2013年6月2日日曜日

なぜ転職か

なぜ私は転職を考えたのか。やはり組織からの要求と、自分の信じるケアがマッチしないことによる葛藤が、最も大きな要因だったと思う。

キャンセル率に基づいた意図的なダブルブッキング。非常に使い勝手の悪い電子カルテ。3カ所の診療所をぐるぐる行ったりきたり。

極めつけは、患者さんが着替えているのもお構いなしに診察室内にてノート型パソコン上でカルテの記録を終わらせろという注文。(1日試して、以後無視した。)患者さんのプライバシーに対する配慮にかけるばかりか、患者さんとの話は長引くは、 カルテは書けないはーー。退室して自分一人の空間で、デスクトップパソコンでタイプするほうが、ずっと早くタイプできた。

系列オフィスで働く別のNPは、電子カルテ導入後、「私は本当に意地悪なNPになっちゃったのよ。」と言った。それは彼女が生き延びるために出した一つの答えだったと思う。求められている「量」、すなわち患者数をこなすためには、極端な話、患者さんにたいした質問もせず、なるべく患者さんの話をさえぎり、本当に最低限のこと(どんなこと?)だけして流すようなスピードと診察内容(無いよう)になる。

でもそれを自分はどうしてもしたくなかったし、むしろできなかったので、厳しい環境のなかで頑固にも自分のやり方を模索しつづけることに。

たまに患者さんのドタキャンが続いてスケジュールに余裕が出た日には、仕事をとても楽しんでいる自分を発見。やっぱりこの仕事が好きだと思った。

経済的・社会的に複雑な環境のなかで生きている患者さんの診察は時間がかかる。自分の症状をうまく話せなかったり、とにかくすぐかっとなったりする患者さんも少なくない。1人の患者さんを診るのでも、まるで2-3人診るのと同じくらい労力を使う(ここが私の腕の見せ所!!)こともある。

診療する者と組織側は、相思相愛になれなくても当然といえば当然。でももっとrespect があったら、もっと違ったのではないかなぁ。

とても愚痴っぽくなってしまったが、これでも実のところは職場、また仕事を通して経験できた様々の事柄に感謝している。私のある友人は、「小芋はこの仕事からoutgrow したんだよ。」と言った。背が伸びてズボンやシャツが短くなるのと同じように、与えられた仕事より自分の方が大きくなった?! 成長できていたのならうれしいな。

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