2009年4月30日木曜日

天使の一声

処方箋なしで買える大衆薬の名前を覚える、というか、せいぜいそれらに親しむため(ついでに値段がいくらくらいなのかも把握)、仕事の帰りに薬局をうろうろしていた。すると向こうからトコトコと見覚えのある人が歩いてきて、
「この前はサンキュ~。初めてのパップスメア(子宮がん検診)なもんで、怖かったけど、あんたのおかげで思っていたより悪くなかったよ~。」と言うのだった。天使の一声のようだった。

オフィスマネジャーから、1日に診察する患者さんの人数のことでかなりプレッシャーをかけられていて、何かと落ち込みがちな日々なのだけど、救いの一声をもらった。

2009年4月28日火曜日

豚インフルエンザに関するメール

在ニューヨーク日本総領事館から、豚インフルエンザへの注意を呼びかけるメールが、このところ頻繁に来ている。今日で4回目。現況を簡潔に説明して、留意点について触れてある。大使を本部長とする対策本部も設置されたそうだ。専用の電話番号まである。アメリカに3ヶ月以上滞在する場合は、在留届という届けを領事館に出すことになっているのだが、その際自分のメールアドレスを申告していた人たちに、今回のお知らせが回ったようだ。今までは在留届を出したことすら忘れそうだったが、このような形で連絡があると、出しておいてよかったと思う。

アメリカのCDC(Centers for Disease Control and Prevention)によるブタインフルエンザの項
http://www.cdc.gov/swineflu/
一般の人と専門家向けの情報満載。アメリカ国内の州別感染者数など、刻々とアップデートされているもよう。

日本の国立感染症研究所 感染症情報センターによるブタインフルエンザの項:日本語です
http://idsc.nih.go.jp/disease/swine_influenza/index.html

2009年4月27日月曜日

暑さ対策

写真:ツツジ。紫色っぽい。
寒い寒いといっていた日々がまるでうそのように、先週金曜日から連日30℃前後の暑さです。昨日はあまりに寝苦しくて、エアコンをつけてしまいました。寒さへの抵抗力を身に着けている間に、わたしの体は暑さへの対処を忘れてしまったのでしょうか。あたたかくなったら、YMCAの会員をやめて、もっぱら外で運動してもいいかも、と思っていましたが、照りつける太陽を前に日焼け止めを塗って運動するのも結構骨が折れる(?)。というわけで、Yの屋内プールに今度は世話になってます。

仕事場は適度に空調が聞いているので、暑いと思うことはないのですが、それでも手の平が微妙に汗ばんでいるようです。いつも使っているSサイズの手袋にスポッと手が入っていきません。指先まで入りきっていない手袋ほど、気分の悪いものはありません。かといって無理に入れると破れてしまう。。Mサイズを今後は使います。Mサイズだとぴったり感には欠けるものの、楽にはめられるので。

今日月曜日、患者さんいっぱい、電話もじゃんじゃん鳴って、忙しい1日でした。検査結果のフォローアップ、未完成のカルテなど、やり終わらなかったところから、明日また頑張ります。

2009年4月25日土曜日

Zelienople と Volant を訪ねる


ひさびさにブログを更新します。
土曜日は、H家の Nおばあちゃんと、日帰りの旅行をしました。Zelienople と Volant という町に出かけました。どちらも古い町並みを大事にした、趣のある町です。こじんまりとしているので、無理なくまわれます。(わたしの住んでいるあたりにも古い建物は結構あるのですが、中心部には あまりにぎわいがなく、郊外の新しく開発された地区のほうが発展しています。アメリカの町によくある現象です。)ひとり暮らしをしていると、なかなか遠出をする気合がでませんが、今回はNおばあちゃんのおかげで新しい体験ができてよかったです。またどこかに一緒に行こうね、と話しています。
日曜日は、先日インプラノンのトレーニングで知り合った医師夫妻の家に招かれました。ご夫妻が30数年前にこの町に来たときには、誰も知り合いがいなかったそうです。しかし社交的かつ積極的なこのお2人、今では町中の人を知っているんじゃないかと思わせるほど、たくさんの友人を持っておられます。先輩や同僚の医師に鍛えられつつ、研鑽を積まれてきた道の一端を聞くことができて、とても勉強になります。町のほかの医師との協力体制の話など、自分の職場の中だけにいたら知りようのない話も聞けて、とても貴重な時間でした。日本時間の月曜朝7時にスカイプで電話をかけて、とまとまんを起こすはずが、医師夫妻の話に切れ間を見出せず、やっとこさ6時10分(日本時間の月曜朝7:10)くらいになんとか話を切り上げて(かなり無理やり)、家に急いで帰りました。とまとまんは自力ですでに目覚めていたので 助かりました。また日を改めて、医師夫妻の話をゆっくり聞きに行きたいと思います。

