2014年1月30日木曜日

アンケート中に名前を挙げての謝辞

学生クリニックを利用している患者さんを対象に、ときどきサービスについてのアンケートが行われている。(どういう頻度でやっているのかとか、詳しいことは自分は知らない。)

で、そのなかの自由記載欄に、「コイモがよかった。スタッフみんなとても親切でよかった。」と私の名前を挙げてポジティブなフィードバックがあったことを、ナースが教えてくれた。しかもその患者さんは、アンケート用紙を診察室にそのまま置いていっていたので、投票箱(?)に入れられたものとは違い、どの患者さんによって書かれたものか特定できた。あー、あの患者さんには満足してもらえたんだな、と思った。

どんなにベストを尽くしても、すべての患者さんに満足してもらうことは難しい。患者さんの苦情や不満は、しばしば猛スピードで上の人の耳に飛び込んで行く。そんななかで、少なくとも幾ばくかの患者さんは、自分がやったことを評価してくれているということを、ボスが見聞きし、また自分自身もそれを確認できることは、すごーく大事である。

今日もひとつ実はひどく落ち込んだことがあったのだが(まぁ、いつか書きましょう)、ポジティブなフィードバックは何よりものやる気起爆剤である。

自分もささやかながら、自分の乗ってるバスの運転手、行きつけの美容師、など身近でお世話になってる人たちに感謝と賛辞を伝え続けなくちゃと思う次第。

2014年1月29日水曜日

インフルエンザにかかるの巻

最高39.7℃まで上がった熱は、とてもきつかった。

とまとまんは、あっちが痛い、こっちが痛い、寝られへーん!!という私の愚痴を朝に昼に夕に根気づよく聞いてくれた。偉い夫だ。

近くの友達は、豚汁にショウガに大根にみかんといった援助物資で万全のサポート。私は彼女に全く頭が上がらない。

インフルエンザワクチンを受けていてもこんなだったので、もし受けていなかったら入院ものだったかも。みなさまにおかれましても、ワクチン&手洗いうがいの励行に、引き続きご留意のほどを。

仕事に復帰できて本当に幸せである。

2014年1月26日日曜日

思春期の子ども達とセックスティング

セックスティングとは、セックス  と テクスティング(texting, いわゆる携帯 電話メール)を足してできた造語で、具体的には、露骨な性的表現を含む文章やヌード・セミヌードの写真を携帯メールで送ることとを指す、比較的新しいことばである。

ロードアイランド州の中学1年生400人以上を対象にして行われた研究で、セックスティングと実際の性行動に強い関連性が認められたという話が、Medscape 上で紹介されていた。セックスティングをしない生徒と比べると、セックスティングをしている生徒、とりわけ写真をやりとりしている生徒の間で、他の性行動が活発な傾向が見られたという。

こちらがもとの論文。
http://pediatrics.aappublications.org/content/early/2014/01/01/peds.2013-1157.full.pdf+html

セックスティングと性行動の関係は、どちらが卵でどちらがニワトリかというよりも、互いに強い関連性が認められている、という話である。あえて研究しなくても、多分そうだろうな予想はつくが、研究という形をとってサンプルを精査して、ジャーンこうでした!と示されるとやはりインパクトがある。

思春期の子ども達にとって携帯メールは、電話や直接顔を突き合わせて行うコミュニケーションよりなにより、一番身近なコミュニケーション手段になっているとのことである。親も医療者も、セクスティングがすでにこの世にある現状をふまえて、思春期の子ども達をどうサポートできるかが勝負だな、と思う。

2014年1月25日土曜日

朝に雪かき、午後に雪かき

今年は特に寒い。そして雪が多い。

アパート前の歩道の雪かきは、本来は大家さんの責任なんだが、小規模なアパートであることをいいことにか(?)大家さんが雪かきに現れることはまずない。通行人には大いに迷惑である。とくに子ども連れの人。

