2012年11月30日金曜日

緊急避妊に関する米国小児科学会の指針

米国小児科学会が、緊急避妊に関する指針(policy statement)を発表した。
http://pediatrics.aappublications.org/content/early/2012/11/21/peds.2012-2962.full.pdf

思春期の子どもたちに対して、緊急避妊について教えたり、事前処方(緊急避妊薬を要するようなコトが起きる前にあらかじめ処方箋を渡しておく)ことの重要性が書かれている。

米国ティーンエイジャーの出生率は、他の「先進国」と比べて特に高い。この論文のなかでは 1000人対34.3 という数字が載っている。この数字自体は以前より減ってきているのだが、それでも他の国と比べてまだまだ高い。

緊急避妊薬は、避妊方法のなかでもいわば最後の砦なのだが、現在のところ米国内では16歳以下の人は、処方箋がないと薬局に行っても手に入らない。(17歳以上の人は処方箋なしで購入できるが、年齢を証明するため身分証明書を薬剤師に見せないといけない。)

そういうわけで、ティーンエイジャーと接する小児科医が緊急避妊に担う役割は大きい。

今回の指針を読んで私が特に注目したのは、医師や薬剤師の個人的価値観と専門職としての責務のジレンマについて書いてあるところ。宗教的・倫理的理由ゆえに緊急避妊薬の処方を快く思わない医療職もいるからだ。(なんともアメリカらしい。)

指針は「適切で法的に利用可能な選択肢について患者さんに伝えないことは小児科医としての責務違反だ」、また「自分自身の信条ゆえに行えない治療に関しては、それを行える小児科医に患者さんを紹介しなければならない」、と明言している。

指針はあくまで指針なので、右向け右!というほどの威力はないにせよ、学会の強い意志が感じられていいなー、と思った。思春期は、小児科から婦人科/内科等への移行期にあたる。小児科でも、婦人科でも、内科でも、機会あるごとに緊急避妊および避妊全般に関してティーンエイジャーにアプローチできたらすばらしい。

2012年11月28日水曜日

マンゴーでスペイン語

Mango Languages という外国語を学ぶための教材がある。
http://www.mangolanguages.com
ピッツバーグの公立図書館の利用者は、図書館のウェブサイト経由で無料で教材を使うことができる。地元の図書館や通っている学校にそういうサービスがない場合、個人でお金を払って利用することもできるようだ。

この教材のすばらしいところは、i phone, Android などのモバイル端末にダウンロードできるところ。私は i pod touch にダウンロードし、バスの中で使っている。机に向かって勉強する時間はなかなか取れないけど、バスの待ち時間&バスでの移動中だと意外と時間が取れる。

目標はスペイン語のレベルをあげることだが、もし余裕があったら中国語もやってみたい。今のところは、朝習ったスペイン語のフレーズを夕方には忘れちゃったりしている状況(トホホ、、)なので、欲張りせず、スペイン語に集中したほうがよさそう。

Mango Languages に限らず、インターネットやCD-ROMやモバイル端末のおかげで、外国語の勉強はずいぶんラクチンな時代になったなーとおもう。


2012年11月27日火曜日

経口避妊薬をOTC化すべしという勧告

米国産科医婦人会学会(ACOG)は、先週、経口避妊薬をOTC (処方箋なしで購入できる薬)にすべしとする勧告を出した。OTC とは over the counter の略。

http://www.acog.org/Resources_And_Publications/Committee_Opinions/Committee_on_Gynecologic_Practice/Over-the-Counter_Access_to_Oral_Contraceptives

勧告の趣旨を簡単にまとめるとこんな感じ。
「アメリカにおいて全妊娠の約半数が意図しない妊娠である。アクセスとコストの問題が
避妊薬を使う上での大きな妨げになっている。経口避妊薬はアメリカで一番広く使われている避妊薬だが、それを根気よく使い続けて行くには実際面でいろいろと問題がある。そこで避妊薬をもっと使いやすくし、ひいては意図しない妊娠を防ぐために、経口避妊薬をOTC化しよう、というわけだ。リスクとベネフィットを比べると、経口避妊薬はOTC として手に入るものであるべきだ。」

安全性について勧告は「OTC薬というと安全性が問題となってくるが、経口避妊薬による深部静脈血栓症の率は非常に小さい。妊娠中や産褥期の深部静脈血栓症の率と比べるとなおさらそう。」と述べている。