2009年4月24日金曜日

暑!


白い桜の木が多い。
朝は5℃だったのに、午後には29℃まで上がった。あたたかいを越して暑い!! 日焼け止めローションをつけてから走りに行ったけど、日焼けしてしまった気がする。じりじり照りつける太陽、恐るべし。

2009年4月23日木曜日

続・枝垂桜

4月5日の記事に載せた枝垂桜は、しだれてはいるものの、まるでマッシュルームみたいに枝を整えられていた。今度はしなやかにしだれる別の桜の木を見つけたので、ご紹介。

今日はティーナが系列の別のオフィスに出張だったので、NPとしては私ひとりだった。こういう状況はもう3回目くらい(別のオフィスに自分が出張したときを入れるともっと)だと思うが、毎回ぐったりと疲れる。普段いかにティーナに頼っているかが分かる。当日のドタキャンや無断欠席(?)の患者さんが多いという理由で、かなり多めに予約を取っている。なのでドタキャン・無断欠席があんまりないと、ほんまのほんまに忙しくなってしまう。なるべく患者さんの待ち時間を少なくするために、カルテの記入は会計の人に必須の情報を優先して書いて、残りのところはメモ程度におさえた。で、患者さんの波が引いたところで、ゆっくり書き足すつもりだったが、そういう暇は結局おとずれなかった。明日の朝はカルテの山を平らげることから始まる。

和太鼓のコンサート


昨日の夜、Slippery Rock University で開かれた和太鼓のコンサートに行った。塩原良さんと加藤拓三さんという2人の奏者が、非常に力強くてかっこいいパフォーマンスを見せてくれた。世界あちこちで演奏しているそうだ。太鼓と一口にいっても、いろいろな形とたたき方があって、目にも耳にも面白いコンサートだった。また2人は笛や歌にも長けていた。会場は通路や後ろの隙間も含めて満杯で、ステージの袖に座っている人までいた。太鼓の音は全身に響いた。元気をもらった。特別参加でBethany College の女性3人グループも2曲披露してくれた。全身で本当に楽しそうに太鼓をたたいている姿が強く印象に残っている。

Slippery Rock は思ったよりも遠かった。行きはまだ明るかったのでよかったけど、帰りはほんまに真っ暗だった。車のライトをハイビームにしてずっと運転してた。対向車が来たときだけ普通の向きに直した。でも対向車のほうはハイビームのままのことが多いので、すごくまぶしかった。後ろの車もハイビームですぐ後ろに接近するのでいややなぁ、と思った。

2009年4月21日火曜日

女性医師のキャリア

2006年にオーストラリアとカナダに女性医療の勉強にそれぞれ1週間くらいずつ行きました。10人前後のグループでした。そのときの仲間の1人、吉田穂波さんが、日経メディカル・オンライン上でブログを始められました。

日経メディカル ブログ:吉田穂波の「子育てしながらハーバード留学!」
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/blog/yoshida/200904/510288.html

穂波さんののすごいところは、仕事・勉強と同時進行で、3人のお子さんを産んで育てていることです。「仕事のストレスは家で発散して、家のストレスは仕事で発散するからできるのよ~。」と以前聞いたのがとても印象に残っています。私にとって、出産・育児は仕事(助産師、NP)としてかかわることはあっても、実体験としては未開の地。遠くない将来にチャレンジしたいとは思っていますけど。さて、第1回目のブログでは女性医師のキャリアについて書かれています。クラスでプレゼンテーションしたときの話がとても面白いです。

