2014年2月25日火曜日

患者さんと医療者がやりとりするためのオンラインサイト

電子カルテの機能の延長で、患者さんと医療者が  secure message をやり取りできるポータルサイトがわがクリニックでも稼働し始めた。

通常のE-mail はのぞき見(?)を試みる悪者に見られてしまうリスクがあるので、プライバシーの保護が重要である医療情報をやり取りする媒体としてはよくない。secure message のシステムは、一見普通のメールみたいな感覚で使えるのだが、通常のE-mail とは仕組みが違うので、第三者に見られる危険がないそうだ。(オンラインバンキングに似てるかな?)

私が患者さんに出したsecure messageも、患者さんが返事や質問を書いて送って来たsecure message も 、自動的にそのまんまカルテの一部として保存される。

スマートフォン世代の患者さんに留守電を入れても反応が今ひとつ、ということがしばしばあるが、secure message だと、送信後またたく間に返事が返ってくることも。

個人的には、簡単な連絡事項や正常の検査結果を伝えるときには secure message を使い、込み入った内容や異常検査結果を伝えたいときにはなるべく電話で話す、というように今のところ使い分けている。異常検査結果は解釈やニュアンスを含めて伝えたいし、患者さんの質問にタイムリーに答えたいので、電話がやはりいいと思っている。

ちなみに、自分が患者の立場で過去にポータルサイトを利用した際は、検査結果がそこからダウンロードできる機能や、過去の受診のサマリーを見ることのできる機能が便利だと思った。医療機関によっては、ポータルサイト上で予約を取ることもできるそうだ。我がクリニックでも、そういった機能が徐々に増える見込み。

2014年2月24日月曜日

検査機関から直接結果を得る権利

米国では従来、患者さんが血液検査などの検査結果を得るには、それをオーダーした医師やNPなどの医療者を介す必要があった。しかし、これに関する法律が変わって、4月4日からは患者さんが直接検査機関から検査結果を得ることができるようになるそうだ。

もちろん、患者さんは従来通り医療者を介して検査結果を得ることもできる。

検査機関から直接結果をもらいたい場合は、患者さんは書面でその意志を表明する必要があり、コピーや郵送料など実費は自己負担となる。また検査機関は依頼があってから30日以内に依頼主に対応することが課されている。

自分が患者である立場で考えてみると、医療者を介さずに検査結果のコピーを得る道があるのは便利かもしれない、と思う。でも、これまでだって希望すれば医療者からコピーをもらえていたわけなので、あんまりメリットを感じない。

NPの立場で考えてみると、検査結果はやはり自分の解釈を加えて伝えたいので、直接患者さんの顔を見て、もしくは電話でコメントを添えながら患者さんと共有したいと思う。最近では、Email に似て非なる、より安全性(プライバシー)の確立された secure messageのサービス (電子カルテに直結している)が使えるようになったので、それを使うこともある。

願わくば、患者さんが直接検査機関から検査結果を手にする前に、患者さんと自分が結果を先に共有する機会を持ちたい。でないと、数値が一人歩きして患者さんが無駄に一喜一憂する危険性があると思う。検査の種類にもよるけど。

興味のある方には、次の記事がおすすめ。
http://www.familypracticenews.com/news/practice-trends/single-article/hhs-rule-lets-patients-get-results-directly-from-labs/a6add7c0000f98ca835957123f71af1f.html

http://www.hhs.gov/news/press/2014pres/02/20140203a.html

2014年2月23日日曜日

ランニング・クリニック

ピッツバーグマラソンまで10週間となった。とあるコミュニティーセンターで開かれたランニング・クリニックに行ってみた。

この冬の雪や氷にも負けずに走りこんで来た人たちを尻目に、全く走り込みを始めてもいない自分は最初は居心地悪かった。トレーニング計画の仕方、給水や栄養補給のコツなど、役立つ情報がたくさんもらえてよかった。一番よかったのは、これから10週間を過ごす上での気合いが高まったことである。

沿道の応援と、ゴールの快感と、ゴール後のバナナとオレンジとベーグルの味をイメージして練習していこう!

