2009年5月30日土曜日

初夏の森


久々に公園のウォーキングコースに歩きに行ったら、すっかり風景が変わっていました。新緑のきれいなこと、きれいなこと。バーベキューができる広場は、土曜日とあってとても賑わっていました。

夕方、友人宅で、子どもたちと思いっきり遊んだあと、おいしいソーセージをごちそうになりました。8時半を過ぎてもまだまだ明るくて、いい季節です。

2009年5月29日金曜日

クラミジア流行り


写真:見事な石楠花(←しゃくなげ。漢字は知らなかった)。ツツジもよかったけど、石楠花はさらに豪華だと思う。

今週はいつもよりも男性の患者さんが多かった。「彼女がクラミジアにかかってたっていうんで来たんやけど。」あるいは「なんだか排尿時にへんな感じがするんで。」とかいった主訴で。このようにパートナーから教えてもらったり、自覚症状があったりで受診に結びつくときはいいが、実際には自覚症状がないまま何ヶ月も、下手したら何年もクラミジアや淋菌と共存(?)している人も少なくないと思われる。スクリーニング重要。

2009年5月28日木曜日

皮膚の細菌感染

今日は家に帰ってきてから、皮膚の細菌感染の診断と治療の復習をした。でもあまり知識は増えなかった。教科書やインターネットで写真を眺めると、同じ診断名でも実際の外観(写真)はバリエーションがかなりあるように思える。impetigo(膿痂疹), cellulitis(蜂巣炎), furuncle(セツ), carbuncle(癰{よう})などいろいろな名前があるけど、結局のところ治療は大きくは変わらないので、診断名にはこだわりすぎなくていいのか。(適当すぎ?) 創部が限局した小さなものであれば局所のみに抗菌剤を使い、より広がっていれば内服薬、ほんまにひどければ点滴。最近はMRSAが日常的にあるから厄介だ。毎日皮膚の疾患を眺めては判断を下している皮膚科医はすごいと思う。尊敬する。

2009年5月27日水曜日

紙カルテ v.s. 電子カルテ

 写真:みごとな牡丹

わたしは同時に複数のことをやるのが苦手です。あれもこれもを同時にやろうとしても、難しいばかりか、それぞれの作業の質が落ちます。患者さんの話を聞きながらメモを取ることは出来ても、自分がしゃべりながら、カルテにペンを走らせることは困難。それでも結構無理してやるのですが、何を書いているんだったか、何をしゃべっているんだったか、途中で分からなくなって止まっちゃったりします。ティーナの診察が早い理由のひとつは、診察室にいるうちに、そこそこカルテの記録が終わっちゃっていることにあります。彼女はしゃべりながら書くことを全く苦にしません。そこそこアイコンタクトも取りながら。

かつて実習でお世話になったDr A は、診察中はメモだけして、自分の部屋に戻ってからディクテーション(電話に向かってしゃべって録音しておき、後でそれをタイピング専門の人が聞き取って書き起こす)をしてました。でもそのオフィスでも電子カルテが導入されたらしく、ディクテーションはなくなったと後で聞きました。慣れるのは大変よー、とのことでした。

ゆくゆくは、我がオフィスでも紙のカルテから、電子カルテに変わる予定です。患者さんとのアイコンタクト & 会話に集中しつつ、チャーティングが楽にできる方法になるといいんですけど。電子カルテになると、紙のカルテをわざわざ探さなくてよくなりますし、検査結果を確認したり、過去の記録を参照したりするのはとても楽になるだろうなと思います。

2009年5月26日火曜日

キャンプの報告

キャンプ場:何百という数のテントとキャンピングカーが並んでいました。携帯電話の電波は届かず。
M家の「タージマ・テント」(タージマハルみたいに大きいからだって。ほんまにでかい。)両親以外の6人はここで寝ました。6人の内訳は、次男Jくんと彼の婚約者、三男Mくん、四男Lくん、長女Cちゃん、それに私。

フランクリン・ルーズベルト大統領の作った図書館(今は博物館)に行きました。大恐慌(1929年)後に、ニューディール政策をはじめとした数々の政策でアメリカを立て直した大統領。夫婦そろって笑顔が印象的な2人です。妻のEleanore さんの功績については初めて知りました。彼女のことば「Courage is more exhilarating than fear and in the long run it is easier. We do not have to become heroes overnight.」という言葉がとても心に残っています。