ドライブウェイ(道路から裏の駐車スペースまでの通路)の雪かきは、アパートの住人の共同責任のはずなんだが、どういうわけかスノーシャベルを持っているのは私だけ。(なんでや!) 待っていても他の住人は誰もやらないばかりか、待てば待つほど雪が重くなって雪かきしにくくなるので、本日の運動と割り切って、さっさと雪かきしてしまうに限る。

土曜日の今朝、早速雪かき。人がまだ歩いたあとがなかったので、歩道もやりやすかった。しかし昼には、私が雪かきした事実が分からないほどにまた積もってしまった。悔しい。それで、また午後雪かき。その頃には止んだがと思ったが、その後また降った。

しかし、またスキーズボンはいて、コート着て、ブーツ履いて、帽子かぶって、手袋して(しかも終わってからそれらをぜーんぶ脱いで、シャワー)、ってもうやってられんと思ったので、今日はもうおしまい。

2014年1月22日水曜日

診療側泣かせの飛び込み枠

私がつとめるクリニックは基本的に予約制。それと並行して、巷のurgent care clinic(ERに行くほどの重症・緊急性のないケガや急病に対応する飛び込みタイプの診療所)を模した、患者さんが飛び込みで来てよい時間枠がある。この時間枠では、いわゆる風邪症状、インフルエンザを疑う症状、膀胱炎らしき症状など、あまり込み入っていない主訴に対応する。

当然だが、日によって患者さんの出足には差がある。予約制の場合は、最大何人診ることになるかあらかじめ分かっているが、飛び込み制の場合は、締め切りの時間(閉院時間の1時間前)まで受付を続けるので、最終的に何人になるか分からない。風邪やインフルエンザの流行るこの時期はとくに、診療側泣かせである。診れども診れども、患者さんがやってくる日も少なくない。

予約患者さんを担当しているスタッフも、ちょっと時間が出来るたびに飛び込み枠を手伝うが、手伝いすぎると、自分の予約患者さんにしわ寄せが行ってしまうので、よろしくない。ジレンマ。

ERのように、始めから患者さんが長い待ち時間を覚悟で来てくれていればまだいい。だが、"urgent" care clinic すなわち受付したらすぐ診察に呼ばれてすぐ帰れるような期待で来ていて、15分、30分の待ち時間ですら不満に思う患者さんもいるようだ。

診察する側は、限られた時間で効率よく最善のケアをと目一杯がんばっている。それでも医療の仕事は、5人待っていれば5倍速、10人待っていれば10倍速でできるような仕事ではない。

何人待っていようとも、本来我々診療側が申し訳なく思う必要はないはずだが、やはり受付済み患者さんの名前が電子カルテ上にずらっと並んでいるのを診るのは、担当者にとっても、周りでサポートする側にとっても、気分的にずしり。

2014年1月21日火曜日

HPVワクチン接種後のしびれや痛みに関する厚労省の見解

日本でHPVワクチン接種後の痛みやしびれといった報告が相次ぎ、厚生労働省が接種の積極的な推奨を中止している件で、厚生労働省の検討会は昨日月曜日、「心身の反応」がそれら痛みやしびれの原因という見解で一致したとのこと。

「心身の反応」というと、キツネにつままれたように聞こえるかもしれないが、会議で配られた資料を読むと、いきなりその結論に至ったのではないことがよくわかる。

こちらが厚労省のホームページに公開されている今回の会議の資料。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000035220.html
(残念ながら、議事録はまだ未公開で、今あるのは会議開催時に使われた資料。)

病態メカニズムとして

  • 神経学的疾患の可能性
  • 中毒の可能性
  • 免疫反応の可能性

といったものをルールアウト(除外)して行った結果、最後に残ったのが
「心身の反応」、すなわち、針を刺した痛みや薬液による局所の晴れ等をきっかけとして心身の反応が惹起され、慢性の症状が続く病態、と考えるのがもっともだということのようである。