2014年2月22日土曜日

雪かきの重要性

各自、自分の家の前の歩道の雪かきは、雪が降ったあと24時間以内に済まさないといけないことになっている。しかし断続的に降っているときに、この24時間ルールがどうなっているのかは不明。

いずれにしても、なるべくこまめに雪かきしておかないと、人が踏みつけた重みでどんどん難しくなる。アパートの場合は、大家さんか大家さんが雇っている誰かが雪かきをせねばならない。角地に立っている物件は、2辺分の雪かきをするので余計に大変だな、と思う。

中途半端に気温が上がると、雪が一瞬溶けかけてまた凍ったり、雪の上に雨が降ってそれがさらに凍ったりするから、ものすごく危険。できるかぎりの雪かきをした上で、凍結防止用のソルト(食塩ではないんだが、通常そう呼ばれる)を撒いておくに限る。

かくいう私も、先週、雪と氷が大きな岩盤みたいになっている一帯で、真横に滑って転び、左側頭部を派手に打ってしまった。気温が上がったので油断して、その日に限って帽子をかぶっていなかったので、むちゃこたえた。

今日はすんばらしい青空を見ることができた。まぶしいほどの太陽に感動。おかげで雪や氷もだいぶ融けて、歩道もすっきりした。

足元を見ず、まっすぐ前を見て歩けることの幸せをかみしめる。束の間だろうけど、幸せ〜

2014年2月20日木曜日

外陰部にとって劣悪な生活習慣

ぴったぴたのジーンズ、ヨガパンツ、レギンスを身につけた患者さんが多い。というか、昨今は股下に余裕のあるズボンをはいている女性のほうがマイノリティー。

「yeast infection (カンジダ膣炎の俗称)になっちゃったんです!」、と言って来院する患者さんの10人中9人は、ぴたぴた服である。そして、そのぴたぴた服の下には、下着はなにもないか、あっても thong (Tバック)であることがほとんどである。ノーパンやTバックが選ばれるのは、「パンツの線が外から見えるとかっこ悪い」からであるが、おかげで物言わぬ外陰部たちは偉い目にあっている。

明らかなカンジダ膣炎もそこそこあるが、こういった服や下着の素材擦れなどの物理的刺激による炎症が不快症状の根本にあると私は見ている。

この格好で、歩くだけでなく、長時間座って授業を受けたり、走ったり、スピニング(自転車こぎ)して汗をかいたりしているのだから、外陰部に異変が起きない方がむしろ不思議だ。

そして、痒みや発赤やおりものが出ようものなら、患者さんは普段にも増して石鹸やボディーウォッシュで1日何回もせっせと洗ったり、ワイプでふいたり、香料付パンティーライナーを使ったりするから、異変はますますひどくなる。

「よかれ」と思って患者さんが行っている生活習慣と逆のことを私が提案したところで、患者さんはきょとんとしている。膣の常在細菌叢を維持するためには洗い過ぎは禁物である、といういわば「less is more」の概念もなかなか飲み込んでもらえない。

何度か同じ痛い目にあって、やっと私が言っていたことのの意味が分かった、という学生も少なくない。

あまりに同じような患者さんが続くので、私としては、学生を集めて集中講義をしたいと思うほどである。

2014年2月19日水曜日

祝・就職半年

今の職場に移って、今日で6ヶ月になった。

前の職場とはまた少し異なる役割、違う電子カルテのシステム、ヘリコプター・ペアレントの関わりなど、たくさん学ぶことがあった。(そして現在もそれは進行中。)

帰り道、夕焼けと赤い太陽が両方見られて、なんだかご褒美をもらったようにうれしかった。

夕焼け=ご褒美、の意味が不明という方のために説明すると、
第1に、私の帰る時間(17時すぎ)がもはや真っ暗でない。ああうれし。
(しばらく帰宅時間は真っ暗だったんよ。)
第2に、空が晴れているからこそ夕焼けや太陽が見える。ああ素晴らし。
(普段は雲が厚いから、夕焼けなんて見えんのよ。)

