いわゆる嚥下障害があるわけではなく、普段の食事では難なく飲み込めるのに、薬となると飲めない、という患者さんがぽつぽつある。パンだってソーセージだって食べられる人が錠剤を飲み込めないというのは理解しがたいのだが、「私は何をどうやったって飲めません!」と宣言されてしまってはどうするか考えるほかない。
かくいう私も、かつて亜鉛の錠剤をのどに詰まらせて、ER に行ったという苦い経験があったっけ。あのときは怖い思いをした。この場合は噛み砕いてよかったのに、飲むもんだと思って失敗したのだった。とほほ。
水のかわりにとろみのついた食べ物、たとえばゼリー、ヨーグルト、アップルソース(すりおろしりんごみたいなもの)と一緒に飲み込むという方法で克服できるときはよい。(ただし食事とともに摂ってよい薬の場合ね) そんな方法ではダメダメという場合は、他の剤形がないか探すことになる。ただ、単純に散剤や液剤を選べばいいっていうほど話は簡単でないこともあるので、私は薬剤師に電話で相談することも。
飲み込みの苦手な患者さんに薬を処方する上で参考になるサイトを見つけた。
http://www.swallowingdifficulties.com/
他にお勧めのウェブサイトや本などの情報をお持ちの方、ぜひ教えてください!
2010年3月26日金曜日
2010年3月25日木曜日
ゲイ・バイセクシュアル男性のためのイベント
市内のゲイ・レズビアン・コミュニティーで、ゲイ・バイセクシュアル男性向けのイベントがあった。このイベントのテーマは健康。ヨガ体験コーナー、マッサージコーナー、ボディーペイントコーナーなどいろいろな係りの人がいて、中央の部屋にはサンドウィッチなどの簡単な食べ物が用意してあり、くつろいでおしゃべりができるようになっていた。
ここに NPのMさんが月に2回出張している。マッサージやボディーペイントコーナーのそばの一室を使って健康相談や診察をするのだ。今回は彼女が行けないため代わりに私に行ってほしいと Mさんのボスから依頼があり、いつもの仕事のあと夕方そちらに向かった。
健康相談の内容は、「血圧測ってほしい」とか、「花粉症で困っているんだけどなんかいい対策はない?」など、いろいろ。性感染症の検査や診察もできる準備はしているが、希望する人は少し。参加している人たちはとてもくつろいでいて、おしゃべりが弾み、とても楽しかった。
今回はゲイ・バイセクシュアル男性むけだったけれど、別の日に同じような内容で女性向けのイベントもある。健診&検診に行くのに抵抗を感じている(もしくは必要ないと思っている)人が、こういうイベントをきっかけに診察や検査を受けられるのはいいことだ。ただし採算的には今のところ赤字のようで、さらなる宣伝・口コミがいりそう。
ここに NPのMさんが月に2回出張している。マッサージやボディーペイントコーナーのそばの一室を使って健康相談や診察をするのだ。今回は彼女が行けないため代わりに私に行ってほしいと Mさんのボスから依頼があり、いつもの仕事のあと夕方そちらに向かった。
健康相談の内容は、「血圧測ってほしい」とか、「花粉症で困っているんだけどなんかいい対策はない?」など、いろいろ。性感染症の検査や診察もできる準備はしているが、希望する人は少し。参加している人たちはとてもくつろいでいて、おしゃべりが弾み、とても楽しかった。
今回はゲイ・バイセクシュアル男性むけだったけれど、別の日に同じような内容で女性向けのイベントもある。健診&検診に行くのに抵抗を感じている(もしくは必要ないと思っている)人が、こういうイベントをきっかけに診察や検査を受けられるのはいいことだ。ただし採算的には今のところ赤字のようで、さらなる宣伝・口コミがいりそう。
2010年3月22日月曜日
歯茎移植手術のその後
2回目の歯茎自己移植手術から今日で10日目。Dr C の診察を受けた。自分の予想に反して、術後の経過はとても良好だと言われた。思わず、「ほんまですか?」と聞いてしまった。というのも、手術でうまいこと歯茎が引き上げられていたところが、術後3日目にしてかなり後退してしまい、まるで術前の歯茎とたいして変わらないように自分には見えていたのだ。
消毒はあと3週間続けるようにとのこと。がんばろう。
消毒はあと3週間続けるようにとのこと。がんばろう。
2010年3月21日日曜日
誰かがやらなければ
先日知り合ったあるNPが、自分の患者さんについて、
"Someone has to take care of these patients."