海外の副作用報告例との比較、またサーバリックスとガーダシルという2つのHPVワクチン間の比較、また他のワクチンとの比較なども行われており、興味深い。

m3.com による記事が、会議の様子をとても詳しく報告している。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2014/1/21/189554/?portalId=mailmag&mmp=MD140121&mc.l=30651772

推奨再開については今回の会議中には検討に至らず、次回2月の会議で話し合われるとのこと。

ピッツバーグ日本協会の新年会

この日曜日、ピッツバーグ日本協会の新年会があった。ひさびさに出席した。抽選会にはなにも当選できなかったが、それなりに楽しく過ごした。

旅行会社、引越業者、航空会社、地元ピッツバーグの日本食レストランなど、いくつもの会社がスポンサーになって、抽選の商品などを提供してくれていた。そういった企業の担当者の多くは、ニューヨーク、オハイオ州コロンバスなど、ピッツバーグよりも日本人人口がずっと多い地域から来て参加していた。中には、今回のために(まー、このためだけではないと思うが)わざわざ日本から来たと語った担当者もいた。

で、久々に日本人の会社員同士がおじぎをしたり、名刺を交換したりする姿を見て、これがとても新鮮に私の目に映った。同じ日本人のしぐさでも、会社員バージョンを見る機会は最近は滅多にないので、印象的であった。

話は変わって、
ピッツバーグ日本語補習授業校(授業開催は毎週日曜日)の先生の挨拶によると、現在在校生は101人とのことである。以前は90人台でなかなか100人を超えなくて苦労していると聞いていたので、100人の大台に乗ってよかったと思った。多くの人に支えられて成り立っている学校である。現地校に通いながら補習校に通い続ける子ども達の努力にも、親や先生達のサポートにも頭が下がる。

お食事はバイキング形式で、お寿司もお刺身も豊富にあったのだが、最近バイキングで食中毒を起こした患者さんがクリニックに相次いで受診していたため(同じレストランではないが)、生魚は遠慮してしまった。でも他にもおいしく食べられるものはたくさんあったので、後悔はない。けど、それをわざわざここに書いているということは、後悔してるということか?

2014年1月20日月曜日

1/26 勉強会「法律の読める専門職になろう」


東京で、表題の勉強会が開かれる。講師は上家和子さん(国立保健医療科学院次長 兼 内閣官房健康・医療戦略室次長)。今回は人の生涯に関わる法律のうち、出生に焦点をあてて概観するとのこと。

とてもユニークでなかなか聞けない内容と思われるので、お近くのかた、ぜひともふるってご参加を! 

申込み方法など、詳細はこちら。

2014年1月18日土曜日

インフルエンザ:若い大人の間で流行中

従来インフルエンザにより罹患して打撃をやすいのは、子ども・高齢者・妊婦といった免疫力が比較的弱い人たち。ところが今年の米国内のインフルエンザの流行は、成人の中でも若年層や中年の発症者が相次いでいると報告されている。元気で若い20代30代の人たちが、入院して治療を受けるような重症になってしまうことも。

若い頃にH1N1型の流行を経験したことのある高齢者層と比較すると、その時にはまだ生まれてもいなかった今の若い大人の人たち、かつインフルエンザ予防接種に消極的なこの世代は、まんまとH1N1型インフルエンザにかかりやすい、というシナリオだそうである。

「私は(僕は)インフルエンザにかかったこともないし、インフルエンザ予防接種を受けたこともありません! 親もずっと、べつに受けんでいいっていう方針だったし〜。」とちょっと偉そうに診察室で私に宣言しているような学生達が、まさに危険な世代である。

授業に出て、たくさんの人と教室内でくっつきあって座っているだけでも、風邪やインフルエンザをもらうには最適な環境。加えて、託児施設やレストランなど、子どもや不特定多数の大人と多く接触するアルバイトをしている学生も少なくないから、学生自身の身を守るという意味だけでなく、周囲で彼らに接触する人たちの健康のためにも、ワクチン接種を強く勧める。