経口避妊薬の禁忌(使ってはいけない状況)の心配に関しては、「研究結果によると、一般女性が自己判断した禁忌は医療者よりもむしろ保守的(慎重)なくらいだった」と説明し、また「メキシコの研究では、薬局で経口避妊薬を手にした女性においては、絶対的な禁忌よりもむしろ相対的な禁忌が見られた。」としている。「チェックリストを使って、女性自身が禁忌がないかどうか自分で確認するようにすべき」と助言している。

CNN は今回の勧告に関連した記事のなかで、経口避妊薬を手に入れるために処方箋がいる国、いらない国を色で塗り分けた興味深い地図を載せている。
http://edition.cnn.com/2012/11/20/health/birth-control-over-the-counter/index.html?hpt=he_c2

勧告を読んで思ったこと:

  • アクセスとコストの問題をできるかぎりなくし、経口避妊薬を手に入りやすいものにすべし、という今回の勧告の趣旨には基本的に賛成。
  • 実際OTCになるまでには、製薬会社がFDA(食品医薬品局) に認可を申請し、それが認められないといけない。だからACOGが旗を振っただけではすぐ現実になるわけじゃない。
  • OTCにしたからといって、コストが安くなるのかは疑問。製薬会社のコマーシャル合戦がおきたりするかも??
  • 今回の勧告が、避妊薬のなかでも「経口避妊薬」に限って述べていて、これにはNuvaring やPatch が入らないのはなぜだろうかとおもった。
  • 勧告のなかでも述べられているように、STI 検査や子宮頸がん検査は避妊薬の使用に関して医学的に必要なものではないが、健診がおろそかにならないように、教育はますます必要となろう。
  • まず第一段階として、Combined pill (エストロジェンとプロジェスティンの合剤ピル)よりも、progestin-only pill をOTC にするのを目指すのが現実的かも。すでに、緊急避妊薬(これもprogestin-only)はすでにOTC.



2012年11月26日月曜日

連休明けの山脈

Thanksgiving Day とその翌日はうちの診療所は休みだったので、実質3日しか休んでいないはずなのだが、大量の仕事が待っていた。

電子カルテ上の inbox  には、正常・異常にかかわらず検査結果がどんどんはいってきて、そのあいだあいだに患者さんからの電話のメモやそれ以外の雑多なものもある。いちおう「重要」とか「時間のあるときに」といった札はついているのだが、「重要」がこう何件もあっては、そのなかでどれが特に急ぎの用件なのか分からなくなる。

というわけで、急ぐものはどれかスタッフに口頭で確認する始末。その対応が終わるか終わらんかのまえに、通常の診察がはじまる。その間にも患者さんからの電話とか飛び込んでくるが、診察中電話はとれないので、夕方にまとめて対応。

検査結果や電話の対応だけ専門にするNPもしくは看護師がいたら、もしくは診察はお休みしてこれらの仕事に1日集中できたらいいのに、と思う。仕分けしてくれるだけでも、すごく助かると思う。一人でぜんぶは、厳しい。

こういった仕事をする時間を確保することの重要さを再三訴えているが、なかなか理解されなくて悔しい。

2012年11月25日日曜日

ニューメキシコでの感謝祭

Thanksgiving の休み+年休を使って、月曜日からニューメキシコ州のホストファミリーのところに行ってきた。ここでいうホストファミリーとは、私が高校生の時分にミシガン州で1年間預かってくれた家族。その後ホストファミリーはニューヨーク州に10年ちょっと住んで、約2年前にニューメキシコ州に引っ越した。

私にとってニューメキシコ州は初めての土地。天気予報の気温の数字だけ見ると、ピッツバーグより寒そうなのだが、太陽がさんさんと照っているので、体感気温はずっと暖かかい。

とにかく晴れて、朝も昼も夜も空が美しかった。夜はプラネタリウム並み。砂と岩と少しばかりの低木と草、という風景は面白かった。ネイティブアメリカンの人たちが西暦1000年から1200年ごろに使っていた建物の遺跡は圧巻だった。

6人いるホストきょうだいのうち、4人+家族が集まった。末っ子ももう高校生で、背丈は完全に抜かされている。好き嫌いがとても激しかったのに、私が作った豆腐とトマトのサラダを「おいしい」とか言って食べてくれて、うれしかった。