(だれかがこの患者さんたちを診なあかんのよ。)
と言った。その言葉を最近よく思い出す。
いわゆる1年に1回の診察のことを、annual exam とか、女性患者さんの場合は well-woman exam などと呼ぶ。
健康保険がないと、この手の診察は敷居が高い。診察の重要性はわかっていても、痛くも痒くもないときにわざわざ全額自費で診察を受けようという気になれないのは理解できる。
私の勤めている組織では、州政府などからの委託プログラムが各種ある。それで健康保険がない患者さんにも、年齢・収入・世帯人数などの条件が合えば、無料あるいは低額で診察を提供できる。
本来 well-woman exam に来るのは基本的に健康な人のはず。そして病歴聴取や診察の中から病気を発見したり、今後の病気の予防や健康増進のための働きかけをするわけだ。しかしながら、何年も医療機関から足が遠のいていて、口コミで我がオフィスの情報を聞きつけてやってきた患者さんの場合だと、 超 sick visit と呼びたくなるような健康状態であることも珍しくない。
とはいえ、私のできることには限りがある。というのも委託プログラムは リプロダクティブヘルスあるいは乳がん・子宮がん予防だけに主眼を置いていて、必ずしもプライマリケア領域全域を網羅するものではないからだ。また組織のプロトコルもプライマリケア領域には十分踏み込んでないし、私自身の能力も患者さんの要求にぜんぶ応えられるものではない。
最近は無保険の人を対象にしたプライマリケアの受け皿を近くに見つけ、そこを患者さんに紹介できるようになったので、だいぶ肩の荷がおりた。
診察から長年遠のいていた患者さんの多くは、健康問題以前ににいろいろな社会問題を抱えている。人によってもちろん状況や性格はさまざまだけど、とても言い方のきつい人や要求の多い人も少なくない。(人生のなかで培ってきたスタイルなんだと思うが。)それらを聞き続けると、結構こたえる。
また、英語が母語であるアメリカ人であっても、自分の病歴や今の症状を順序だててわかりやすく語れるとは限らない。例えば言葉を間違って使っていたり、激しい思い込みをしていたり、話が大げさだったりなどいろいろあるので、状況を把握するだけでも一苦労。(そういうことをボスはなかなか分かってくれぬが。)
先のNPの言った、「誰かがやらないかん。」という言葉や、"You can only do what you can do."(決して悪い意味ではなく、出来ることをやるほかないし、やるっきゃないという感じ)で気分を盛りあげる今日この頃。
"Someone has to take care of these patients."
(だれかがこの患者さんたちを診なあかんのよ。)
と言った。その言葉を最近よく思い出す。
いわゆる1年に1回の診察のことを、annual exam とか、女性患者さんの場合は well-woman exam などと呼ぶ。
健康保険がないと、この手の診察は敷居が高い。診察の重要性はわかっていても、痛くも痒くもないときにわざわざ全額自費で診察を受けようという気になれないのは理解できる。
私の勤めている組織では、州政府などからの委託プログラムが各種ある。それで健康保険がない患者さんにも、年齢・収入・世帯人数などの条件が合えば、無料あるいは低額で診察を提供できる。
本来 well-woman exam に来るのは基本的に健康な人のはず。そして病歴聴取や診察の中から病気を発見したり、今後の病気の予防や健康増進のための働きかけをするわけだ。しかしながら、何年も医療機関から足が遠のいていて、口コミで我がオフィスの情報を聞きつけてやってきた患者さんの場合だと、 超 sick visit と呼びたくなるような健康状態であることも珍しくない。
とはいえ、私のできることには限りがある。というのも委託プログラムは リプロダクティブヘルスあるいは乳がん・子宮がん予防だけに主眼を置いていて、必ずしもプライマリケア領域全域を網羅するものではないからだ。また組織のプロトコルもプライマリケア領域には十分踏み込んでないし、私自身の能力も患者さんの要求にぜんぶ応えられるものではない。
最近は無保険の人を対象にしたプライマリケアの受け皿を近くに見つけ、そこを患者さんに紹介できるようになったので、だいぶ肩の荷がおりた。
診察から長年遠のいていた患者さんの多くは、健康問題以前ににいろいろな社会問題を抱えている。人によってもちろん状況や性格はさまざまだけど、とても言い方のきつい人や要求の多い人も少なくない。(人生のなかで培ってきたスタイルなんだと思うが。)それらを聞き続けると、結構こたえる。
