2012年8月15日水曜日

治療が難しくなった淋菌感染症

淋菌感染症の治療において、経口のセファロスポリン剤を使わないように、という勧告がCDCから出された。耐性菌の発生が顕著になってきたためだという。

CDCが一番勧めている治療法は、
ceftriaxone 250mg 筋注1回 +  azithromycin 1g 経口投与1回 もしくは
ceftriaxone 250mg 筋注1回 + doxycycline 100mg  経口投与 1日2回7日間
のいずれか。

以前はceftriaxone の注射のかわりに cefixime 400mg を使うこともよしとされていたが、今後もしcefixime をやむを得ず使う際には、治療後に test of cure (ちゃんと治療が効いたかどうかを確認するための再検査)をせよという。

わがオフィスでは、郡のhealth department から取り寄せている ceftriaxone が今後ますます重要になる。なぜなら

  • 無保険の患者さんを治療するためには、診療所に薬を備えている必要がある。
  • 患者さんが保険をもっていても、薬局がこの薬を取り扱ってくれないケースがある。(ある薬局は、「この薬を取り寄せるためには箱単位で取り寄せないといけないので、たった一人の患者さんのために無駄なたくさん取り寄せることはできん」、とのたもうた。)
この4−5年の間に、淋菌感染症の治療に関するCDCの勧告は頻繁にアップデートされてきた。現時点で勧告されている治療法でも耐性ができてしまうと、と考えると怖い。クラミジアや淋菌の感染と治療を繰り返している患者さんを前にして、本人とパートナー(しばしば パートナー)の治療の重要性を話すときの自分の声がつい大きくなる。

興味あるかたは、CDCの勧告をお読みください。
http://www.cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/mm6131a3.htm?s_cid=mm6131a3_w


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