2012年11月9日金曜日

Meaningful Use とは

Meaningful Use とは、という記事を書きたいと思いながら、書けていなかった。簡単に書けるところから書いてみる。(間違いがあったらご指摘ください。)

政府は医療現場にITを整備し、医療の質を向上させたいと考えている。(少なくとも建前は。)その一環で、公的医療保険Medicare やMedicaid の患者さんを診療している医療機関に電子カルテの導入を推進すべく、政府はアメとムチの政策を実行している。

まず、アメだが、電子カルテのmeaningful use (有意義な使用)を実践した医療機関は、ご褒美(ボーナス)がもらえる。去年ないし今年中に実践できた場合は、最大額のボーナスだが、来年、再来年と導入が後れるごとに、ご褒美の額は減って行く。ちなみにこのボーナス額であるが、provider (医師・NP・PAなど)一人につきMedicaidから年額44,000ドル x 5年間、Medicare から63,750ドル x 6年間という多額である。つまり、これだけお金あげるから、そのお金でシステムを買ってがんばりなさいということである。ちなみに、これらご褒美は、私の懐には一切来ず、組織に入る。

次にムチだが、2015年までに電子カルテを導入しないあるいはmeaningful use を実践できなかった医療機関には、ペナルティーが科される。(診察代が減額される。)

で、なにが具体的にmeaningful use に相当するかというと、それには長いリストがある。分かりやすいところでは、電子処方箋を使うこと、とか、患者さんの喫煙の有無を記録していること、とか、バイタルサインが記録してあること、など。

このリストにはいわば必ず達成しなければならない必修科目と選択科目があり、それぞれの科目について全体の何割以上の患者さんのカルテで条件をみたしていないといけないという合格基準がある。(例;処方箋の何割が電子的に処理された、とか)

で、例えば今年ご褒美をもらいたかったら、今年中のある連続した3ヶ月間における必修科目と選択科目の総合成績表を提出しないといけない。つまり、その3ヶ月に診察したすべての患者さんの全カルテの出来の総成績である。だから今日だけがんばってもだめで、3ヶ月継続してぬかりないカルテを書き続けなければならない。(というか、カルテにぬかり合ってはまずいが。)

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