「注射の針がどうも苦手で〜。」と、サラリかわそうとする患者さんには、
「今年は特に、20代30代の元気で健康な人まで、ICUに入院して生死をさまよっているケースもあるんです。今日たった1本の予防注射をするだけで、あなたが入院したり、何本も注射や点滴をされるリスクがぐっと小さくなりますよ。」と言ったり(おどし?)することもある。

残念ながらうちのクリニックには、鼻に注入する霧状タイプのインフルエンザワクチンは置いていないので、学外の医療機関でそのタイプを探すというオプションについても紹介する。

あとは、
「普通の風邪でも治るのに1週間弱はかかって、不便なことこのうえないでしょう? でもインフルエンザだと、症状がもっともっと重症で、授業に出るどころかベッドから起き上がることさえしんどいことも多いです。1週間またはそれ以上まるまる授業に出られなかった分を取り戻すのに苦労して、残念ながら単位を落としてしまった学生の姿も見てきました。(他のスタッフに聞いた話。)私としては本当に残念無念で。。。」とか。

ここまでくると、しつこすぎるか。

最後まで断固ワクチン反対!という姿勢を崩さない患者さんには、
「よかったらまた考えてみてくださいね。そして気が変わって、予防接種をうけてもいいという気持ちになったら、いつでも飛び込みでいいから戻って来てくださいね。」

2014年1月17日金曜日

フルマラソン申込み

昨年に引き続き、5月のピッツバーグマラソンに出ることを決め、先日申し込んだ。

日本ではマラソン参加希望者が多すぎて、申し込もうにも申し込めないことが多々あると聞く。ピッツバーグマラソンの申し込みにはそこまでの競争はないので楽である。ついている。ただ申し込みが遅くなるほど参加料が高くなるし、いずれは定員に達するので、やはり早めに手続きするに超したことはない。

「わざわざお金を払ってまでして42kmも走るなんて信じられん!」 と言われることもあるけれど、5月のマラソンの明るいイメージは、暗くて寒い冬の今、運動する意欲を維持するのに貢献してくれるので、それだけでも価値あり。もちろん、レースそのものもとても楽しい。

去年とおととしに買ったランニングシューズは、だいぶぼろぼろ。新しいのを買わないといかん。マラソンは、地元経済にも貢献。

2014年1月16日木曜日

州外の保険の場合に困ること

私が今勤めている大学内のクリニックが提供している医療サービスは、学生が納めている健康やスポーツに関する一定額の諸費用を主な財源として運営しているので、通常の医療機関のように、保険会社に診療の請求をしたりすることがない。(少なくとも今のところ。)

一部の検査代や松葉杖の費用など、患者さんに自己負担を求める場面もあるにはあるが、多くの一般的な診察やWell-woman's exam (女性健診)で行う子宮頸がん検査(パップスメア)・クラミジア感染症の検査等は患者さんの自己負担はない。

処方薬に関して言うと、われわれの仕事は薬局に薬を処方するところまでで、患者さんは各自薬局に出向き、通常は自分の入っている健康保険を使って薬を手に入れる。無保険の患者さんなど、場合によってはすべて自己負担ということもある。

ER や専門医に患者さんを送る必要性があって、なおかつ患者さんが無保険だったり、保険があっても海外の保険、あるいは国内でも州外の保険会社の保険である場合、医療費の問題がしばしば深刻になる。

健康保険制度改革の一環で、子どもが成人しても、26歳になるまでは扶養家族として親の健康保険に入れるようになった。これ自体は歓迎すべきことだが、保険の種類によっては、被保険者の在住地域にある医療ネットワークばかりを重点的にカバーし、ネットワーク外や州外でのサービスはお粗末というものもある。地元ではとても使い勝手のよい保険であっても、親元を離れて大学に通っている学生にとっては、ちっとも良くない場合もあるというわけだ。

医療制度改革でいろいろ改善されてきたこともたくさんあるが、まだまだ発展途上である。

2014年1月15日水曜日

中国語に押されて飛んで行くスペイン語の記憶(涙)