West Point というところにあるMilitary Academy。日本で言えば防衛大学校かな。軍のエリートを育てる大学。ここの教会のオルガンを聴きに行った(NY父がオルガン好きなので)のですが、結婚式のため、コンサートはお休みでした。

消火栓も兵隊のかっこうでした。

夜、次男Jくんの指導の下、作ったパイナップル・アップサイドダウン・ケーキ。

ケーキをひっくり返して完成。

2009年5月25日月曜日

キャンプより帰宅

写真1:どこまでいってもまだまだペンシルバニア州。
写真2:車を運転しながら右手であてずっぽうで取った写真。

たいへんご無沙汰しています。
今日25日月曜日は、メモリアルデーという祝日でした。この3連休を利用して、NY州北端部に住んでいる昔のホストファミリー(かつてはミシガン州に住んでいた)がNY州南部 でキャンプをするので小芋も来ーひんか? と直前になって連絡がありました。で、せっかくなので行ってきました。「家から5時間やから、小芋のところから来ても多分5時間くらいやろ。」というNY Mom のかなり大雑把な予想は外れて、キャンプ場まで我が家から7時間はかかる距離。(実際は休憩をするからもっとかかる。)無事に往復800マイル以上を走行してきました。詳しくはまた後日報告します。

2009年5月21日木曜日

臨床的な判断


写真左:Contraceptive Technology 第19版、
写真右:Managing Contraception For Your Pocket 2007-2009。これはちっちゃいけどとても使いやすいので、仕事中は肌身離さずポケットに入れてます。

患者さんと一緒に、患者さんに最適な避妊方法を選ぶのは、簡単なようで難しい。日本よりも選択肢はずっと多いのだけど、それでも患者さんの病歴、将来の妊娠計画、現在飲んでいる薬、それから患者さん個人の好みなどよって、選択肢が限られてくることはよくある。

リスクとベネフィットをよく考えないといけない。relative risk (リスクが何倍になるか)と、absolute risk (例えば、10万人あたりのリスクが何人から何人に増えるか)を吟味して。リスク、リスクというが、妊娠するほうがよっぽどリスクということも多いから(例えば血栓症)、その辺もちゃんと考える。それらを踏まえて、どの方法を患者さんにとってまっとうな選択肢として提示できるかーーーガイドラインとかプロトコルとかあるけど、患者さんと自分双方が納得できるラインを最終的に決めるのは、結局人間対人間の話し合い。

昨日はある患者さんとのカウンセリングが適切だったかものすごく悩んだ。説明が不十分だったんじゃないかと。で、帰ってから WHO のeligibility criteria を見直したり、Dr Hathcher らがやっているウェブサイトhttp://www.managingcontraception.comのQ&A を見たりして、随分と時間を費やした。私が抱いていたのと同じ種類のジレンマを感じて、Dr Hatcher に質問した人が過去にいて、それに対してDr Hatcherが自分の見解を書いてくれていたので、とても参考になった。

世の中にはきっと超おおらか派NP(あるいは医師、PA、など)から、超慎重派NPまで、いろんなNPがいると思う。そしてそれぞれのNPが個々の患者さんごとにいろいろ考えて、そのときどきのベストアンサーを探しているとおもう。医療って100%安全とか100%完治ってことがなかなかなくて、常に患者さんとの共同作業の中で、よりベターな方法を探していくわけだけど、お互いに悔いのない選択ができるように、自分の持つべきカードを着実に増やしていかなきゃね。

