2014年10月30日木曜日

続・Mirena の新しいインサーター

Mirena の新しいインサーターを早速使う機会があった。糸が手元で邪魔しないのはとてもよい。

Mirena を子宮内にリリースして(形がI字からT字になる)から、インサーター全体ごとさらに挿入してMirena を子宮底まで進めた後、手元のスライダーを根元まで下ろすのだが、スライダーを降ろし始める時に、独特のプラスチック的な摩擦音がする(Skylaのインサータもそうだった)ので、次からは、「ちょっと音がしますよ。」とあらかじめ患者さんに予告することにしようと思う。

2014年10月28日火曜日

デリのデリバリー

もらって嬉し、届けて嬉し、おかずのデリバリー。このところは友達にもらうことの方が多く、なかなか自分のをシェアするにいたらなかったが、ごく最近やっと少し再開。

人に喜ばれると、単純に舞い上がる小芋。またがんばろう。


2014年10月27日月曜日

Mirena の新しいインサーター

子宮内避妊システム Mirena のインサーターが改良されて、Skylaのようなすっきりとした形になった。これでもう、インサーターの根元で糸がからむようなことはない。

2014年10月26日日曜日

介護職員による血糖値チェック

京都府内の介護施設の介護職員が入所者の血糖値を測っていた事実があり、それが医師や看護師のみに許された医療行為だったということで問題だ、とニュースになっていたのを読んだ。

指先にチクっと針を刺して血液を1滴絞り出し、手のひらより小さいくらいの血糖測定器で血糖をはかっていたのだと推察する。糖尿病患者さんやその家族の人を含め、一般の人でも指導を受けて練習したら、すぐにできる類のものである。

小芋は、介護職員にこのような行為を委嘱できる法的手段がない方が問題だと思う。介護職員がはかった血糖値を看護師に報告し、看護師がそれを判断して次の医療行為を行う、というのが現実的ではないだろうか? いちいち医師か看護師が血糖測定しないと医師法違反になる、というのが今2014年の医療かとおもうと、がっくりくる。

介護士養成のプログラムに血糖値測定が入っていないのであれば、今後導入する、または卒業後に研修を受けて、パスしたら認定をあたえ、血糖値測定しても法律違反にならないようにする、などの対策はどうだろう。

2014年10月25日土曜日

初めてのかぼちゃランタン

こどものいる友達と、Jack-o' lantern (かぼちゃをくり抜いてつくるランタン)を作ることになった。小芋にとっては人生初。

まずはカボチャを買いに行った。初心者にはバスケットボール大のがオススメだ、と聞いていたが、もう少し小さめのを買った。

とまとまんの たっての希望により、このような図柄に。

まずは天井をくり抜く。右に写っているのは、とまとまんが今朝添付ファイルで送ってきた下絵。

中身を書き出したところ。種は後でオーブンで乾燥させておやつにするつもり。猫には舐められないように気をつけた。

反対側もとまとまんの下絵に従い、次の通り。

友達のと比べると、小芋のが一番小さい。

ロウソクを灯してみた。おおおっ!

反対側はこんな感じ。

とても満足。予想以上に楽しかった。

2014年10月24日金曜日

ひさびさの更年期

大学内のクリニックで働くようになってからというもの、患者さんの顔ぶれは、17歳から30歳代、ときたま40歳代の患者さん、という感じであった。

最近、閉経後の患者さんとお会いする機会があり、とても新鮮だった。

問診票に、初経や月経周期に関する欄はあっても、閉経がいつだったかを書く場所がなかったですよ、と指摘された。まったくおっしゃる通り!