地元の図書館では、3ヶ月を1学期として、いろいろな言語の教室が開かれている。変わったところでは、アラビア語とか、ポーランド語なども。

9月に始めた初級中国語は学期の最後まで続けることができなかったので、また今回の「新学期」に心新たに行き始めた。2回目となると、気持ちに余裕がでてよろしい。

加えて、中級中国語にも顔を出してみた。見るからに私よりも遥かにレベルが高い人たちと座るのは気が引けるが、やる気の維持のために、敢えて参加する。

これら教室とは別に、図書館から現在借りているオーディオ教材がある。これがなかなかすばらしく、この1−2週間、通勤時間に歩きながら聞いているのは、もっぱら中国語の教材である。

新しく覚えた中国語に押されて、スペイン語の記憶はどこかに飛んでった。覚えるのにはむちゃくちゃ苦労するのに、忘れることのなんと簡単なことよ! (1−2週間日本で日本語漬けになっただけでも、ごそっと英語を忘れる私である。アメリカに戻って来て再び英語を使ううちにまた思い出すが、エンジンがかかるのに時間がかかる。)

2014年1月14日火曜日

回復に対する過剰な期待

昨日のつづき。

いわゆる風邪症状で一度受診した患者さんが、翌日か翌々日にお怒りモードで舞い戻ってくることがときどきある。もちろん、症状が著しく悪化していたり、新たな症状が出現していたりしたら、もう一度精査するべきであるので、再受診自体は大歓迎。

ただ、「クリニックを受診して、症状緩和のために勧められた薬を使っていたら、一晩でスッキリ治るはずだ。」、とでも言わんばかりの過剰な期待を持った患者さんは、なかなか手強い。「あさって合唱団のコンサートがあるのに、このままじゃ困る!」とか。

誰だって早く良くなりたいにきまっているし、まして普段元気でどこも痛くもかゆくもない若い患者さんにとっては、たとえ数日の風邪症状でさえ大変な苦痛だとは思う。

しかし、一晩ではなかなかよくならないことだってある。自然で順調な回復過程にも、ある程度の時間が必要だ。

患者さんの苦痛に共感し、可能は治療・対応はおしまず、でも最終的には現実的な回復過程について確認しあう必要がある。残念だけど、どんなにベストを尽くしても、合唱団のコンサートまでに、のどは完全に治らないかもしれない。それは悔しいし、辛い。「魔法の薬がなくてごめんね。」と言うと、そこでやっと患者さんがクスっと笑ってくれることもある。(笑ってくれないときは、最後までずーっと私が患者さんに叱られているみたいである。)

何でもスマートフォンでぱっぱとやってのける世代には、風邪からの現実的な回復過程なんて言われても、気が遠くなるだけかも。でも私たちの体はやっぱり生ものである。

2014年1月13日月曜日

風邪のときの対処の仕方

季節柄、咳、鼻づまり、のど痛などのいわゆる上気道の症状でクリニックに駆け込んでくる患者さんが多い。

肺炎とか、喘息症状の悪化といった重症例は少なく、圧倒的に多いのはいわゆる風邪である。いわゆる風邪の場合、ご存知のように、休息・睡眠・水分摂取に留意し、症状を緩和するための薬(解熱鎮痛剤、去痰薬、咳止めなど)を使いながら、自然回復を待つのが妥当。(断っておくが、のど痛のなかには、もちろんA群連鎖球菌による咽頭炎もある。それにはもちろんためらわずに抗生物質を処方する。)

で、いわゆる風邪ですね、という場合、患者さんにはセルフケア基礎講座みたいな話をよくする。水分って一体なにをどのくらい取ったらいいのか、解熱鎮痛剤は何を何錠どのくらいの頻度で飲んでいいのか、症状がどう悪くなったら再受診しないといけないのか。などなど。

18歳になるまで一度も風邪をひいたことがない、という学生はさすがにいないと思うので、風邪のときの対処も決して真新しい話ではないはず。が、親と離れて自分の力で自分の面倒をみるということとなると、学生によっては初めて(?)の経験だったりするのだ。。。

