2011年12月20日火曜日

なが~~い電話線 その2

その後の経過である。

南アジア某国出身の3人の患者さんを続けて診察した。補助椅子の上に電話を置き、電話のスピーカー機能を使って患者さん、わたし、電話の向こうの通訳さんの3者がお互いの声を聞きあえるようにセッティング。

私しゃべる → 通訳 → 患者さんしゃべる → 通訳 → 私しゃべる → 通訳
というようになるので、どうしても普段の倍以上の時間がかかってしまう。

時間を短縮すべく、はじめ問診表にあらかじめ患者さんが書き入れてくれていることはいちいち再確認しなかった。ところが、問診表に妊娠歴ゼロと書いている患者さんが、話の中で「娘がなんのかんの」というので「変だ!」と思って確認すると、実は4経妊4経産であった。がぴ~~~ん。これにて問診表に書かれている内容は必ずしも鵜呑みに出来ないと分かったので、すでに紙面で回答してくださっていることでも、要点はあえて口頭で再確認する必要があった。

通訳さんに負担をかけすぎないよう、なるべく1-2文ごとに区切ってしゃべった。通訳さんが訳している間に私の集中力が一瞬落ちる。そのフッと落ちた瞬間に限って、通訳さんが私に向かって英語でしゃべりだしたりする。「おっと、聞き逃してしまいました。今なんておっしゃいました?」と私が聞き返す。通訳さんのほうも、私が勢いよくしゃべりすぎると、「すみません。今のわかりませんでした。もう一度お願いします。」と言ってくる。

そういうハードルはあってもなお、プロの通訳さんを通して行う会話には、患者さんの家族や友達を臨時通訳さんとして行う会話よりもずっとよい。患者さんや私がしゃべった内容を、通訳さんがそのまんま訳してくださっているという手ごたえがあるから。

私だけでなく、スタッフ全員が必要に応じて電話通訳サービスが当たり前のように使えるようになるまでには、まだ試行錯誤がいりそうだ。受付スタッフが電話口で患者さんとしゃべるときにも、もっと積極的にこのサービスを使ってほしいと思う。

0 件のコメント:

コメントを投稿