2014年10月23日木曜日

遺伝性乳がん・卵巣がんの勉強会

東京で11月22日に開かれる、遺伝性乳がん・卵巣がんの勉強会の情報。
もし東京にその時期いたら、参加したい。でもできないので、読者のみなさまにお知らせする次第。


「性と健康を考える女性専門家の会」勉強会
日本における 遺伝性乳がん・卵巣がん
---アンジェリーナ・ジョリーの告白から学ぶべきこと---
講師 市川 喜仁 独立行政法人 国立病院機構・霞ヶ浦医療センター
         産婦人科医師(家族性腫瘍相談外来担当)

詳細はこちら
http://square.umin.ac.jp/pwcsh/info.html#20141020

2014年10月22日水曜日

面接をする立場

小芋の人生で就職面接というと、今まではもっぱら志願する立場だった。このところはそれと反対に、他のスタッフと協力して、応募してくる人の履歴書を読んだり面接したりする立場になって、いろいろと学ぶことが多い。

履歴書の書き方、
面接のときの話しぶり、
面接後どのようにフォローアップしてきているか、 などなど。

インターネットには履歴書サンプルとか、面接の心得とか、いろいろな手引きがあるが、どこかウソンコである。実在の応募者がどのようにアプローチしているのかを間近に見られるのは、とても貴重な機会だなぁと思う。

2014年10月21日火曜日

性暴力の報告用紙

大学キャンパス内および周辺で起きた種々の犯罪を、大学に報告する専用の報告用紙がある。窃盗、薬物乱用、未成年のアルコール摂取、ストーキングなどのほか、強姦や強姦未遂などの性的暴力、デートレイプ、などもこの報告用紙の対象である。

加害者が見ず知らずの人か、知り合いか、交際相手かなどは関係ない。犯罪は犯罪。

事件の概要(分かる範囲で場所も)については簡単に書くが、学生の名前などの個人情報は書かない。

この秋、性暴力の被害にあった患者さんと出会うことが増えて、この報告書をしょっちゅう書いている。この秋特別に性被害が増えた訳ではなくて、多分最近の小芋の尋ね方の何かが、患者さんに以前よりも話させているのだと思う。

毎年の犯罪統計にあがってくる性暴力の件数は、あくまで報告のあった件数に過ぎないので、多分実際の数と比べると氷山の一角。ただし、同じ学生が、クリニックで小芋に相談し、また別のところで教授なり寮の職員に相談したりして、それぞれの職員がみな報告書を書いた場合は、報告の重複がありうる。

ゆえに「正確な」統計というのは無理だが、大学側も、学生も、職員も、性暴力の頻度の多さをもっともっと把握するようになってほしいという思いで、今日も報告書を書いた。

2014年10月20日月曜日

Prior Authorizationの悪夢

オバマ政権の医療制度改革のおかげで、避妊薬はおおむね健康保険でカバーされるようになり、患者さんの自己負担は多くの場合なくなった。IUDやインプラントもカバーされるようになったのは非常に大きい。

一方、比較的新しいピルでジェネリックがないものなどに関しては、保険会社に自己負担を求めたり、prior authorization という事前認可を必要としていたりする。

prior authorization は、医療者側が、保険会社に対して、これこれしかじかの理由で、他の薬ではダメで、こっちの薬が必要なんや、と訴えて、承認を得ることをいう。単にこっちが好きだから、とかいう理由では、却下される。A薬ではこういう副作用がでた、B薬は効かなかった、などと全うな理由を挙げないといかん。

最近、薬のprior authorization 以上にしんどかったのは、画像診断に関するprior authorizationだ。医師と相談した結果、ある患者さんに訳あってCTをオーダーしたのだが、これのprior authorization を得るために、電話やFAXなどのやり取りで、私は結局のべ3日間で合計2時間は費やした。他の患者さんの診察を抱えながら、隙間の時間や昼休みを目一杯使い、帰りも居残ってーーー。あぁ。

結局今回はなんとかprior authorization が認めれたので、頑張った甲斐があったが、このシステムは、あたかも患者さんあるいは医療者側が「諦める」のを狙って待っているようである。

保険会社が医療システムを牛耳っていることを示す、一例である。

2014年10月18日土曜日

インターネットで緊急避妊薬を買う方法

After Pill という商品名の緊急避妊薬(レボノルゲストレル)がインターネットで販売されていることを知った。1錠20ドル+送料5ドル。もしくは3錠60ドル+送料5ドル。巷の薬局で売っているPlan B や Next Choice (いずれもレボノルゲストレル)は35ー45ドルほどすることが多いので、かなり割安感がある。
AfterPill.com