また、英語が母語であるアメリカ人であっても、自分の病歴や今の症状を順序だててわかりやすく語れるとは限らない。例えば言葉を間違って使っていたり、激しい思い込みをしていたり、話が大げさだったりなどいろいろあるので、状況を把握するだけでも一苦労。(そういうことをボスはなかなか分かってくれぬが。)
先のNPの言った、「誰かがやらないかん。」という言葉や、"You can only do what you can do."(決して悪い意味ではなく、出来ることをやるほかないし、やるっきゃないという感じ)で気分を盛りあげる今日この頃。
医学英語論文セミナー
医学英語論文の書き方三日間集中セミナーに参加した。メンバー10数人はみんな日本人で私以外のほぼ全員が医師。全員がピッツバーグで研究もしくは臨床をしている。
セミナーの目的は論文の原理原則を知り、自分で書いた論文を自分でedit する力を養うこと。私が参加したのは、論文というものをもう少し知るため。論文を書くどころか読むことからも離れている毎日だから。
論文を書く人が知っておくべき要点を知ると、読者としても役立つことがわかった。目の付け所がわかった(気がする)というか。
セミナーは木曜日と金曜日の夜6-8時、昨日土曜日の9時から2時半に開かれた。仕事が極めてハードだったので、仕事のあとに勉強に行ったり、土曜日も朝寝坊せずに起きるのはしんどかったが、行ってよかった。
セミナーの目的は論文の原理原則を知り、自分で書いた論文を自分でedit する力を養うこと。私が参加したのは、論文というものをもう少し知るため。論文を書くどころか読むことからも離れている毎日だから。
論文を書く人が知っておくべき要点を知ると、読者としても役立つことがわかった。目の付け所がわかった(気がする)というか。
セミナーは木曜日と金曜日の夜6-8時、昨日土曜日の9時から2時半に開かれた。仕事が極めてハードだったので、仕事のあとに勉強に行ったり、土曜日も朝寝坊せずに起きるのはしんどかったが、行ってよかった。
2010年3月15日月曜日
自転車操業
急病から回復しつつあるメディカルアシスタントが戻ってくるまで、あと1週間はなんとかオフィスマネジャーと二人三脚でやりくりするほかない。メディカルアシスタントの学生が実習に来る曜日には少し人手が増えるが、うーん、微妙なところだ。系列の別のオフィスのメディカルアシスタントがぽつぽつと助っ人に来てくれるのがありがたい。(毎日とはいかないが)
患者さんの予約をなるべくキャンセルすることなく、かといって自分たちの首を絞めすぎることなく、ほどよい時間配分・内容配分にするのが難しい。ドタキャンや無断欠席の患者さんがあるのは私たちのオフィスの常なので、それも頭に入れつつオフィスマネジャーとスケジュールを調整しているが、忙しいときに限って、患者さんの出足がなぜかすこぶるよいのよ。。
時間目いっぱい診察に使うから、検査結果の確認とか患者さんからの質問電話の対応が定時後の仕事になる。バナナ2本ぺろりと食べて、電話の鳴らなくなった静かなオフィスで一気に仕上げた。
患者さんの予約をなるべくキャンセルすることなく、かといって自分たちの首を絞めすぎることなく、ほどよい時間配分・内容配分にするのが難しい。ドタキャンや無断欠席の患者さんがあるのは私たちのオフィスの常なので、それも頭に入れつつオフィスマネジャーとスケジュールを調整しているが、忙しいときに限って、患者さんの出足がなぜかすこぶるよいのよ。。
時間目いっぱい診察に使うから、検査結果の確認とか患者さんからの質問電話の対応が定時後の仕事になる。バナナ2本ぺろりと食べて、電話の鳴らなくなった静かなオフィスで一気に仕上げた。
2010年3月13日土曜日
歯肉の自己移植 (2回目)
きのう2回目の歯肉移植を受けた。おかげさまで前回12月に手術をしたところの経過はとてもいいのだが、別の場所の歯肉の後退が激しい(というか、ない)ために遅かれ早かれ手術するほかなし、ということだったので、思い切ってやってしまったわけ。今回は傷の範囲が小さいし、麻酔も右あごだけでしたし、前と比べて痛み・不快感ともずっとまし。抜糸は22日の予定。
ナナコさんが、グリーンピースのスープ、ごまプリン、桃のゼリーを私の術前から作ってくれていた。ありがたや~。
ナナコさんが、グリーンピースのスープ、ごまプリン、桃のゼリーを私の術前から作ってくれていた。ありがたや~。
