2012年3月20日火曜日

Health Literacy

英語を母国語としない患者さんはもとより、英語が母国語でアメリカで生まれ育ったような人であっても、会話のなかですれ違いを覚えることがある。ちょっと例を挙げれば、

1.リスクの頻度 (何パーセントの人に某の副作用が起こる可能性、とかいうときの「パーセント」のところで患者さんの顔がちょっと?になる。なるべく何人に1人、とかいう言い方にするように心がけるが、つい癖でパーセントを使ってしまったときに、あっ、と思う)

2.各種同意書にサインをもとめたときの、患者さんの困った顔 (だらだら書いてあって、ぱっと見ただけで正直わたしも疲れちゃう。)

3.患者さんが使っている医学用語が、話の文脈のなかで矛盾を生じることがよくある。患者さんの発した言葉は、必ずしも患者さんの意味した言葉とは限らない。例:子宮頸がんにかかったことがある、と患者さんが言っても、カルテをめくる限りは 子宮頚部異形成 (cervical dysplasia) だけだったり。

リテラシー (literacy) というのは、日本語だと、識字能力とか読み書き能力にあたる言葉なんだが、Health Literacyという言葉をCDC(米国疾病管理予防センター)は次のように説明している。

健康に関する適切な意思決定をするために、基本的な健康に関する情報やサービスを手に入れ、処理し、理解するための能力。(原文は Health Literacy: the capacity to obtain, process, and understand basic health information and services to make appropriate health decisions.)

医療者自身が病気や治療の知識をたくさんもっていても、それをうまく患者さんと共有できないと悲劇も起こりうる。専門家として、知識の量、質を確保することと同じくらい、情報の伝え方、共有の仕方に気を払えるようになりたい。

リソースはここにあり。こういう内容をまとめてくれている人たちの努力・労力に感謝。まだちゃんと見てないが、自分のための記録としてリンクをはっておく。
http://www.cdc.gov/healthliteracy/index.html
関連記事(前に書いたブログ記事)
http://koimokko.blogspot.com/2011/07/blog-post_23.html

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