2009年5月20日水曜日

経済財政諮問会議にNPの話題

昨日5月19日の経済財政諮問会議にナースプラクティショナーの話題が登場した、と在米日本人NP系仲間のメーリングリストで紹介があったので、早速見てみました。

質疑応答での与謝野大臣の発言の一部を引用します。
<ここから引用はじまり>
アメリカのいわゆるナースプラクティショナーというのは、アメリカは広いですから、ナースプラクティショナーは事実上お医者様を代替している場合があると、医師のおられないところで。日本の看護師協会が考えている看護師の業務分野の拡大というのは、そこまで考えていないと。しかしながら、看護師の資格を持った人を例えばもう一度修士課程で勉強させて、今やっていることのほかに、もう少し責任のある医療行為に参加していくと、そういうことをお考えのようでございまして、私は決して悪い考え方ではない、むしろ高度な知識を持った看護師の方にやっていただいたほうが、軽症の場合は迅速で効率的に医療行為が進むという場合もあるわけですから、これも医療の効率化、それから国民に対して提供するサービスの内容の充実にもつながると、そのように思っておりますし、また看護師協会の人たちもこの方向には非常に熱意を持っておりますので、そういう意味では大変結構な方向じゃないかと思っております。
<引用終わり>
経済財政諮問会議のウェブサイトはこちらhttp://www.keizai-shimon.go.jp/minutes/2009/0519/interview.html

日本でNPのような専門職が活躍できる日がくる、希望の光を見る思いです。

ちなみに、最初に述べたメーリングリストは3月に生まれました。Advanced practice registered nurses つまりナースプラクティショナー、助産師(Certified Nurse-midwife)、麻酔看護師(Certified Registered Nurse Anesthetist)、Clinical Nurse Specialist、それから医師助手(Physician Assistant)としてアメリカで働いている、もしくはそれを目指して勉強している日本人のグループです。2ヶ月足らずでメンバーは20人を数えるようになりました。メンバーはアメリカのあちこちに散らばっているので、まだ会ったことのない人が大半ですけど、いろいろと情報をやり取りして、とっても励まされています。ほんとに貴重な仲間です。

2009年5月18日月曜日

歩くことが話題になってしまう環境


写真: 林に咲いていた花。どなたか名前をご存知だったら教えてください。

最近、患者さんから「小芋さんが歩いていたのを、この前見ましたよー。」と言われることが増えた。歩く姿がほかの人に刺激になって、もっと歩く人が増えるんだったらいいんだけど、私個人の安全面を考えると、歩くことはたぶんあんまりよくない。小さな町で、しかもあまり周囲の人が歩いていない中で、黒髪の私が歩くとただでさえ目立つ。もちろん歩くのは明るいときだけにしているけど。公園まで車を10分弱走らせて、公園内の林を歩いたりもするが、同じ景色は飽きてしまう。YMCA のキカイの上を歩くのはもっとつまらない。で、つい近くの住宅地を週に何回かは歩く。ライラックの花を見つけたりするのが楽しいのだ。けれど、腕を振って大またでサッサッと歩く私を 家のベランダから指差して笑う人もいたりするので、腹が立つ。(笑いながら腕の振り方を真似された。)そんなこともあり、最近は歩きに行く日数より、泳ぎに行く日のほうを少し増やすようにしている。

歩いている私がわざわざコメントの対象になるなんて、悲しい世の中である。この国は、ファストフード店に限らず、銀行もドライブスルーで済ませられるし、スーパーでの買い物ですら、電動のカートに乗ってしまえば(乗ったことはないけど)歩かずに用事がすんでしまう。

かといって、みんなが車を乗り回しているのかというと、実はそうではない。クリニックに来る患者さんの中には、車を持っていない人も少なからずいる。切迫早産の兆候があって、病院にノン・ストレス・テストをしに行ってほしかったのだが、「病院には救急車で行けるけど、帰る足がない。」と言われて考えてしまうこともあった。公共交通機関が乏しい世界で、車がこういうときにないと、ほんとうにしんどい。

2009年5月17日日曜日

新築祝い

今日の午後は、最近お家を建てた友達の家に遊びに行きました。広いお庭で子どもたちと遊んで、疲れたら大人の部でおしゃべりして、今度は家の中でまた子どもたちと遊んで、合間に焼きそばや春巻きをご馳走になって、とっても和む楽しい会でした。日本人とアメリカ人のファミリーが何家族も集まったので、日本語と英語が両方飛び交ってました。子どもたちと遊びながら、日本にいる甥&姪 計10人のことを思い出しました。みんな元気かなー。12月に一時帰国したときに会って以来。日本がもっと近かったらなぁ。