人数が多いので、料理はあっという間になくなる。一方、食器の洗い物はやってもやってもすぐに新たな山ができる。

行きはPhoenix 経由、帰りはDenver  とAtlanta 経由の飛行機で帰ってきた。時差も2時間あるし、ほとんど外国旅行といってもいいくらいの時間と距離感のある旅立った。窓から見る地形がどんどん変わって行くのがおもしろかった。

あしたからまたがんばろう。





2012年11月18日日曜日

小芋ダメ子な日

昨日土曜日はほとんど寝ていた。朝とまとまんと話した後も、ああ、せっかくの晴天の中でなんともったいないと思いつつも寝ていた。

voice lesson が1:45 pm からだというのに、布団から這い上がったのが12:30。レッスンは割と調子よくやっていたんだが、30分たったところで気分悪くなって早退。歌って腹圧がかかって悪化したのだろう。

帰ってからまた寝て、お茶と水と飴だけ時々食べて、また一晩寝てしまった。よくこんなに眠れるもんだ。

今回の嘔気・嘔吐・発熱の原因は、たぶん金曜日の晩に食べたもので当たったとの、精神的な疲れのコンビネーションだと思う。

今日は朝ご飯が食べられた。昨日は38℃あった熱も下がった。これから太陽を浴びに外に行ってきます。

2012年11月15日木曜日

『偶然に委ねず、自ら選ぶ』


昨日発表された世界人口白書のタイトルは、"BY CHOICE, NOT BY CHANCE" で、その日本語訳が『偶然に委ねず、自ら選ぶ』となっている。


日本語訳されている序文と2章6章だけを斜め読みした。避妊を人間の「権利」の一つととらえ、その権利が行き渡っていない途上国の問題について触れてあった。これを読みながら考えたことを書く。

先進国のはずのアメリカでも、避妊の権利が十分行き渡っているかというと、決してそうではない。避妊そのものを快く思わない人たち、また公的なお金を避妊に関する政策や住民サービスに使うことを快く思わない人たちも少なくないし(選挙の度にヒヤヒヤする。自分に選挙権はないが。)、未だに避妊薬をカバーしない健康保険もある。保険のない患者さんが自費で払える避妊方法というと、選択肢がずっと狭くなる。

私の働いている診療所のように、10代でも(親に知られることなく)、保険がなくても、患者さんの年齢や収入額次第で無料または低額で避妊薬を提供できる場所もある。しかし、われわれの存在を知らない患者さん、通報されることを恐れて受診できない不法移民女性、交通手段がなくて受診するすべのない女性などにとっては、我々が診療の出前でもしないかぎり、ケアは届かない。

それから、避妊薬を手に入れたあとも、正しく使いつづけられるとは限らない。処方されても、実際には一度も使わない患者さん、使い始めても1ヶ月もたたないうちに中断する患者さんなど、枚挙にいとまがない。

「避妊していない、でも妊娠したいわけでもない。妊娠したらどうするって?、そりゃ困るわ、中絶なんかしたくないしーーー」という感じのスタンスの患者さんはとても多い。本人に妊娠の意図が全くなかろうが、セックスがあれば妊娠は起きうるのだが。そして患者さんは妊娠後は3つの選択肢のなかで揺れる。1.親になる 2.養子計画をたてる 3.人工妊娠中絶する。避妊法はいっぱいあっても、妊娠後はこの3つの選択肢しかない。

願わくば、「偶然にゆだねず、自ら選ぶ」という強い希望をもった上で積極的に避妊方法や妊娠の時期を考える女性を応援したい。でもそもそも女性がそういう意志を持つためには、避妊や妊娠以前に、そもそものカップル間の人間関係や、本人の将来に対する計画や希望、もっといえば社会一般が避妊や妊娠についてどういうメッセージを発しているか、とかもろもろが関わってきてて、診察室の中の孤軍奮闘ではきびしいな、と思う。

セックスも、避妊も、とてもとても個人的なことだが、それが積もり積もって、人口になる。2050年の世界人口は90億人を超えると予想されているとのこと。

いわゆる発展途上国だけでなく、いわゆる先進国においても、宿題は山積だ。

2012年11月14日水曜日

Count your blessings

商店街の店先に七面鳥の飾りが置いてあった。首が左右に動くので興味を持って近づいてみると、首元に "Count Your Blessings" と書いた札がぶら下がっていた。