患者さんにとって、今回の経験が今回限りで終わるのではなく、願わくば今後同じような症状を来したときに応用できる「知恵」となりうるようにサポートしたい。そんなわけで、たとえ自分が同じことを1日何回言うはめになっても、なるべく新鮮な気持ちでやろうと思う今日このごろである。

2014年1月12日日曜日

グルメ期間の反動

とまとまんが来ていた年末の2週間、2人でせっせと料理を作っては食べ、作っては食べ、を繰り返していた。彼が帰国し、先週末はまた従来のように、約1週間の料理を作りためる生活に戻った。

が、早くも水曜日にはもう同じ物を食べるのに飽きた。なるべく食べ飽きぬように何通りかの「組み合わせ」が可能なように品数を作っておいたのだが、2週間のあいだにすっかりグルメになった舌はだますことはできなかった。自分でもびっくり。

今日は気合いをいれて、全部で11品目作った。(ただし、ほうれん草をゆでただけ、とかやニンジンをただ蒸しただけ、といったものも、それぞれ1品として数えている。)11品目のなかから1回の食事ごとに3品くらいずつピックアップして食べていく。鮮度的には木曜日くらいにまでに食べきった方がベストなので、食べるのに忙しい1週間になりそうだ。がんばろう。

2014年1月10日金曜日

数独のやりすぎ

数独というパズルがある。発祥は日本だが、アメリカの新聞や雑誌にも SUDOKU としてよく載っている。

今週は毎日必ず1個数独をやってしまった。後から思うと、無意識のうちに、とまとまんが帰った寂しさを数独に熱中することでまぎらわしていたかな、と思う。数独をやるのは全く得意ではないので、中級レベルをやると、結構な時間がかかる。上級レベルをやってしまった日にゃ、就寝時間にまで影響が出た。

あー、こんなに時間を無駄にしてしまって、と友達にこぼしたら、「暴飲でも暴食でもないし、数独にちょっと熱中するくらいたまにはいいでないの。」と言われた。

まあ、確かに、数独を完成させることで気分はスッキリした。数独自体には罪はないので、自分のほうで、ほどよい付き合い方をしていかないかん、と思う。

2014年1月8日水曜日

寒波の恵み

きのうのマイナス23℃の寒さは、顔にガンガンきた。なるべく歩かなくていいルートで出勤し帰宅した。幸いバスが比較的すぐ来てくれたので助かった。

今朝はマイナス14℃程度。なんと暖かく感じたことか!! 今シーズンは、これ以後、多少寒くなっても気分的に楽勝(たぶん)である。寒波の恵みと言っておこう。

昨日は小中学校や高校はもちろんのこと、周辺の大学も多くは休校になったが、我が勤務先の大学はまったく通常営業だった。キャンパスに住んでいる学生はまだよしとしても、キャンパス外から通って来ている学生には特に不評であった。

こんなに寒いとキャンセルが相次ぐかな、と思ったが、クリニックは1日中忙しかった。新学期早々、風邪やインフルエンザにかかってしまっている患者さんが少なくない。

明日は最高気温が氷点下を若干上回るという予報だ。土曜日には10℃にまで上がるとのこと。あんまり急に気温が上がると、年代物の古い水道管が破裂するなどの危険があるらしい。じわじわゆっくり上がるのがベストだが、なかなかそうも行かぬようだ。

2014年1月7日火曜日

ワクチンで予防可能な病気をワクチンで防ぐこと

1月2日付けの本ブログでHPVワクチンに関する日米政府の取り組みの違いについて書いたところ、すでに70件以上の閲覧があった。これは通常の記事より大分多い。どこかでリンクされているのかもしれない。気を引き締めて書いて行こう。
ちなみに、冬休み中に書いた雪だるまやらツララやらの話は、自分の家族には受けた。ははは。