今日はとてもいい天気でしたが、最高気温は13℃どまりでした。明日の朝はマイナス3℃の予報。

2009年5月16日土曜日

50歳違いの友

1月の雪の日、鍵を家の中に置いたまま外に出てしまい(自分で自分を家から閉め出してしもうた!)途方に暮れていた私を、近所のおばあさんが電話を貸して助けてくれた。以来、そのおばあさん、メリーさん(仮名)というのだが、と仲良くしている。メリーさんは まもなく81歳。いつもニコニコしていて、冗談をいっぱい飛ばす。

2,3週間前のある日曜日の午前中、「頭がガンガン痛くてかなわんのよ。一晩中ずっと痛くて、寝れたもんじゃなかったの。でも救急車を呼ぶのはどうしても嫌で、朝までがんばっちゃった。用事で出かけるときのついででいいから、ERに連れて行ってくれないかしら?」と電話が来た。血圧が高いという話は前から聞いていた。本人が救急車を呼ぶことを考えるほどの頭痛はちょっとほっとけない。で、車なら5、6分のところにあるERまで車で送っていった。3-4時間後、病院から電話が入り、迎えにいった。帰宅できる状況でよかった。血圧は相当上がっていたらしい。(あえて値は聞いてないけど。)新たな薬を追加されたと言っていた。

メリーさんは、送り迎えしてくれてありがとー、といたく感謝されて、「あんたに一回夕飯を食べさせないかん!」と言って、後日中華料理の店に連れて行ってくれた。私としては、ハードな1日のあとに、ご飯を食べながら話を聞いてくれる人がいるだけで十分幸せなので、お金を払ってもらう気はぜんぜんなかったのだけど、「老人を敬いなさい! 私が払うったら払うの。」とピシャリと言われて、ごちそうになってしまった。

今日は Aldiに買い物に行くときに声をかけたら、行く!と言うので、一緒に行ってきた。普段は、息子さんが訪ねてきたときに、スーパーに連れて行ってもらっているみたいだけど、ちょうど食料の残りが少なくなっていた様子。よいタイミングでよかった。帰りに Arby's (サンドウィッチの店)に寄ってくれないかしら? とメリーさん言われるままに寄ったら、わたしの分までサンドウィッチを買ってきてくれてしまった。

買い物はもともとあんまり好きじゃないけど、メリーさんと一緒に行くと、ちょっとしたレジャー気分だった。いい友に恵まれて感謝。ちょっと困ったときに、お互いに気安く頼める仲はとっても貴重。

2009年5月14日木曜日

NP/PA/CNM ミーティング

きょうはNP/PA/CNM (注)スタッフのミーティングがあり、約20あるオフィスから30人ほどが集まった。去年私より一足早くNPになったばかりの新人から、20年、30年を超える大ベテランまで、豊富な顔ぶれ。普段はなかなか会えないけれど、同じ目標を持ってがんばっている仲間に出会えるというだけで、私はとってもうれしかった。

プロトコルの内容の一部をみんなで再確認したり、オフィスの枠を超えてピアレビューを行うための評価表を検討したり、骨粗しょう症の予防教育を普段の診察にどう無理なく組み込むかということを学んだりした。子宮頸がん検査のフォローアップについては、議論が非常に白熱した。一般的なガイドラインを踏まえてわが組織としてプロトコルが定めてあるが、それがあっても各スタッフの見解の違いから、いろいろ意見が分かれるわけ。Contraceptive Technologyというセミナー(昨秋私も行ってきた)に最近出かけてきたスタッフが、そこで学んだことをシェアしてくれる場面もあった。contraceptive Technology の会で奨励されていることでも、わがプロトコルは結構保守的なので、即実践に移せないところがなかなかもどかしい。

今回のようなミーティングは年2回しかないようだが、もっとあってもいいくらい。
(注)
 PA = Physician Assistant, 医師助手
 CNM = Certified Nurse Midwife, 助産師

2009年5月13日水曜日

600mのはずが・・・

今まで25mプールと信じて泳いでいたプールが、実は25ヤードプールだということを今日知ってしまった。1ヤードとは、0.9144m。数ヶ月前には5分でくたびれていたのが、最近600mをあまり休まずに泳げるようになって(ただし主に平泳ぎと背泳ぎのコンビネーション)ひとりホクホクと喜んでいたのに、じつはそれは550m弱にすぎないのであった。約1割減っちゃった。日本にいるわたしの祖父は、現在84歳であるが、ほぼ毎日800m泳いでいるらしい。遠く及ばない。