避妊のエラーから薬の服用まで時間がたてばたつほど、効果は低くなるため、できるだけ72時間以内、遅くとも120時間以内には服用しないとならない。コトが起こってから緊急避妊薬を購入する場合は、最寄りの薬局に行くのが一番早いが、前もって備えておく場合には、オンラインでの購入もありだと思う。

なお、避妊のエラーから120時間近くたっている場合は、レボノルゲストレル剤よりも、処方薬Ella (ulipristal acetate剤)の方が効果が高いのだが、そちらもインターネットを介して手に入れる方法があるとのこと。ヤミ取引ではなく、一件一件のオーダーを医師がレビューして、必要に応じて患者さんと追加のコンサルテーションをした上で、処方箋を出すようだ。コンサルテーション代や送料を含めて59ドルとのこと。
https://www.ella-kwikmed.com

都会に住んでいる人は薬局探しに困ることはないが、田舎に住んでいる人や、車がなくて薬局に行く足がない人には、特に朗報だと思う。

こちらにも関連情報あり。
http://ec.princeton.edu/questions/ella-online.html

2014年10月16日木曜日

2年目のピア・サポート

大学内クリニックの仕事に就いた昨年、大学内の別の部門のLさんが私のピアとなった。侵入職員サポートの一環である。
http://koimokko.blogspot.com/2013/11/blog-post_19.html

Lさんとは以来、2ヶ月に1度くらいのペースで喫茶店で朝ごはんを食べながら会っていて、就職2年目の今も恒例となっている。昼ご飯時でもいいのだが、その日その日の仕事次第ではちゃんと昼休みがとれない危険性がお互いにあるので、あえて朝ごはん時にしている。

仕事の内容は違っていても、自分の専門とする仕事が大好きだという点でLさんと私はとても似ていて、また抱えている困難もどこか似ていて、近況をシェアしあうだけで、とても励みになる。Lさんは小芋にとって、とても貴重な存在だ。


2014年10月15日水曜日

日本の研究者との出会い

知人Aさんの紹介で、日本から数ヶ月の予定で来られている看護学の大学教授Bさんに会う機会を得た。AさんとBさんとお食事をしながら、実に刺激的な話をたくさん聞いた。

学部生と院生の授業を担当し、自身の研究活動をし、そのうえさらに今回の来米のための時間とお金を作ってピッツバーグに飛び、いま毎日米国の研究者と中身の濃いディスカッションをなさっている様子は、話を聞くだけでもビリビリくる。

出会いに感謝。

2014年10月14日火曜日

長期間使えていつでもやめられる避妊法と10代の妊娠

http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1400506#t=abstract

10代の患者さんを対象に、避妊薬について丁寧に教え、患者さんがどの方法を選んでもそれを無料で提供するプロジェクト(CHOICE Project) を行って3年に渡って患者さんのその後を追跡した結果、患者さんの妊娠率、出産率、人工妊娠中絶率がいずれも大幅に下がった、という研究結果。

このプロジェクトは、避妊薬について説明する際に、避妊効果の高いものから低いものの順に避妊薬の特徴を示したゆえに、長期間使えていつでもやめられる避妊法(Long-acting reversible contraceptives, LARC) すなわち IUD/IUSやインプラントの特性が強調される形となっていた。

小芋の過去の失敗談をもとにいうと、これとは反対に下記のようにメンテナンスに手のかかる順に説明していたのでは、効果の高いLARCの説明に至る前に自分の息が切れるか、患者さんが飽きてしまう。

日々飲むピル→毎週張り替えるパッチ→月ごとに入れ替える膣内リング(NuvaRing)→ 3ヶ月ごとに打つデポプロベラ(注射薬)→3年ごとに入れ替えるインプラント→3−10年ごとに入れ替えるIUD/IUS 

患者さんにいつ妊娠したいですか?と尋ねて、もし1−2年以上妊娠したくないという答えが返ってきた場合は、避妊効果が高く、かつメンテナンスの楽な方法から順番に説明するのが理にかなっていると思う。そもそも、避妊効果が高い方法というのは、メンテナンスが楽で、「うっかり」という事態に陥りにくい。

もっとも、患者さんの妊娠プランや好みによっては、ピルやコンドームががベストな選択という場合もあるので、決してそれらを批判したり悪者にしたりはしないように気をつけたい。

