2013年1月23日水曜日

クラミジア感染症・淋菌感染症例の増加

私の勤めるオフィスでは、最近女性患者さんのクラミジア・淋菌感染症の検査キットが変わった。sensitivity の優れた検査方法を選んだ結果こうなったという。

変更前:子宮頚部を医療者が綿棒でぬぐったもの、もしくは尿を検体として検査機関に送っていた。

変更後:患者さん自身が綿棒で採取した膣分泌液を検体として検査機関に送ることになった。ちかぢか尿検体も専用の容器が届き次第使えるようになるが、基本的には膣分泌液の検体を使うべしとのお達し。

ちなみに男性は特に変更なく、尿検体を使う。

まだ変更から2ヶ月もたっていないので結論じみたことを言うには時期尚早だが、個人的感覚として、明らかに陽性の結果が増えている感じ。

ちなみに、以前の頚管分泌物のキットでも、sensitivity は92%以上、specificity は98%以上とかなり良好であった。いっぽう以前の尿検体では、sentitivity が80%程度にとどまっていた。

それでも尿検体をときどき使っていた理由の一つは、医療者が患者さんを診察することなく患者さんがトイレで専用のカップに尿をとるだけで検査が出来るという手軽さにあった。大学キャンパスなどでスクリーニングイベントをする際にはとくに便利だった。婦人科に未体験の10代の女の子でも、尿を容器に取るだけでよいと言われたら、ほなひとつやってみよか、と思いやすい。

もう一つの理由は、月経のまっただなかの患者さんを相手に頚管でとった検体を取ると、当然のことながら綿棒にかなりの血液が付着し「検体が検査に不適で検査できませんでした」という悲しい結果がしばしば発生していた。だからあえて尿検体を選んだ方が無難である、という個人的経験則もあった。今度の膣用キットでは、月経中でも問題ないとのこと。

患者さん自身が膣分泌液を採取するというのは、現在のところほとんどの患者さんにとって初体験だとおもう。とはいえ、やり方は簡単だし、受け入れは悪くない。スクリーニングイベントでも、トイレで尿を採取してもらうかわりに、おなじトイレで綿棒の検体を取ってもらえばよいので、大きな混乱はないだろう。

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