2014年2月18日火曜日

PA州のNPがより活躍できるように法律改正するための署名活動

ペンシルバニア州のナースプラクティショナーが、受けた教育・訓練の本領を発揮して、より自立して働けるようにするための法律 (SB1063)を成立させるための署名運動が展開されている。

署名はペンシルバニア以外に在住でも可能なので、お心のあるかた、是非ご署名ください。

http://www.thepetitionsite.com/882/542/144/putting-patients-first-help-pennsylvania-patients-get-primary-care-pass-senate-bill-1063/


この署名活動の主催者PCNP(Pennsylvania Coalition of Nurse Practitioner )は、ペンシルバニア州津々浦々のNPグループを取りまとめている団体。会員の教育活動はもちろんのこと、地元ペンシルバニア州の政府に積極的に働きかけるなど、州民の健康を守るために多面的に活動している。

2014年2月16日日曜日

ブーツを脱ぐのも億劫なとき

今週は今の職場に来て以来、最も内容的にハードだった。帰ってくるころにはもうへっとへとで、ブーツを脱ぐのも億劫(かといって、雪のついたブーツのままアパート内を歩いてはさんざんなことになるのでやっぱり脱がないわけにはいかぬ)に感じるほどだった。

先週末にあまり料理できなかった影響で、今週は2回も昼ご飯を買って食べたり、ときに缶詰のスープで食いつないだ場面もあった。

本当に疲れているときは、ご飯を食べることすらもしんどい(本来食べることは大好きなことなのだが)ので、内容はともかくとして食べただけよかったということにする。

この週末は中国系食料品店に買い出しに行き、おかずをたくさん作り貯めたので、安泰。木曜日くらいから寝る前に料理の本をパラパラとめくって、買い物と料理のやる気を高めていたのが役立った。細ねぎくらいだと、近くのスーパーでも買えるけど、新鮮な白ねぎ、白菜、大根、しめじ、えのきなどを買えるのは、アジア系の店ならではである。

ブーツだけじゃなくて、帽子・手袋・マフラーの付け外しに時間のかかるこの季節が早く終わってほしい。

2014年2月15日土曜日

月経に関する講義で話した主な内容

先日  月経とうまく付き合うコツ  について地元ピッツバーグの日本人向けに話したという記事を書いた。すると、従来の記事よりも多くの閲覧があった。が、その記事には話の具体的な内容をあまり書いていなかった。物足りなかったと思われた方のために、要旨を書いてみたい。

1. 現代女性の月経の特徴
  • 現代女性は祖先よりもかなり多くの月経を経験している。
  • 一生に経験する月経の数は450回かそれ以上
  • 頻繁に出産や授乳をしていた時代の女性と比べて格段に多い
2. 月経のしくみ
  • 月経は子宮から子宮内膜が剥がれ落ちることだが、この現象の背景には視床下部、下垂体、卵巣、そして子宮それぞれの働きがあること、またこれらの臓器がホルモンによってコミュニケーションをとりあっていることなどを復習。その図をご覧に入れたついでに、過度の体重減少やストレスが無月経を引き起こすメカニズムを簡単に説明。

3. 正常な月経周期
  • 正常周期:21-35日
  • 1周期の数え方:月経の初日から次の月経の前日までのトータル日数。←数え方を勘違い人が多い。)
  • 出血持続日数:2−7日
  • 経血量: 20-80ml (夜中に途中で起きてナプキンやタンポンを交換しないとパジャマやシーツを汚す人、ナプキンとタンポンの両方を使わないと血液が漏れるので不安だという人、日中もパンツや洋服に漏れるアクシデントが多発する人は、月経量が多すぎることが考えられる。)