2009年4月19日日曜日

リハビリの週末


  今週末はよく寝て、よくしゃべった。不思議なくらいよく眠れた。あ、あと料理も結構作った。1人暮らしは、ともすると生活が乱れがち――特にとまとまんと会った後は食事がいい加減になりがちなんだが、今回はがんばっている。
  エモリーのオーケストラとコーラスによる、ブラームスのレクイエムは盛況だったようだ。1月後半からたった10数回の練習で、ピカイチのレベルまで持っていったDr Nelson と団員たちはほんとにすごい。初回の練習のころから、友達にまめに様子を教えてもらっていたのだが、クリスマスのときよりもさらに白熱した練習が毎度行われていたようだ。友達の話とプログラムとで、今週末はあたかも聞きに行ったほどに興奮した。生きているうちに、自分もいつか歌ってみたいと思う。長生きしたい理由がひとつ増えた。
プログラム:http://arts.emory.edu/eventimages/4_17_09%20REQUIEM%20ESO_Uchorus.pdf

  写真は、今日歩いた道沿いで見つけたスミレ。春だ~~と思っているが、まだ雪が降る可能性があるらしい。

2009年4月18日土曜日

2009年4月17日金曜日

「もっと速く!」

オフィスマネジャーに、「時間がかかりすぎ。もっと速く。患者さんを待たせられない。」と厳しくかつ簡潔に言われた。必要なことを漏れずにやって、かつ速くやるというのは、難しい。てきとーにはできないから。地域的にハイリスクの患者さんがとても多いので、診察は決して単純流れ作業的にはいかない。とはいえ、オフィスマネジャーの期待の速さで診察できていないのは、やはり事実。来週は就職後3ヶ月の評価がある。たぶん、厳しいことを言われるのはまちがいない。働いている以上、コストのことも考えんといかんし、聞くべきことはちゃんと聞いて、がんばらんとね。ただ、最大に速くがんばっているのに、「遅い!」といわれるのは正直しんどい。ふんばりどころだ。

今晩と明日の夜は、エモリーのUniversity Chorus がブラームスのレクイエムを歌っている。近かったら絶対いくところだけど、車で13時間離れていると、簡単には行けず。お近くの方、ぜひ私の分も聞いてきてくださいな。

2009年4月16日木曜日

Susan Boyle さん

きょう立て続けに、アメリカ国内とカナダにいる友人から、イギリスで行われたショーに出たSusan Boyle さんという女性の紹介がメールであった。
http://www.youtube.com/watch?v=9lp0IWv8QZY
彼女の歌に鳥肌がたった。歌を聴く前後で、審査員とお客の態度がまるっきし違うのも印象的。そう言う私も、きょうの研修で なるたけ non-judgmental にならないようにするということを学んでいながら、やっぱり彼女を初めて見たときは、正直言って judgmental になってました。
画面右側の水色の囲みの中にある (more info) という表示をクリックすると、歌詞の全文が見られます。

4/17/09 追記: Susanさんの歌声とともに(またはそれ以上に)、彼女の堂々とした姿が、わたしの心にぐっと来ます。

妊娠反応検査 & カウンセリング

今日は1日かけて、妊娠反応検査にともなうカウンセリングについて研修を受けてきた。参加者は、ペンシルバニア西部各地のNP、メディカルアシスタントら30人くらい。自分がいろんなバイアスを持っているという事実を認めたうえで、患者さんが患者さんにとって一番よい選択をできるようにいかにサポートするかということについて、いろいろな作業を通してまなんだ。ここでいう選択とは、簡単に言うと 1. 出産して親になる、2. 出産したあと養子に出す、 3.人工妊娠中絶  ということであるが、患者さんが自分の気持ち・考え・バックグラウンド(文化・宗教・家族etc) に即した答えを見つける過程は、簡単とは限らない。