すべての方法をひとつひとつ懇切丁寧に説明するのは、時間的に無理だし、必要もないと思うが、ざっくりとしたオプションの「幅」というのはどの患者さんにも知っていてほしいなと思う。

もっと知りたいという患者さんには、資料を渡したり、以下のようなウェブサイトを勧めて、それらを読んで質問リストを作って次回持ってきてもらっている。
ARHP.org/methodmatch   (興味のある方法をピックアップして比べられるところが、まるでオンラインショッピングみたい。)
YoungWomensHealth.org (避妊方法だけでなく、若い女性向けの健康に関する情報が満載。)

とりあえず今日、あるいは今月、来月の間に思いがけない妊娠をしないために、当座の方法としてピルやパッチやリングを使いながら、その間により長期的な方法について考えて、LARC に移行するというのもよくやる。

2014年10月13日月曜日

休みでない祝日

今日は Columbus Day という祝日。

郵便局や政府系機関に勤めている人の多くはお休みだが、街全体としてはあまり休みって感じでない。バスは平日ダイヤで運行。わがクリニックは通常営業。私も普通通り仕事。(ちなみに、元旦、Memorial Day、独立記念日、Labor Day、Thanksgiging Day、クリスマス、などはより多くの人が休むので、もっと祝日らしい。)

Labor Day (9月の第1月曜日) からThanksgiving (11月の第4木曜日) までがやたら遠い。(涙)

アメリカにもっと祝日を! 

2014年10月11日土曜日

中国語の落ちこぼれ

図書館で 中国語2のクラスがなくなって以来、有志数人で自主勉強会を開いてきたが、夏に日本に帰って以来、すっかり足が遠のいてしまった。

友達からリマインダーが来たが、今のレベルだととてもついて行けないので、しばらくはお預け。早く復帰できるようにがんばろう。

2014年10月10日金曜日

ピンクのベンチ


10月は乳がん啓発月間だ。シンボルカラーであるピンク色のライトアップとか、噴水の水をピンク色にしたりとか、町のあちこちでピンク色を見る。

今回、公園のベンチもピンク色になっていたので、撮影した。

このベンチ、季節ごとに誰かが模様替えしている。ベンチ自体を交換しているのか、ペンキを塗り替えているのかは定かでない。また違う模様になったら写真を撮ろう。

2014年10月9日木曜日

避妊薬の新しいポスター発売


先月ManagingContraception.com から、避妊薬のポスターの改訂版が出た! 新しい子宮内避妊システムSkyla も入り、アップデートされている。診察室の壁に必須のアイテムである。
早速買ってもらって、オフィス中のポスターを張り替えた。

2014年10月8日水曜日

性教育とファイナンシャル教育

最近とまとまん こと我が夫は、ファイナンスについていろいろと勉強していて、小芋にもよく知識や知恵をおすそ分けしてくれる。小芋も刺激されて、関連のオーディオブックを図書館で借りて読み(聞き)始めた。

とまとまんに「こういうファイナンスについての知識って、もっと早く、できれば中学校とか高校とかで習っていればよかったなぁ。」とぼやいた。

すると、とまとまん曰く、
「性教育とファイナンシャル教育って似てるよ。どちらも、学校で習う機会は乏しい。親も教えてくれるとは限らん。そもそも、大人でもちゃんと分かってない人が多い。性のことも、ファイナンスのことも、生きていくにはむっちゃ重要やのにな。」

名言。

2014年10月7日火曜日

婦人体温計の進化

基礎体温とは、安静にしているときの体温のことで、通常は朝目覚めてすぐ、寝たままで口の中(舌下)で測る体温のことを指す。

正常に排卵している女性の場合、排卵の前後で低温相と高温相の2相性を示す傾向がある。排卵傾向の有無など、月経周期を評価するため、また避妊あるいは妊娠を目指すための情報として、基礎体温の記録は参考になる。

たった1日とか1週間測ってもあまり意味はなく、最低1−2ヶ月連続で測ってこそ、意味のあるデータがとれる。

基礎体温を測るには、いわゆる婦人体温計と呼ばれる、通常の体温計よりも一桁細かい体温計を使う。たとえば、普通の体温計は36.5℃、36.6℃、というように0.1℃刻みだが、婦人体温計は、36.50℃、36.51℃、のように、0.01℃刻み。