4. 月経異常にいたる原因の例と月経異常がもたらす影響
  • 全身(または生殖器以外の体の他の場所)の病気によるもの
  • 生殖器の病気・状態によるもの
  • これら原因となる病気が特になくても、頻繁すぎる月経や量の多すぎる月経は貧血を招くし、生活の質・所得・生産性を下げるという意味で問題。
  • ならば無月経なら楽勝かというと、そうではない。(例:骨粗鬆症)

5. 自分にとっての「ふつうの月経」は本当に正常か?
  • 出血量、痛み、不快感の捉え方は個人差が大きいし、自分自身は一つの体しか経験できない。
  • 自分にとってはあくまで「ふつう」なので、異常を放置しがち。
  • 1つの指標は「生活への影響」があるかどうか。(例:月経痛がひどいあまり仕事や学校を休まざるを得ないとか、月経血がもれて服が汚れるので外出を控えがち、など。)
  • 正常と異常の判断に、かかりつけ医を巻き込むことが得策。
  • 背景となる病気がないことを見極めることが大事

6. かかりつけ医に伝えたいこと
  • 月経周期とその「幅」
  • 一番出血量が多い日にどのように対応しているか。
  • 痛みや不快症状の程度
  • 日常生活・仕事などへの影響の程度
  • 月経と月経のあいだの出血やspotting の有無
  • 月経が止まっている場合はその期間や頻度
  • 月経以外の体調全般

7. 必要に応じて行うと役立つ検査の例
  • 婦人科的な診察
  • 下腹部の超音波検査
  • 血液検査(たとえば、貧血の検査、甲状腺の検査、血液凝固異常の検査)
  • 子宮内膜の生検(バイオプシー)

8. 明らかな病気を否定した上でのいろいろな対応策
  (ちなみに外科系の治療法についてもちょっとだけ説明した。)
  • 月経によいツボ———参加者にとても好評だった。
  • 温罨法(例:お米のカイロ)――これも参加者の間でヒット。
  • NSAID (イブプロフェン、ナプロキセンなど)――痛みだけでなく月経量も減る
  • 女性ホルモンを使った避妊薬(月経の量や頻度を和らげる副効用を利用する)
プロジェスティン付加型子宮内避妊具(Skyla, Mirena)
    インプラント(Nexplanon, Implanon)
    デポ・プロベラ(注射)
    膣内リング (Nuvaring)
    パッチ (Ortho Evra)
    ピル (とりわけ、3ヶ月タイプ、24-4タイプ)
    これらそれぞれの避妊薬の特長とリスクをよく理解して使うことが得策。

まとめ:
  1. 現代女性は祖先よりもかなり多くの月経を経験している。
  2. 月経に伴う症状の裏に、病気が隠れていることがある。
  3. 月経そのものが健康や生活を害することがある。
  4. 月経を緩和する方法はいろいろある。
  5. かかりつけ医を相談相手にすることが得策。

2014年2月14日金曜日

ゴリラ風の帽子

昨春に帰国した友達が、ロシア風というかゴリラ風の耳当て付き帽子を置いて行った。

もらったときは、正直、「なんて大げさな。。。ま、使うことはないと思うが、せっかくだからもらっとくか。」と思っていた。

ところが、この冬の寒さは格別で、すっかりこの帽子に世話になっている。場合によっては、毛糸の帽子の上にこのゴリラ帽子をかぶっているというありさま。

今さらながら、友達に感謝感謝である。


2014年2月13日木曜日

大学生であることのメリット

学生でいることのメリットといえば、学生割引とか長期の夏休みのことを思い浮かべるかもしれない。

それに加えて、大学内のいろいろなリソースが使えることも、非常に大きなメリットである。一歩大学の外に出たら費用の発生することでも、学内だと無料で得られるサービスがたくさんある。パソコンのソフトウェアとか、図書館などもその一つだが、健康に関するところでいうと、例えば次のようなものがある。