今日とても新鮮だったことをいくつか:
・言葉の選び方大事。しかし言葉が正しくてもなお、誤解は招きうる
・早口でしゃべるようなひとであっても、書かれた文章が理解できるとは限らない。わざと紙を逆さまに渡して、反応をみるだけでもひとつ検討をつけるきっかけになる。
・学習スタイル(目で見て理解するタイプの人、聞いて理解するのが得意な人、実際に手を動かして初めて理解する人)への配慮を
・考えるよりも先にしゃべる人 v.s.  じっくり考えてからぽつりとしゃべる人
・人工妊娠中絶についての法律が州によって違うのは知っていたけど、adoption (養子)に関する法律も、州によって全然ちがう

closed question (YesかNoで答えられる質問)をopen-ended question (Yes/No では答えられない形の質問)に言い換える練習をたくさんした。What、Howをいっぱい使う。後はTell me ~~型も。
例) Did you know what the pregnancy test would be?
(妊娠検査の結果がどう出るか、予想はしていましたか?)
   →What were your expectations with the pregnancy test?
   (妊娠反応検査をするにあたって、どういう予想をしていましたか?)

最後のロールプレイもとても勉強になった。自分がNP役をやるのも、患者さん役をするのも、それから他の人がやっているのを見るのも。

夜は、隣町の友達宅で2人の友達が作ってくれた夕飯をご馳走になった。カレー、サラダ、ドリア、果物、チョコレートケーキまで。充電完了。ありがたや。

2009年4月14日火曜日

飛行機 大幅に遅れる


今日は飛行機が遅れて、シャーロットでの乗り継ぎ便に乗り遅れてしまいました。代替便として、一時はシャーロットからニューヨークに飛んで、そこからピッツバーグに行くようなチケットを渡されたのですが、また状況が変わったらしく、結局シャーロットからピッツバーグへのチケットにまた換えられました。その便も遅れて、1日のほとんどを空港で過ごす羽目になりました。天候不順だったので、遅れてでも安全に飛行機が飛んだことに感謝しないといけないのですがねぇ。預け荷物は今日手に入らなくてももともと、と過去の経験からおもいましたが、案外荷物はちゃんと出てきました。空港からバス2つを乗り継いで帰宅するつもりが、そのバスに乗れなかったので、別のバスで行けるところまで行って、そこから最後はタクシーで帰りました。次回飛行機で旅をするときは、空港近くの民間パーキングというものを使ってみようとおもいます。(空港の駐車場よりはまだ安いみたい。)本来は、なるべく公共交通機関を使いたいのが私の性分ですが、ピッツバーグ市内に住んでいるのならまだしも、大分離れたところにすんでいる手前、便数の少ない公共交通機関に頼ったらいかん、と今日は学習しました。MARTA(アトランタにある電車とバスのシステム)のように、空港を含めた広い地域をカバーするシステムがあったらいいんですけど、残念ながらないんですよね。

とまとまんは、学会のためホテルにまだ残っています。今朝私は、ホテルから空港内にあるレンタカー返却場所まで運転している間、ずっと泣き通しでした。その後は空港カウンターで交渉したり、待合室でバスの時刻表やタクシー会社を自分のラップトップで検索したり、タクシーの中では運転手さんとずっと話をしたりするなど、いろいろとやることがあったので、気がまぎれました。タクシーの運転手さんは、刑務所の囚人のために働く牧師だったそうです。その前は銀行で働いていたそうです。いい話がいろいろと聞けました。

明日から仕事です。気分切り替えていきます。

2009年4月13日月曜日

とまとまん の学会発表

とまとまんの今回の出張のハイライト、学会発表が今朝あった。大成功だった! 質問が4つも来た。とまとまんは ばっちし答えていた。すばらしい。エンジニアの英語はNPの私にはさっぱりわからん。。。なんとかヴァリューがどぉたらこぉたら、とか。パワーポイントには、数式や図形がいっぱい。数学と物理でご飯を食べている人が世の中にこんなにおったんかー、と思った。私はあしたペンシルバニアに戻る。

2009年4月9日木曜日

3か月半ぶりに とまとまんに会う


とつぜんですが、今日はジョージア州サヴァンナに来ています。とまとまん こと、私の夫が出張で来米しているためです。12月25日以来、3か月半ぶりにとまとまんに会えて、むちゃくちゃうれしいです。今日と来週の月・火の3日間のお休みをもらっています。(明日金曜日はGood Fridayでもともと休み。)オフィスマネジャーに感謝感謝。  サヴァンナの今日の最高気温は26℃。久々に鮮やかな緑色の木々を見られるだけでも、私にとっては新鮮です。しばし休養です。