Count your blessings とは、「恵みを数え上げる」というのが文字通りの意味だが、日本語的に言うなら「恵みに感謝する」といったほうがしっくりくるか。いずれにしてもいい言葉だ。

「さいならー」という代わりに、"Have a good Thanksgiving." という声が聞かれる時期になった。来週の木曜日が感謝祭の祝日だ。

今日は本当に久しぶりに明るいうちに家に帰れた。大いに感謝。

2012年11月13日火曜日

冬のモーニングコール

3月の第2日曜日に始まった Daylight Saving Time、いわゆる夏時間が11月の最初の日曜日に終わった。アメリカ東部時間と日本との時差は、ただいま14時間。

冬はただでさえ日が短いので早く帰りたいが、時差のことを考えると、なおさらである。というのも、とまとまんのモーニングコールを朝7時にしようと思うと、夏の間は18時にかければいいのだが、冬時間になると、17時にかけることになる。17時に間に合わすのは現状ではかなり厳しい。オフィスを出るのが19時を過ぎた日もあり。。

今日は出張先のオフィスを出たのが17時半。途中渋滞にあって、家に着いたのは18時20分。とまとまんはもう出勤した後であった。残念。

とまとまんが昼休みに時間を作れたときは、そのときちょっとだけ話せる。その頃私はもう寝る時間。

朝(とまとまんの夜)話せるかどうかは、とまとまんの帰宅時間次第である。

すごくうまくいって1日3回話せる日もあるが、どちらか(or 双方)の残業いかんでは会話の頻度が減ってしまう。でもありがたいことに、冬時間は1年のうち4ヶ月だけ。残り8ヶ月が夏時間でまだよかった。

2012年11月11日日曜日

Meaningful Use で得をするのはだれ?

全くの私見だが、私の個人的体験と観察からいうに、Meaningful Use は患者さんのためというより、よっぽど金のためになっている。

患者さんの待ち時間は長くなり、スタッフの仕事量とストレスは増し、労働時間は延長。

誰が得しているのかというと、電子カルテを導入した組織の経営側(政府からご褒美のお金をもらえる)と、電子カルテのシステムを売っている会社たちだ。

NP友達から電子カルテを使って3−4ヶ月ないしは半年で慣れたよ、という声をしばしば聞くが、私が使っているシステムに関して言うと、どんなにやってもやはり1カルテ15分前後かかる。(全身全霊の集中力でも。)ほとんど文章を打たず、クリックすべき項目をカチカチやっているだけでもそんなかんじ。

依然、予約が15分に1人ずつ入っているので、首が絞まる。ドタキャンと無断欠席をする患者さんを見越したオーバーブッキングとはいえ、一方でMeaningful Use の基準を目指せと言い、もう一方で患者数を落とすな、というのは無理である。

ある知人NP は、「電子カルテになってから、私は患者さんにとても意地悪になっちゃった。」と言った。気持ちはとてもわかる。

とある別のオフィスのメディカルアシスタントは私に言った。「小芋、あんたもっと意地悪にならなきゃ。」 ん? それは本末転倒では? 

そもそも医療の質を上げるための電子カルテでなかったか? 患者さんに適切な質問を投げかけず、患者さんの話を聞かず、ただ Meaningful Use のチェックリストの項目を満たすカルテ作成を目的に働くの? それって、誤診につながりますけど?

サバイバルという点で言うなら、意地悪モードで割り切って働ける人はいいが、自分にはできない。でもその分シワ寄せを自分に与えてしまうので、それもまたよくない。

2012年11月10日土曜日

桜の植樹会

ピッツバーグ桜プロジェクトの植樹会に参加してきた。とっても楽しめた。

まず第1に天気。久々の晴天。

第2に土いじり。いつもとは全く違う五官への刺激。

第3に人との出会い。作業しながら、初めて会う人といろいろ話できる。日本人もアメリカ人も交ざって活動。作業終了後、皆でカップ麺を食べた。帰りは中国、日本、アメリカ出身の大学生3人を車に乗せて帰った。これがまた出会い。