体温計を口にくわえて5-10分過ごす間に、二度寝してして体温計が口からはずれてしまったり、測ってもその値を記録するのが面倒くさかったり、しかも毎日(とりわけ朝に!!)測るというのが結構な手間。(小芋の場合、学生時代に宿題のため3ヶ月測り続けるだけでもとても苦痛であった。)

最近は10秒とか20秒という短時間で測れるもの、体温計自体が日々計った体温を自動的に記録していってくれるもの、目覚めてから計るのではなく、寝ている間に身につけて就寝中に体温を持続的に測ってくれるもの(Ran's Night)など、選択肢が増えた。

iPhone やアンドロイド携帯にデータを転送して記録できるもの、というのも出てきていているそうな。http://www.healthcare.omron.co.jp/product/mc/mc-652lc.html
デザイン的にも洗練されていて、感心する。

ちなみに、日本の妊活ブーム(?)の影響もあってか、同じAmazon のウェブサイトでも、日本のサイト(.co.jp)のほうが、アメリカのサイト(.com)よりも種類が格段に豊富である。

2014年10月6日月曜日

前兆を伴う片頭痛と避妊薬

片頭痛(偏頭痛)持ちの患者さんのなかでも、視覚の変化、失語症、しびれを初めとする前兆(aura)を伴う患者さんは、エストロゲン入りの避妊薬を使うと、脳卒中のリスクが特に上がるため、エストロゲンを含む避妊薬は禁忌(使っちゃいかん)である。

WHO(世界保健機関)やCDC(米国疾病対策予防センター)が発行してある文書にも、その点は明記されている。

http://www.who.int/reproductivehealth/publications/family_planning/9789241563888/en/
http://www.cdc.gov/reproductivehealth/unintendedpregnancy/usmec.htm

これらガイドラインは、決してすごく新しいものというわけではないのだが、他のクリニックでエストロゲン入り避妊薬を処方されて、「薬がそろそろなくなるので(or もうなくなったので)、新しい処方箋をください。」と言って現れる患者さんが依然として後をたたない。

患者さんが前の担当医に片頭痛のことを十分伝えておらず、担当医が前兆の情報を聞き漏らしたのだろう、と思えるケースもあるが、中には、前兆のことも含めて担当医は知っていて(患者さん曰く)、それでもあえてエストロゲン入り避妊薬を使ってきた、という例もあって、厄介だ。

幸い、現在勤めているクリニックは、クリニックの方針として、WHOガイドラインを遵守する、と定めている。私の個人的なイジワルでもなんでもなく、患者さんの安全を守るためにわれわれクリニックはこの方針で行くのだ、と言えるところが心強い。

「この問題を教えてくれてありがとうございます。より安全な他の方法(プロゲスティン剤など)に変えたいと思います。」と言ってくれる患者さんがいる一方、
「ずーーーっと何年も使ってきたこのピルのために今日私は来たのに、それを処方してくれないなんて!!!」と怒りをあらわにする患者さんもある。

従って、患者さんとの話の冒頭で仮に前兆を伴う片頭痛の話をつかんだとしても、そのことをすぐ指摘せず、まずは会話の中で信頼関係を作り、話の流れの中で上手に非エストロゲン剤を勧めるように持って行くのがコツだと思っている。もちろん理由も話すが。

ポイントは、「あなたの健康は大事だ。」というメッセージ。そして、「いま元気なあなたが、仮に避妊薬のせいで命を落とすようなことをあってはいけない。より安全な方法を使いましょう。」というメッセージ。

しかし、どんなに工夫して話を持って行っても、「納得できん!」と泣いてまで訴える患者さんもある。そういう方には、別のクリニックに行って相談してもらうほかない。リスクが高いと分かっていながら処方して、患者さんを危険にさらすことは自分にはできない。

2014年10月5日日曜日

秋の実

紅葉とともに木の実がとても美しい。

このカラフルな木の実は、2年前に とまとまんとワシントンDCに行ったときに初めて見て感動した。ピッツバーグでもよく見ると見つかる。名前は知らない。
これは今日撮った写真。