2009年4月8日水曜日

新入社員オリエンテーション その2

1月5日に受けたオリエンテーションのつづきが、今日ピッツバーグの本部オフィスであった。今回は全部で11人(州各地から来ている) + ファシリテーター。愉快な人が多くて、とても楽しい1日になった。今日のテーマは、
1.カスタマーサービス
2.コミュニケーション
3.多様性(diversity)   だった。

どのテーマもよかったけれど、一番印象に残ったのは、多様性のところ。
人種や性別など目に明らかな違いだけじゃなくて、宗教、出身国、政治的信条、性的志向、年齢、婚姻関係(未婚、既婚、離婚、未亡人etc) 、技能職か一般職か、細かいやり方が好みかそれともおおざっぱなのが好みか、障がいの有無(見た目に分かりやすい障がいもあれば、一目では分からない障がいもある)、などなど、「違い」をもたらす項目には事欠かない。そしてその「違い」が差別やトラブルを生み出すこともある。誰しもバイアスがあるし、ともするとステレオタイプの落とし穴にはまりがち。だけど、多様であることに価値がある(逆にいうと、みんなおんなじだったらつまらんということ)。多様性とは相手を尊重すること。人間、違いを言い出したらきりがないけど、共通点を見出そうとしたら、結構あるもんよーーー大事にしている価値観、過去の経験、好きなこと、ストレスに感じていること、etc. 共通に持っているものを基盤にしていったらええんちゃうん? 
・・・・というようなことを、いろんな作業をしながらみんなで確認していった次第。

ピッツバーグでは、コブシや木蓮がもうきれいに咲いていた。こういう日に限って、カメラを持っていなくて残念なことをした。今日は自分の車でではなくて、高速バスで行った。渋滞なんか気にせず、1時間以上ぐっすり眠れて幸せだった。片道の運賃は3ドル。申し訳ないくらい安い。帰りの便は満席だった。ちなみに帰りもまたぐっすり寝た。

2009年4月7日火曜日

あめ玉(?)としてのピル

経口避妊薬、俗にいうピルですが、患者さんが始めて使うときは、まず3ヶ月(月経周期×3)試してもらってます。飲み始めは、妊娠したときと似たような症状ーー軽い副作用ーー(軽い吐き気、乳房の張り・痛み)や不正出血がよく起こりますが、2ヶ月、3ヶ月と使い続けると、落ち着くべき副作用はもう落ち着いてきます。なのでその時期まではまず試さないと、患者さんが気に入るかどうかはなかなか分からないからです。3パック目がなくならないうちにクリニックに再度来てもらいます。血圧を確認し、患者さん自身がピルを気に入っていて、特に問題がないようであれば、ピルを追加処方します。1年以上ピルを使っている患者さんの場合は、1年に1回の健診の際に6パック、半年後の再診時に7パックを処方するのが、クリニックのプロトコルです。全13パックを使い切るころは、ちょうどまた年1回の健診の時期がきます。(1パックは28日分なので、13パックでちょうど1年分。) 「健診なんて別にどーでもいーけど、ピルを続けたいから仕方なく健診に来たよ。」というタイプの患者さんも少なからずいます。健診の予約をとるのが遅れて、受診日よりも先にピルがなくなってしまう、と患者さんから電話が入った場合には、1パックだけピルを追加処方します。(たいていは薬局に直接電話。)こういうときのピルは、完全に「あめ玉」って感じだな、と思います。ちなみに、ピルだけではなく、Nuvaring (膣に挿入するリング)とか、Depo Provera(注射タイプの避妊薬)を使用中の場合も、同様に1年に一度の健診を受けてもらうのが、クリニックのポリシーです。1年以上健診をすることなしに、避妊薬だけちょーだい、というのはダメなんです。(ほかの医療機関で健診を受けている場合には、そのコピーをもらって健診済みということにできます。)