昨日発行された今週の週刊医学界新聞(医学書院)では、日本の予防接種の現状や課題について取り上げられていて、とても興味深く、おススメだ。

日本の予防接種の歴史についてコンパクトにわかりやすくまとめてある。また予防接種で予防可能な病気をワクチンで予防するための対策について、専門家4人が議論した座談会のようすも載っている。

座談会で議論されている対策は、政策とか法律といった大きな話で終わらず、小児科医・助産師・保健師、また大人を見ている一般医など、それぞれの専門家がそれぞれの場で予防接種の勧奨に関わることの重要性に触れていてとても共感する。

自分の職場の例で考えてみると、患者さんを診察室に誘導する看護師が、あらかじめ患者さんにインフルエンザワクチンやHPVワクチンの接種歴について尋ねており、もし受けていなければその時点で患者さんに接種を勧めてくれている。ゆえに、患者さんは来院時に少なくとも2回ワクチン接種を勧められる形となる。1回目はノーサンキューと言った患者さんでも、2回同じ日に別の専門家から勧められると考え直す例が少なくない。

また、単に「ワクチンを受けたいですか。」と聞くのではなく、「あなたに○○ワクチンをお勧めします(I recommend 〜。)なぜなら¨¨。」という一言を言うかどうかでも変わる。ワクチン目的の受診でなくても、機会をとらえてワクチンを話題にすると、患者さんから「ほなついでに受けときます。」という一言を引き出しやすい。

ただ、こういう勧奨はとっても地味な作業であるし、診察時間には限りがあるから、たんなる個人的心がけではなかなか続かない。そういう意味で、学会や政府系のガイドラインや方針は、私のような医療者がもう一言、もう一回患者さんに勧める上での「ガッツ」を維持する上でやはり大事だなと思う。

2014年1月6日月曜日

寒波

気温がみるみる下がっている。全国的な寒波だ。明日朝の気温はマイナス23℃とか。いつもは暖かいはずの我がアパートも冷えて来た。

明日はズボンも帽子も二重にして、マフラーを顔にも首にもグルグル巻いて行こう。ちょっと外にでただけでも顔が痛くなる。泥棒がかぶっていそうな、目だけ出る帽子を持っていればよかった。

2014年1月2日木曜日

HPVワクチンに対する政府の姿勢の違い

HPVワクチンの接種呼びかけ再開について検討していた日本の厚生労働省の専門部会は、12月下旬、再開に関する結論を新年に持ち越すことにしたそうでである。つまり、日本では依然、HPVワクチン接種の勧奨差し控えが続行される形となった。

これに対し、日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会など4団体は、専門家の立場から、HPVワクチン接種の勧奨再開を求める声明を共同で出した。

読者のみなさまには、ぜひこれに目を留めることをお勧めする。
http://www.jaog.or.jp/news/PDF/HPV2013.12.26.pdf

次の2つの部分を引用したい。

厚生労働省からHPV ワクチン接種勧奨の一時中止勧告(6 月14 日)が出されてから6 か月以上が経過した。この間に、日本では約1500 人以上の女性が子宮頸がんで亡くなって、多くの家族に悲劇をもたらしている
(中略)
本ワクチン接種の勧奨中止が現状のまま継続されることになれば、十数年後には世界の中で日本だけが子宮頸がん罹患率の高い国となる可能性が懸念されている。
引用終わり

接種することによるリスクを過大視するあまり、接種しないことによるリスクが過小評価されてしまって、せっかくのワクチン接種の機会を逃してしまうのは、とても悲しいと私は思う。もちろん、慢性疼痛などの副作用が出たときの対応・対策を充実させることは重要だと思う。接種することのベネフィットとリスクだけでなく、接種しないことによるベネフィットとリスクをしっかり見極めて、国の推奨が早く再開されるとよいと思う。

所かわって、米国のHPVワクチン接種率は3割程度であり、オーストラリアや英国と比べると大きく遅れをとっている。米国のCDC(疾病予防対策センター)はHPVワクチンの摂取率を上げることを、2014年の最重要課題5項目の一つとして大きく取り上げた。