  • 栄養士との面談(たとえば肥満、拒食症、貧血、グルテンアレルギー、糖尿病などのとき)
  • 運動のパーソナルトレーナーとのセッション 
  • 一般カウンセリング(精神科医、カウンセラーらが担当)
  • アルコール・ドラッグに関するカウンセリング
  • 禁煙のためのカウンセリング  などなど
学生診療所を訪れた学生たちに、こういうサービスについて適宜知らせること、またサービスの担当者に学生をつなぐこと、も診療する者の大事な仕事だ。

ちなみに、学生診療所の診察費は、学生が各学期ごとに納めている定額の諸経費の中でまかなわれているので、これまた基本的に無料である。

ただし、アメリカ国内の大学の学生診療所全体の流れとしては、学生の納める諸経費で運営するスタイルから、保険会社に診療費を請求するスタイルに移行してきているので、私の勤める診療所もゆくゆくはその流れに乗るものと思われる。これに関しては賛否両論あり。

2014年2月12日水曜日

手荒れを救うワセリン

診察の前後に手を洗うので、例えば1日20人診察すると、それだけで40回手を洗うことになる。トイレの後とか、食事の前、帰宅後も手を洗うから、実際の数はもっと多い。

この季節、ただでさえ手が荒れがち。液体石鹸と水で手を洗う代わりに、速乾性のアルコールジェルを使うこともあるが、どっちにしても手にはとても辛い。アルコールは手荒れにむちゃ浸みる。正直なところ、どちらが手に「楽」なのか、微妙である。

これまでにいろいろなハンドクリームを試してきた。結局のところワセリン(petroleum jelly) が一番私には合っている。惜しまずたっぷりしっかりぬり込んで、余分な油分を軽くティッシュで押さえ拭きするくらいがいいようだ。朝仕事の前、昼ご飯のあと、それから夜お風呂の後に使っている。

乾燥してかゆくなりがちな背中や足にも、ワセリンが効く。以前は顔に使うことに抵抗があったが、手にぬって余ったのを薄く顔に付けると、「粉ふき芋」みたいな乾燥肌がぴたっと治るということが分かって以来、顔にも使うようになった。

いろいろ持っていたローションやクリームは、すっかりワセリンと日焼け止めクリームの2種に落ち着いた次第。友達のなかにも、ワセリンのファンが意外といることを発見し、なんかうれしい。

2014年2月10日月曜日

同僚の定年退職

同僚の1人が、定年退職を迎えた。

医学的な知識だけでなく、患者さんや他のスタッフとのコミュニケーションとの取り方や、カルテの書き方の工夫など、実にいろんなことを教えてくれた人だった。

学んだことを最大限生かして、これからも日々精進するつもりだが、私にとってはやはり絶大なloss である。悲しんだってしょうがないが、やっぱり悲しい。

半年弱であったが、一緒に働けたことに、心から感謝。

2014年2月9日日曜日

煮干しパーティー

この地域の日本人を対象とした健康に関するイベントで、妊娠・出産・育児関連のテーマを取り上げると、軽く30−40人の参加者がある。

一方、子宮頸がん予防とか、月経との付き合い方などのテーマだと、とてもこじんまりとした会となる。

この現象について、とまとまんがいうには、
「人はケーキのパーティーならワイワイと集まるが、煮干しのパーティーだとどんなに煮干しが体にいいと思っていても、参加しようとまで思う人は少ない。小芋の取り上げるテーマは、煮干しなんだよ。」
だそうです。

ケーキほど華やぎはなくとも、煮干しパーティー(?)に足を運んでくださった方には、精一杯のおもてなしをしたいと思う私。

人生のなかで妊娠・出産(ケーキ)は実はごく一部の場面であり、残りは地味に月経とつきあうことになるのだし。

こじんまりしていてかえってよかったです、とアンケートに書いてあるとほっとする。

2014年2月8日土曜日

月経とうまく付き合うコツ

月経とうまく付き合うコツについて、この地域の日本人を対象に話をする機会があった。

目的はこの話題に親しんでもらい、受診するきっかけをつくることなので、なるべく写真や図をふんだんに使って、イメージがつかみやすいように心がけた。

カラフルな骨盤内臓器の模型、IUDや Nexplanon の模型、またピルの写真が一覧になったポスター等も使ってみた。

テーマとしては日々診察のなかで患者さんと話していることなんだが、いざスライドを作るとなると割と手間がかかった。大学院時代のスライドや学会の資料を見返して、改めて講師の偉大さに気づく。

