氷が続くので、2015年は冬ではじまりこのまま冬で終わるんでは、と心配になっていたのだが、杞憂に終わりそうだ。(笑)

窓を開けて空気を入れ替え、窓越しに鳥の声も久しぶりに聞け、ほっとした次第。

このまま早く春になってほしい。

2015年3月8日日曜日

NP学生むけの講義に初挑戦

縁あって、某大学のNP教育に当たっている先生から依頼を受け、思春期の患者さんを対象とした避妊カウンセリングについて授業をした。

これまで、在米の一般日本人むけにいろいろな健康に関する話をしたり、日本に帰国した際に日本の看護学生、大学院生、専門家むけに話をする機会はあったが、米国のNP学生対象に授業を持つのは、実はまったく初めてだった。

グラントの中間報告書の締め切りの2日後が授業、という日程に苦しんだ。

結局、スライド作成が授業前夜までかかってしまい、授業当日の午前中にひとりで予行演習、そして午後本番。本番前々日および前日に、一度友人2人(NPとそうでない人)と とまとまん に丁寧にスライドを見てもらい、直せるところを直せたのはよかったが、予行演習を見てもらうまでの時間はとれず。

学生は思ったよりもずっとおとなしく、質問やコメントもあまりなかったのが残念。先生が適宜質問してくれたことで、少し内容に幅と深みが出たのはよかった。

予行演習をもっとやっておきたかった、と反省することしきりだが、先生は「ぜひ来年もお願いします。」とのことだったので、ひとまずは成功したようだ。

この先生はとても励まし上手で、メールでやりとりしている段階から、たびたび非常に勇気付けられた。

思い返せば、私が初めてNPについて知ったのは、大学生のときに、大阪で、米国のNPの講演を聞いた際だった。テーマは、奇しくも、10代の避妊カウンセリングだった。その時の配布資料は実家に置いている段ボールの箱の中のため、今回読み返すことができなったので残念。次回帰国したら、必ずや見てみよう。