避妊薬を新規に使い始めるときは、必ずしも全身の健診は不要です。ピルの処方でも、問診と血圧測定だけで本当は十分です。けれど子宮頸がんの検査、体重測定、乳房の触診をはじめとして、やっぱり1年に一度の健診は女性にとってすごく大事なので、「あめ玉」を使ってでも、来てもらうだけの価値があります。日本では、職場や学校での健康診断(男性とおんなじ項目)、また20歳以上になったら子宮がん検診としての婦人科受診はあっても、まだまだ女性としての「普段」のまるごとの健診の場、というのはまだ一般的でないのではないでしょうか。避妊薬を使うにしろ使わないにしろ、妊娠してないときの全身の健診が、もっと日本でも当たり前になるといいと思います。そのために、健診に健康保険が使えるようになってほしい。ちなみに、健診は健康状態をチェックするだけではなくて、病歴・健康歴を確認し、話を聞きながらもその間に健康教育を織りまぜて、診察を機会に患者さんがより元気に生活できるように応援する、ものすごく活動的な時間です。

水仙が開き、桜も開いてきたと思ったら、またも雪です。しかも激しく。1日中降ってました。でも気温があまり下がらないから、降ったほどには積もらず、せいぜい1-2cmですが。

2009年4月6日月曜日

なくなった本のその後

アトランタから引越しのときに送った本(主に教科書)2箱のうち1箱が紛失された。いままで待っても出てこないので、保険500ドル分(実損はたぶん1000ドル以上。送るんでなかった。)だけでも返してもらおうと、郵便局に行った。けれど、また新たな書類を書かされて、今日は500ドルをもらえなかった。しかもこれだけの手続きにものすごく待たされた。郵便局の職員が、「まったく郵便局は困ったもんだよね~~。僕はもう60過ぎたから、いつやめてもいいんだけどさ。」みたいなことをぼやくのにつきあわされる始末。前に一度問い合わせに来たときもさんざんだったが、今日もまたさんざんだった。500ドルのチェックを早く送ってほしい。でもやっぱり、今からでもいいから、元の本が出てこないかなぁ、と思ってしまう。ヘルスアセスメントの教科書、Varney's Midwifery など、今思っても涙出ちゃうよ。

今日はどんより空。雨から雪に変わっちゃった。冷え込んでる。

2009年4月5日日曜日

枝垂桜 咲く

しだれ桜が咲いてきました。今日は朝は寒かったの(-2℃)ですが、午後には16℃まで気温が上がりました。あたたかくなってきたので、YMCAに行って室内で運動するより、外を歩いたり走ったりするほうがいいなぁ、と思う日も多くなりました。けれど、雨の日も結構多く、寒いときはまだ寒いので、そういうときはYの会員でよかったと思います。月会費38ドルなので、それをむだにしないように、そこそこ通わないとね。

ここ1週間は、比較的まじめに運動してます。火ーYのエアロビサイズというクラス、木ー水泳20分(久々に泳いだら5分で早くも疲れたけど、粘った。)、金ーYの歩く機械(日本語の表示ができる機械を見つけて感動した。km表示もできる。)、土ー林を2マイル歩く、日ージョギング30分(最近Yは日曜日お休み)といった具合。月曜日は出張、水曜日はインプラノンのトレーニングがあったので、運動は休んじゃいました。

このところ、日曜日は続けて近所の教会に行っています。かなり高齢と思われる引退牧師が、この教会の暫定牧師(正規の牧師が見つかるまで)をしているのですが、この方、話もいいけど、歌もうまい。説教の最後を歌で締めくくることが多いです。パワフルな牧師です。ピッツバーグの日本人教会に行ってみようかな、と思いながら、こっちの教会のほうが断然近い(徒歩5分)し、車を運転する必要もないので、ついつい近いほうに行っている私。地元の人と知り合えるのもよいです。

午後は、近所のおばあさんの家に遊びに行った後、Mさんの家に行ってお茶とお菓子をいただいてきました。おしゃべりしてとてもくつろぐことができました。また明日からがんばるぞ~

2009年4月3日金曜日

正常と異常をみわけた後

助産師としての経験から、患者さんの経過が異常に移行せずベストな道をたどるように、予防に力を入れるという役目には慣れている。また正常と異常を見分けて、異常なら医師に報告するという役割にも慣れている。しかしNPとしては、それでは不十分。異常ならそれはなんなのか、それを探るために何が必要なのか、原因がわかったらそれにどう対応するのか、そういったことをもっと考えないといけない。(助産師のときこれらを考えていなかったという意味ではない。念のため。)異常の程度も見極めないといけない。仮にエマージェンシーな状況だとして、それはどのくらいエマージェンシーなのか、とか。どこまで自分で対応できて、どこからはより適切な人につなぐべきか、というライン引きも必要。