2010年3月12日金曜日
2010年3月10日水曜日
2010年3月9日火曜日
春が来るかも
先週の終わりから見事な晴天が続いている。昨日は51°F、今日はついに58°F(14℃)まで日中の気温が上がった。空も川もきれいに水色になって、まったく別世界だ。街が突如美しく見える。春が近づいていることを感じる。
道端の巨大な雪の固まり(岩山ってかんじ)もちょっとずつ縮んできたが、完全に姿を消すにはまだまだ何日もかかりそう。たぶん完全に消える前にまた雪に降られるだろう。ベランダの雪に至ってはいまだにごっそり残っている。(かなりしつこい) 鍋で大量に作ったおかずを冷ましたいときは、鍋ごとベランダの雪の上に置くとあっという間に冷える。さっさと冷蔵庫に入れたいときには便利。
春だ春だ~、と1人ぬか喜びをしているとまた雪で気分が落ち込みがちになりかねないので、喜びすぎないようにしている今日この頃。早くも今週日曜日からDaylight saving time (いわゆる夏時間)が始まる。日暮れが遅くなるのは大歓迎。
道端の巨大な雪の固まり(岩山ってかんじ)もちょっとずつ縮んできたが、完全に姿を消すにはまだまだ何日もかかりそう。たぶん完全に消える前にまた雪に降られるだろう。ベランダの雪に至ってはいまだにごっそり残っている。(かなりしつこい) 鍋で大量に作ったおかずを冷ましたいときは、鍋ごとベランダの雪の上に置くとあっという間に冷える。さっさと冷蔵庫に入れたいときには便利。
春だ春だ~、と1人ぬか喜びをしているとまた雪で気分が落ち込みがちになりかねないので、喜びすぎないようにしている今日この頃。早くも今週日曜日からDaylight saving time (いわゆる夏時間)が始まる。日暮れが遅くなるのは大歓迎。
2010年3月8日月曜日
もとのオフィスに出張
今日は1年ほど過ごした元のオフィスに出張だった。6時半に家を出て、1時間20分の運転。ラッシュとは逆方向とはいえ、なかなか遠い。
就職して3週間になる新しいNPに会えた。Family NP で family practice でかなりのキャリアがある様子。とはいえ women's health の分野では新しく学ぶことも多いようで、またカルテや書類の形式になれるだけでも一苦労だし、大変な時期だとは思う。でもいきいきしている感じだったので、よかったとおもった。
去年の同じ時期に担当させてもらった患者さんに何人か当たることができた。妊婦健診と違って妊娠していないときの年次健診は文字通り1年に1回だから(間に何かトラブルで臨時の診察が入ることもあるけど)、なかなか診察の「その後」が追いにくい。でもこのように再会できるととてもうれしい。
就職して3週間になる新しいNPに会えた。Family NP で family practice でかなりのキャリアがある様子。とはいえ women's health の分野では新しく学ぶことも多いようで、またカルテや書類の形式になれるだけでも一苦労だし、大変な時期だとは思う。でもいきいきしている感じだったので、よかったとおもった。
去年の同じ時期に担当させてもらった患者さんに何人か当たることができた。妊婦健診と違って妊娠していないときの年次健診は文字通り1年に1回だから(間に何かトラブルで臨時の診察が入ることもあるけど)、なかなか診察の「その後」が追いにくい。でもこのように再会できるととてもうれしい。
2010年3月2日火曜日
子宮頸がん予防ワクチンの公費負担を求める署名
「子宮頸がん予防ワクチン接種の公費助成推進実行委員会」が日本時間の今日3月2日に発足した。http://mainichi.jp/life/health/news/20100303k0000m040021000c.html
こちらのウェブサイトからオンラインで署名できる。紙に署名したい場合は、用紙がダウンロードできる。読者のみなさんもぜひ!
http://hpv.umin.jp/
発起人共同代表で女優の仁科亜季子さんが子宮頚がん体験者としてのメッセージを書いている。とりわけこの部分が説得力あると思った。
「中学入学のお祝いに、ブランド物のプレゼントもいいですが、お子さんの未来を思って、ぜひ予防ワクチンを。私が経験したような辛い思いをする女性が一人でも減ることを切に祈っています。」
こちらのウェブサイトからオンラインで署名できる。紙に署名したい場合は、用紙がダウンロードできる。読者のみなさんもぜひ!