ワシントンポストによる記事
http://www.washingtonpost.com/national/health-science/2013/12/25/4c9e2a16-69c2-11e3-a0b9-249bbb34602c_story.html

CDCの記事
http://www.cdc.gov/media/dpk/2013/dpk-2013-review.html#la

私の役割は、診察室で出会う大学生の患者さんの中でワクチンをまだ受け損ねている人、また3回接種のうち1回あるいは2回しか受けていない人をシラミつぶしに見つけて、改めてHPVワクチンの接種を勧めることだ。中には今まで誰にも勧められなかった、とのたまう学生もいないわけではないが、それよりも「ママが必要ないと言ったので。」などと、母親が抑制因子になっている例が多い。

18歳以上で、自分自身が意思決定できる年齢にある患者さんには、これからは「ママの方針」から卒業して、自分で自分の健康づくり・判断をしていくよう促し、なぜHPVワクチンが勧められているのかを話す。

2014年1月1日水曜日

キャンセル便によって目的地に早く着く??

とまとまんが乗る予定のピッツバーグからシカゴの便(米系航空会社A社)の運行状況をウェブサイトで昨夜確認したところ、なんと「キャンセル」となっているではないか。前後の便は「定刻通り」との表示なのに、なぜかその便だけ早々にキャンセルが決まっている。

困ったことに、この情報はとまとまんがチケットを購入した日系の航空会社B社側には連絡がまだ行っていない様子で、B社のウェブサイト上では、とまとまんの旅程はすべて「定刻通り」と表示されている。

両社のカスタマー・サービスと電話交渉したその結果、結局当初よりも5時間ほど前の便でシカゴに向かうことになった。シカゴでかなり待ちぼうけにはなるが、これで予定していた日本行きの便に乗りつげるはず。

というわけで、我が家は23時すぎにやっと寝て、朝は4時半起き。とまとまん滞在2週間の最後は、なんだかとてもバタバタした。

経由地のシカゴで、とまとまんは当初予定していた便の1本前の便に乗り継ぐことができたため、なんと、当初の予定よりも4−5時間早く日本に到着の予定。キャンセル便のお陰(?)で、予定よりも4−5時間「早く」目的地に着くという、とてもおもしろい旅程となった。

仮に昨夜の時点でもし飛行機がキャンセルになっていることに気づいていなかったら、我々はやっと昼前にピッツバーグ空港に着き、とまとまんは今夕ピッツバーグからヒューストンに飛ばされ、そこで一泊してから成田に向かう(そして、その先の羽田ー四国便には到底間に合わない)という、とても困った代替便があてがわれていたとのことである。危機一髪だった。

とまとまんがすでにA社のウェブサイトで運行状況を確認済みだったのに、「念のため!」と私がB社のウェブサイトでも調べてみたのがよかった。

成田空港で、とまとまんが無事スーツケースとご対面できるとよいが、どうかな。

片道飛行機計3本、地方空港から地方空港に飛ぶ者の宿命とはいえ、乗り継ぎは毎度なかなかたいへんである。

今回の教訓:
  • 日系の航空会社でチケットを買っていた場合でも、米国内の移動が米系航空会社による運行になっている場合は、米系航空会社のウェブサイト上でも運行状況を早めかつマメに確認すること。日系航空会社のウェブサイトだけに頼らず、両社のサイトを見るべし。
  • キャンセル便に関しては、予定よりも「前」の便に振り替えられないか問い合わせること。特に、後にさらに乗り継ぎ便の予定が控えている場合はなおさら。
  • 乗り継ぎ地点で、予定よりも早めの便に乗れそうな場合は、便を繰り上げてもらえないか、尋ねてみること。だめでもともと。聞いてみるだけ聞いてみよう。
さて、とまとまんを空港に送ってからの帰り道、雲の切れ間に朝焼けが顔を出してきれいだった。初日の出からの光だー!と思ったら、とてもうれしかった。