たとえば血圧の上昇、尿蛋白などの所見から、「これは妊娠高血圧症候群の可能性が高いぞ。」とおもったとする。ほかの随伴症状の有無について確認する。ここまではとてもスムーズ。だがそこから先のプランニングで私はすごくぎこちない。24時間尿や血液検査の結果を見るのはしょっちゅうやっていたことがあるのに、それらをオーダーする側となると、とてもたどたどしい。

別の例としては妊娠中の頭痛。軽い頭痛ならセルフケアの方法を話し合うことで対応できる。けれど強い頭痛だったりすると、悩ましくなる。吐き気・嘔吐、目の症状、四肢の感覚異常など、症状が華やか(?)であれば迷わず「病院に行ってください」、と言える。そこまでの状態ではないけど、かといって大丈夫ですよとも安易にいいがたい状態のとき、迷う。病院に送るべき? それとも内科主治医の受診をすすめるべき? 今? それとも別のタイミングで? 画像診断は必要? 私がオーダーすべき? いや、私がオーダーしたところで、その結果を解釈できないだろうから、わたしはするべきじゃないだろう。ーーといった具合にぐるぐると考える。自分の中での結論が出てくるまでにとても時間がかかる。

エモリーの先生の1人が、一看護師という立場から、NPという一healthcare provider (医療提供者)になるのには、心構えのあり方が大きく変わったわ、 というようなことを言っていたのを思い出す。NPもナースであるには違いないのだが、診断や治療の上での意思決定に大きくかかわる分、患者さんに対するコミットメントの質は一般看護師とはやはり違うなとおもう。NPとしての思考過程、日々訓練やな。

2009年4月2日木曜日

無料ウェビナーの紹介

医療専門職向けの継続教育のプログラムはいろいろありますが、最近のわたしのお気に入りは、Association of Reproductive Health Professionals のウェビナーです。ウェビナー(webinar)とは、ウェブ上で行われるセミナーのことです。このサイトでは、リプロダクティブ・ヘルスに関する分野、つまりわたしの仕事に直結する内容のウェビナーに、無料で参加できます。ライブのウェビナーは事前に申し込みがいります。ライブなので、講義の終わりに講師に直接質問をすることもできます。ウェブサイトに質問を書き込むか、電話もしくはパソコンのマイクに向かってしゃべって質問するのです。過去のウェビナーはいつでも見ることができます。

先週は偏頭痛&避妊法についてのウェビナーを見ました。これがすこぶるよかったです。今日はHPV(ヒトパピローマウイルス)の話を聞きます。今始まったところ。

ウェビナーの予定表はこちら。
http://www.arhp.org/Professional-Education/Medical-Education-Opportunities/Webinars

2009年4月1日水曜日

インプラノンのトレーニング

今夕、インプラノンのトレーニングを受けにいった。インプラノンとは、上腕の皮下に挿入するタイプの避妊薬(プロゲステロン)。挿入から3年間有効。1998年以来、世界30カ国以上で使われ、250万人以上の女性に処方されている。日本ではまだ使われていない。受講者は近隣の医師2人とわたしの計3人だった。講師は近隣の医師。インプラノンの特徴、臨床治験のデータ、実際の取り扱い方について、ビデオ・講義・実習で学んだ。きょうもらった上腕のモデルはかなりの優れもの。(NP学生時代に縫合の練習に使った豚足も忘れがたいが。)
こちらが今日のトレーニングでもらった資料と練習キット一式。(クリックすると写真が拡大します。)

練習キットの箱を開けた状態はこちら。腕の模型など。

最後の写真は、患者さんにインプラノンの説明を使うときに使うモデル。Implanon という文字の下にある白い細い棒(4cm)がインプラノンの実物大。これが腕に挿入された状態がどんな感じか、肌色の部分を触るとわかる。

しっかり練習して本番に臨みます。