昨日のストレスを引きずったか、今朝はまったく食欲がなかった。自分でもびっくり。食べることを愛してやまない私としては、これは危機的状況だ。しかし早くも昼には食欲がもどった。よかったー。まめに運動することで、からだとこころの健康もそこそこ保てていると自負してたけど、ここへきてちょっと体からSOSが出たか。助産師1年目のときは食欲減退が進んでしまい、食べてもすぐ吐いてしまうという時期がしばらく続いた。気をつけないと。

2009年5月12日火曜日

自信ないけど自信持ちになる?

最近質問をすると、ティーナ(同じオフィスで働いているNP。仮名)がとても嫌そうな顔をするので、思い切って「嫌ですか?」と聞いた。すると答えは yes だった。彼女いわく、私は同じ質問を何回もするという。そして自分で答えがわかっているのに、わざわざ聞いてくるという。もうこの時期には十分自信を持ってやっているべきだ、という。

今のクリニックにきて4ヶ月が過ぎ、自分が自信を持ってできることは少しずつ、でも確実に増えてきた。でも毎日、なにか必ず新しいことはある。そういうときにすぐに白旗をあげるのではなく、なるべく自分でアセスメントとプランを考えて、その上でティーナに確認したいという時のみに質問をしているのだが、ティーナの印象ではそうではないようだ。

「速く!」のプレッシャーと、「もっと自信もて!」のプレッシャーのなかで、ひ~ひ~言ってます。

2009年5月11日月曜日

エモリーの卒業式の日

今日は Emory University の卒業式の日だった。正式の卒業式は、実は年に1回だけなので、8月や12月に卒業した人も、翌5月の卒業式に出たかったら出てよい。 というわけで、わたしも参加してOKだったわけだが、わたしの中で卒業はもはや過去のこと(8月の「卒業式もどき」で満足したし)なので、アトランタまでは出かけなかった。もっと近かったら行ったかもしれないけどね。友達の1人がキャップ&ガウン姿のりりしい写真を送ってくれた。とてもいい表情をしていた。

卒業式のかわりに、今日のわたしの1日は・・
1.朝仕事前に600m泳いだ
2.仕事。メディカルアシスタント2人とわたしの3人だけで頑張った。あとのスタッフ3人は休み もしくは別のクリニックでの仕事。がんがん鳴りわめく電話(月曜日はいつもそう)に負けず、もくもくとカルテを書く。わたしが電話に出ても、仕事がストップしてしまうばかりか、たいして役に立たない。(予約を取るのにも、PC画面とにらめっこしてまごまごするだけ。)メディカルアシスタントが、この電話の質問に答えて!と言ってきたものに関してだけ対応する。

2009年5月8日金曜日

Woman Challenge に登録

母の日の5月10日から一週間は、アメリカのNational Women's Health Week (女性の健康週間)だ。5月11日月曜日は、National Women's Checkup Day (女性の健康診断の日)だそうだ。これは知らなかった。こちらのウェブサイトにいろいろ情報が出ている。
http://www.womenshealth.gov/whw/

5月10日から8週間にわたって、"Woman Challenge"というオンラインのプログラムがあるのを知って、早速申し込んだ。The Woman Challenge - May 10-July 4, 2009 - womenshealth.gov - Join
国は毎週合計2時間半以上の中程度の強さの運動をすることを呼びかけている。このプログラムはその実践をサポートするもの。あらかじめ1週間ごとの目標をオンラインで自分で設定しておくと、あとで日々の運動の記録を入力することができる。また運動に役立つ情報などが、メールで送られてくる予定。ウェブサイト上で、トップ10の個人およびグループのスコアも見られる。私はkoimoとして登録した。今現在アメリカ国内で2万2千人ほどが登録しているもよう。アメリカ国外からの参加者も続々現れている。日本からの参加は今のところ1人。読者のみなさまもいかが? 男性も参加OK。

ちなみに日本での女性の健康週間は3月1日から8日まで。
厚生労働省のサイトhttp://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/woman.html
日本産婦人科学会のサイトhttp://www.jsog.or.jp/public/health_week/whw_top.html