この秋、とまとまんはピッツバーグに来ることができず、ひとりでこの実を見るとさみしくなる。でもせっかくなので、今の時期だけのこの美しさを楽しもうと思う。

2014年10月4日土曜日

ラグタイムのコンサート

当初の予定では、実に5か月ぶりで5時間離れたところに住む友達の家に昨夜行って、週末を過ごすはずだった。

が、友達の家庭の諸事情により、急遽今週末はどうしてもあかん、ということになり、あと残り3時間半で着くという時点で引き返して帰ってきた。至極残念だったが、しかたない。

気を取り直して、今朝はヨガ教室に行ったが、なぜか今日に限って休み。

しかも急に、コートを引っ張りだすほどの寒さ到来。

そんなこんなで落ち込みがちだったんだが、夜はラグタイムというジャンルのピアノのコンサートに自分を引きずって連れて行った。これがすこぶるよく、大いに笑った。(特に、スーパーマリオブラザーズの曲。)また涙がポロポロ出てくるほどに美しい調べにも出会った。

友達のところに行っていたら、このコンサートには行けなかったので、これもまたよかったんだとおもう。

2014年10月3日金曜日

子宮頸がん検診用ショーツの開発

以下は、福島医大の医師らによって開発された、子宮頸がん検診用ショーツを紹介する新聞記事。実際の使用感はどうなのかな?

http://www.minpo.jp/news/detail/2014092518246
http://www.minyu-net.com/news/topic/140925/topic1.html

2014年10月2日木曜日

PMS治療薬プレフェミン

日本で、月経前症候群 (PMS) の緩和を効能としたプレフェミンという薬が、先月ゼリア新薬という製薬会社から発売されたそうだ。これは、購入時に薬剤師から情報提供を受けることが必要されている(要指導薬品)が、処方箋は不要。

主な成分はチェストベリー (chasteberry) というハーブ。希望小売価格は30錠で1800円とのこと。
http://www.zeria.co.jp/image/upimg/mv14101416311.pdf

月経3周期に続けて使用したことで、9割の女性のPMS症状が改善した、という触れ込みであるが、症例数が少なく、またたった3周期だけの治験のようなので、リサーチの質としては頼りなく思う。長期使用した場合の効果、安全性はどうなのかな?

比較&参考までに、NIH傘下にある、補完・代替治療法センターのウェブサイトを見てみると、チェストベリーに関するエビデンスは限られているとのこと。(書き方がとても冷めているかんじ。)
http://nccam.nih.gov/health/chasteberry

一方、欧州医薬品庁モノグラフではwell-established use の 医薬品だとされている、とプレフェミンのウェブサイトhttp://prefemin.jp に書いてあったので、そのモノグラフたる資料を探してみたら、あった。Vitex agnus-castus というのが、chasteberry  のラテン名。
http://www.ema.europa.eu/docs/en_GB/document_library/Herbal_-_Community_herbal_monograph/2011/08/WC500110099.pdf
ただしここには根拠となる文献の引用やリンクは載っていない。

見比べるとおもしろい。

2014年10月1日水曜日

結婚についてのNPRインタビュー

昨日NPR(National Public Radio)のMorning Edition という朝のニュース番組を聞いていたら、Rebecca Traister という作家に結婚をテーマにインタビューしていた。その中で、次の言葉が特に印象に残ったので、メモ。

The fact is there are all kinds of married lives and all kinds of single lives, and more people are now free to go down a variety of paths.

(小芋訳:実際のところ、ありとあらゆる結婚生活があり、ありとあらゆるシングル生活があります。以前と比べて、より多くの人がいろいろな道を選べるようになりました。)

まことに然り。「結婚が幸せ、シングルが不幸せ」、ではなく、またその逆でもなく。

社会の変化、女性の選択の変化について論じていてとても興味深く、おススメ。
インタビューの録音はこちらから聞ける。
http://www.npr.org/2014/09/30/352661280/marriage-pattern-shifts-seen-by-some-as-destabilizing-society
英語を聞くより読む方が得意な方は、インタビューの書き起こしをどうぞ。
http://www.npr.org/templates/transcript/transcript.php?storyId=352661280