North Park に植えてきた桜もだいぶ数が増えた。
こちらが今回の植樹会のチラシ。

2012年11月9日金曜日

Meaningful Use とは

Meaningful Use とは、という記事を書きたいと思いながら、書けていなかった。簡単に書けるところから書いてみる。(間違いがあったらご指摘ください。)

政府は医療現場にITを整備し、医療の質を向上させたいと考えている。(少なくとも建前は。)その一環で、公的医療保険Medicare やMedicaid の患者さんを診療している医療機関に電子カルテの導入を推進すべく、政府はアメとムチの政策を実行している。

まず、アメだが、電子カルテのmeaningful use (有意義な使用)を実践した医療機関は、ご褒美(ボーナス)がもらえる。去年ないし今年中に実践できた場合は、最大額のボーナスだが、来年、再来年と導入が後れるごとに、ご褒美の額は減って行く。ちなみにこのボーナス額であるが、provider (医師・NP・PAなど)一人につきMedicaidから年額44,000ドル x 5年間、Medicare から63,750ドル x 6年間という多額である。つまり、これだけお金あげるから、そのお金でシステムを買ってがんばりなさいということである。ちなみに、これらご褒美は、私の懐には一切来ず、組織に入る。

次にムチだが、2015年までに電子カルテを導入しないあるいはmeaningful use を実践できなかった医療機関には、ペナルティーが科される。(診察代が減額される。)

で、なにが具体的にmeaningful use に相当するかというと、それには長いリストがある。分かりやすいところでは、電子処方箋を使うこと、とか、患者さんの喫煙の有無を記録していること、とか、バイタルサインが記録してあること、など。

このリストにはいわば必ず達成しなければならない必修科目と選択科目があり、それぞれの科目について全体の何割以上の患者さんのカルテで条件をみたしていないといけないという合格基準がある。(例;処方箋の何割が電子的に処理された、とか)

で、例えば今年ご褒美をもらいたかったら、今年中のある連続した3ヶ月間における必修科目と選択科目の総合成績表を提出しないといけない。つまり、その3ヶ月に診察したすべての患者さんの全カルテの出来の総成績である。だから今日だけがんばってもだめで、3ヶ月継続してぬかりないカルテを書き続けなければならない。(というか、カルテにぬかり合ってはまずいが。)

2012年11月8日木曜日

オバマ政権の続投

女性の健康に関わる仕事についている私にとっては、ひとまずほっとするところ。

日米の高校生による絆プロジェクト

ピッツバーグ市内の高校と茨城県日立市の高校の生徒たちが、彼らの交流プログラムの報告会を開いてくれた。このプログラムは「キズナ強化プロジェクト」と呼ばれ、アジア太平洋・北米地域から若者を日本に10日ほど招きし、また日本の震災被災地の若者を世界に派遣する事業だそうだ。

 詳しくはこちら
http://sv2.jice.org/kizuna/e/what/about/
http://www.mofa.go.jp/mofaj/saigai/kizuna_project.html

ピッツバーグの生徒20数人は夏に日本を訪問していて、日立の生徒24人がいまピッツバーグを訪れている。滞在中は、それぞれホストファミリーのところに宿泊。

ピッツバーグの生徒さんたちは日本滞在中に、茨城県知事、港の漁師さんらとも会ってきたとのこと。またボランティア活動として、街に花を植えていた。

日立の生徒さんたちは主に震災とその後の様子を発表してくれた。私はもともと茨城県の出身なので、日立の震災の写真を見るのはとても辛かった。とくに、崩れ落ちた体育館の写真。北茨城市の五浦六角堂が津波で流されて跡形もなくなり、でもその後寄付で再建されたとの報告も。

ピッツバーグの和太鼓グループの演奏がとてもすばらしかった。日米協会のスタッフによる、ゆかた着付けコーナーもにぎわっていた。(ゆかたの生地の質がとてもよく、感心した。)

高校生同士の交流は、体験する本人にとってはもちろん、その周りの家族、友達、そして今日の私のように報告を聞くだけの立場の「街の人」にとっても、ものすごくインパクトがある。というか、私も16年前は、ミシガン州に行った交換留学生であった。国家防衛費のほんの一部でも高校生交流事業に回して、今以上に交流事業を活発にしたら、戦争はなくなるとかなり真剣に思う。