10代、BMI 47

10代ですでにBMI(注)が47の患者さん。 父母両方に高血圧と糖尿病の既往があり、うちお父さんは血栓が飛んで50歳以前に亡くなられたと。患者さん本人は、まだ血糖値がどうこう言われたことはないらしい。血液検査を最近受けた覚えもないと言う。患者さんはタバコを1日2箱吸っている。私の頭の中では、心血管リスクファクターのリストがどんどん長くなっていく。メタボリック症候群のピクチャーもできあがっていく。

家族医がいるということだが、患者さんの話を聞く限りでは、現在とりたてて何もなされていない印象。今回はピルの処方を希望されて来られていた。ピルを始めるにあたって、通常血液検査は特に必要ないが、上記の状況から、コレステロール値と糖負荷試験をオーダーした。

タバコに関しては、35歳以上のスモーカーでなければ、ピル使用の禁忌ではないのだけど、何せ他のリスクファクターが著しいので、いつもにも増して禁煙について強調した。

患者さんはいたってのほほ~んとした方で、私が頭の中でリスクファクターのリストを書き出して危機感をびりびり感じているのとは対照的だった。決して怖がらせたり脅したりしたいわけじゃないんだけど、ここでしっかり手をうっておかないと、将来が心配だ。BMI 47から始まる妊娠は避けたいし。一生ものの lifestyle modification (生活習慣の改善)が必須。彼女も生まれたときからBMI 47だったわけじゃないだろう。今まで彼女が出会った小児科医や家庭医も、彼女の体重の変化に何もコメントをしなかったことはないと思う。(そう信じたい。)コメントがあったにしろなかったにしろ、結果として今この状況がある。

国民の3分の2が 肥満か overweight のこの国で、BMIが40台、50台の患者さんに出会うことは珍しいことではない。は~、とため息をつきたい気分になることもあるけど、やれるところから頑張らんとね。

(注)
BMI(Body Mass Index)とは体重(kg)を身長(m)の二乗で割った値で、体重を評価するひとつの指標。18.5<BMI<25が標準体重、25≦BMI<30が overweight、30以上が肥満、ということになっている。

2009年5月7日木曜日

職員全員のミーティング

今日は会社の全職員を対象としたミーティングがあった。家から2時間離れた小さな町の会場に、300人くらいが集まった。内容としては、CEOの挨拶、今後3年間の計画、Process Improvement Program という改善策の話、5・10・15・20・25・30年勤務した人たちの表彰、この半年で大きな成果を上げた人・チームの表彰など。全職員が州各地から集まってまでして行う意義があるかどうかはよう分からんが、初めての私には十分面白かった。普段は小さなオフィスで6人で仕事を仕事をしているので、今日は会社の全体像や医療以外のプログラムの存在について意識するのによい機会となった。

2009年5月6日水曜日

エネルギー吸い取られる

午後の妊婦検診で、エネルギーをすっかり吸いとられた。多弁な患者さんは苦手である。methadone 使用のせいでそうなっているのかどうか分からないが、とにかくしゃべりまくられるのだ。こういう状態のときに、「傾聴」の態度は無効である。火に油を注ぐことになってしまう。話をさえぎってでも、ペースを握らないとダメである。悲しいけど。ほんとはどうしてそんなに多弁なのかもアセスメントしないといけないと思いつつ。。

妊娠にともなう各種不快症状を理由に、職業訓練を免除してもらうための診断書を書いてくれ、と専用の診断書用紙を持ってくる患者さんが少なくない。福祉の援助を受けるのと引き換えに、毎日4時間ほど職業訓練を受けないといけないらしいのだが、患者さんたちはさまざまな理由で免除を懇願する。はいはい、と患者さんの言うことを聞くのは簡単だけど、医学的理由がなければ、employable (働けます)の欄に印をつける。
但し書きとして
・患者さんがトイレにはいつでも何回でも行けるようにしてください。
・有害な化学物質などに暴露しないようにしてください。
・35ポンド以上の物を持ち上げさせないでください。
と書き添える。患者さんには意地悪な人と思われているかもしれない。本当は不快症状を和らげるいろいろなセルフケアについてじっくりカウンセリングしたいけど、ゆっくり話し合える時間がない。可能なセルフケアについてパパッと列挙して話すくらいしか出来ない。残念。