2014年2月17日追記:
この会での具体的な話の内容について、別の記事を書きました。こちらをご参照ください。
http://koimokko.blogspot.com/2014/02/blog-post_15.html

2014年2月4日火曜日

少数派の女子会

ピッツバーグに住んでいてありがたく思うことのひとつは、いろいろな理由でこの地に住んでいる日本人と知り合いになれることだ。

大学や大学院で学んでいる人、研究のために来ている人、米国人と結婚して来た人、日本の企業から派遣されて来ている人、などなど、米国にいる理由はさまざま。日本人という共通項のおかげで知り合うきっかけが得られて、自分はついているなぁ、と思う。

その中で、会社から派遣されたわけでも、誰に頼まれたわけでもなく、自分の判断で米国で働いている女性というのはあんまり多くない。というか、むしろ珍しい。

そういう人たちとご飯を食べたりおしゃべりしたりする機会があると、とっても励まされる。仕事の内容はぜんぜん違っても、話を聞いていると「あー、その気持ちわかる!」という思うことのなんと多いことか。少数でも貴重な仲間だ。

2014年2月3日月曜日

よい睡眠を得るための習慣

Sleep hygiene(日本語に直訳すると睡眠衛生)ということばがある。よい睡眠を確保するために心得るべきいろいろな生活習慣のことを指す。

たとえば、
  • 毎日同じ時間に寝起きする。(休みの日も)
  • ベッドは寝ることとセックス以外に使わない。(ベッドで飲み食いしたり、ゲームや勉強をしたりは御法度。)
  • 午後2時以降のカフェイン摂取はしない。
  • 寝る直前の食事や飲酒は避ける。
  • 夜遅くの激しい運動は避ける。 など
詳しくはこちらの資料をどうぞ。http://www.nlm.nih.gov/medlineplus/magazine/issues/summer12/articles/summer12pg20.html

どれもこれも目新しいことではなく、まぁ常識的なこと。それでも大学院の薬理学の授業中に初めて sleep hygiene というくくりで習ったときは、とてもインパクトがあった。当時実習レポートやら宿題やらで、常に睡眠は乱れがちだったから。

今クリニックで働いていて、睡眠不足や疲労感を訴える患者さんの話を聞いていると、まさに sleep hygiene とはまったく正反対のことが日々せっせと実践されている例が少なくない。

もちろん、睡眠異常や疲労の背景に、何らかの病気が存在することもあるが、いずれにしてもまずは健康的な睡眠の習慣を取り戻してもらうことがとても大切。

2014年2月2日日曜日

中国のお正月の習慣を学ぶ

先月の中国語教室では、中国のお正月の習慣を学んだ。日本のおせち料理のように、縁起をかついだ食べ物がいろいろあることや、日本のお年玉に似た風習があることなどを知った。自分が「日本の」習慣と思っていたことでも、実は中国に端を発していることがたくさんあるんだなぁ、と思った。

その後中国系スーパーに行ったら、先生が見せてくれたのと同じような、真っ赤なお年玉袋がたくさん売っていた。日本のよりもひとまわり大きい。

今日は前回よりも話す練習をたくさんした。仲間の職業は、パークレンジャー、音楽教師、レジ係、求職中の人、弁護士、大学院生などなど。婚約者が中国人という人も。

年齢も職業もいろんな人が混じりあって、一緒に勉強できることがとてもおもしろい。漢字をたくさん読み書きできる人もいて、刺激される。