http://hpv.umin.jp/
発起人共同代表で女優の仁科亜季子さんが子宮頚がん体験者としてのメッセージを書いている。とりわけこの部分が説得力あると思った。
「中学入学のお祝いに、ブランド物のプレゼントもいいですが、お子さんの未来を思って、ぜひ予防ワクチンを。私が経験したような辛い思いをする女性が一人でも減ることを切に祈っています。」
2010年3月1日月曜日
薬の事前承認
アメリカの医薬品は、食品医薬品局(Food and Drug Administration) という役所が許認可を担当している。さらにそれぞれの健康保険会社は、自分のとこの患者さんに使ってよいと認めた薬についてformulary と呼ばれるいわば薬品リストにまとめている。
したがって、FDAには認可されていても、保険会社の formulary に挙がっていない薬については保険がカバーしないため、患者さんの全額自己負担になってしまう。(もっとも保険がカバーしていたとしても、入っている保険によって自己負担分が発生することは多い。)
formulary になくても診療者が保険会社に pre-aprroval、つまり事前承認をとれば、保険が利く場合もある。
ある患者さんが、Aという経口避妊薬を使っていた。これまではformulary に入っている薬だったので患者さんの自己負担額は問題にならなかったが、最近になってAがformylary から外されてしまった。Aよりも少しホルモン量の多いBという薬なら Walmart で28日分9ドル、この地域のスーパーにある薬局でも13ドル程度で買える。しかし患者さんは飲みなれたAを出来れば続けていきたいということだったので、Pre-approval を試みた。
保険会社に電話して、自動音声の応答メニューをやっと切り抜けたと思ったら、あっちに回され、こっちに回され、最後に「今からファックスで用紙を送るからそれに必要事項を書いて提出してください。」と。その通りやってみたが、その後「認められません」との返事がきた。
というわけで私の努力と時間は水の泡となった。
今回の避妊薬AとBのように、多少の用量の違いのみであれば、高いブランドAをformulary に入れたくないとする保険会社の言い分も分かるし、患者さんの被る不利益も大してない。しかしもっとフクザツな状況のときもあって、そういうときは厄介だ。類似薬を試したけどダメでした、とかいろいろ書いて、それでも認めてくれるかどうかはやってみないと分からない。
pre-approvalという制度そのものにもまして、電話・ファックスなどの一手間(かなり面倒)がかかることで、新薬や高い薬の処方を抑制する効果は結構ありそうだ。
したがって、FDAには認可されていても、保険会社の formulary に挙がっていない薬については保険がカバーしないため、患者さんの全額自己負担になってしまう。(もっとも保険がカバーしていたとしても、入っている保険によって自己負担分が発生することは多い。)
formulary になくても診療者が保険会社に pre-aprroval、つまり事前承認をとれば、保険が利く場合もある。
ある患者さんが、Aという経口避妊薬を使っていた。これまではformulary に入っている薬だったので患者さんの自己負担額は問題にならなかったが、最近になってAがformylary から外されてしまった。Aよりも少しホルモン量の多いBという薬なら Walmart で28日分9ドル、この地域のスーパーにある薬局でも13ドル程度で買える。しかし患者さんは飲みなれたAを出来れば続けていきたいということだったので、Pre-approval を試みた。
保険会社に電話して、自動音声の応答メニューをやっと切り抜けたと思ったら、あっちに回され、こっちに回され、最後に「今からファックスで用紙を送るからそれに必要事項を書いて提出してください。」と。その通りやってみたが、その後「認められません」との返事がきた。
というわけで私の努力と時間は水の泡となった。
今回の避妊薬AとBのように、多少の用量の違いのみであれば、高いブランドAをformulary に入れたくないとする保険会社の言い分も分かるし、患者さんの被る不利益も大してない。しかしもっとフクザツな状況のときもあって、そういうときは厄介だ。類似薬を試したけどダメでした、とかいろいろ書いて、それでも認めてくれるかどうかはやってみないと分からない。
pre-approvalという制度そのものにもまして、電話・ファックスなどの一手間(かなり面倒)がかかることで、新薬や高い薬の処方を抑制する効果は結構ありそうだ。
登録:
投稿 (Atom)