限られた時間だと、「異常なし」を確認するだけで精一杯で、ヘルスプロモーション的かかわりが出来ない。時間通りに全員の診察を終えよ、というきついプレッシャーがかかっている中で、ふと気づくとトイレに行くのも水を飲むのも忘れてしまっている。というわけで、妊婦健診の嵐は、わたしの心身にとても悪い。患者さんにとっても自分にとっても、もう少し優しい妊婦健診が必要だと思うけど、具体策は今ちょっと思いつかない。困った。

2009年5月5日火曜日

結婚記念日~

 写真:子どもの日記念イベントで先日作ったこいのぼり。
 早いもので、とまとまん と結婚してから、今日5月5日で3年がたった。2007年8月にエモリー大学の修士課程に入るためアメリカに来たものだから、実際一緒に住んでいたのは3年のうちの半分にも満たない。いま離れて暮らしている分、たっぷり長生きしようや、とよく言っている。命の長さは自分たちじゃ決められないけど、元気に長生きするために自分たちができることはちゃんとやっておきたいと思う。しっかりご飯食べて、働いて、運動して、寝て、いっぱい笑って、なるべくストレスは少なくして。スカイプのおかげで、ほぼ12-13時間ごとにお互いの顔を見て話せることはさいわいだ。でもやっぱり一緒に住むことにはどうしたってかなわない。各々の目標と、ふたり共通の目標がうまく折り合いをつけて生活していけるように、今しばらくは辛抱、辛抱。

おまけ:離れて生活することで向上した能力
その1 
声と表情から、相手の状況を読み取る能力。
その2
言葉で説明する能力。
その3
言葉(話し言葉でも書いてある文章でも)から、その裏の気持ちを察する能力。

とまとまんは何でもお見通しだ。ほんまに鋭い。

2009年5月3日日曜日

フリーサイクルで自転車

フリーサイクルというメーリングリストがある。自分に不要なものを、無料で誰かにあげたいとき、また反対にタダで誰かに何かをもらいたいとき、メーリングリストに投稿するのだ。すると、登録している人たちにメールが流れる。子供服、家具、テレビ、はたまた子犬や子猫まで、いろんな情報が行きかっている。メーリングリストは地域ごとにある。私が入っているのは、ここの郡エリアのもの。今までは単にメールでくるお知らせを眺めているだけだったが、昨日自転車をあげますというメールがあったので、まぁダメで元々と思いつつ返信した。そしたらどうも、私が最初に返事を送った者だったようで、あっけなく自転車をもらうことに。幸いその人は歩いてでも行けるところに住んでいたので、今朝行ってもらってきた。フレームとタイヤはしっかりしているが、ブレーキは前後輪ともしっかり調整が必要な見込み。

天使また現る


写真: ハナミズキ(英語ではdogwood)がきれいに咲いています。

てくてくと住宅地の坂道を歩いていると、ある家の庭から「コイモ!」と声がかかった。近づいていくと、「わたしだよ。覚えてる?エミー(仮名)だよ!」と言って、ハグしてくれた。先日につづいて、患者さんにチャージしてもらった。

今週末は、NP用の職場のプロトコルを読み直していた。今まで見逃していたことに気づく反面、十分に書かれていない内容も意外と多いなー、と思った。特に婦人科、プライマリケアの分野においては、つっこんで書いていない項目が結構ある。薬の使い方に関して、ちょっとこれは古いのではないかい、と思わせる記述もある。もう少しパワーがついてきたら、よりまっとうなプロトコルになるように、意見していきたい。今はまだちょっと無理ー。

2009年5月2日土曜日

子どもの日イベント


Maridon Museum という私立美術館で、日本の子どもの日にちなんだイベントがあった。紙芝居(桃太郎)を見たり、紙でこいのぼりをつくったり、とても楽しい1時間だった。日本人の人も何家族か参加していた。交流できてよかった。行きも帰りも道を間違えて、だいぶ遠回りしてしまった。間違えたと気づいてから、そこから修正できたのでよかったけど。